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サソリのさとり

宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」の中で、カムパネルラがジョバンニに語って聞かせる「サソリの火」という話があります。


「一ぴきのサソリが小さな虫を殺して食べて生きていた。しかし、ある日イタチに見つかって食べられそうになった。サソリは一生懸命逃げたけど井戸に落ちてしまった。井戸からはいあがろうとしたがはいあがれなくておぼれはじめた。そのときサソリは神に祈りを始めた。

『わたしはいままでたくさんの虫を殺してきた。
でもその自分がイタチに襲われそうになったときは、一生懸命にげた。
その結果、自分は井戸でおぼれようとしている。
どうして、私は私の体をイタチにくれてやらなかっただろう。
そしたらイタチも一日生きのびたろうに。
ああ、神様、この次にはみんなの幸せのために私のからだを使ってください』

するとサソリの体は真っ赤な火になった。その火は今も燃えていて、その美しい火は人を喜ばせている」


という話なのですが、この話を読んでふと思ったのは

サソリが落ちた井戸の中には、バクテリアとかがいて、

イタチには食べられなかったけど、ちゃんと他の生物の命になったんじゃないかなぁ

ということです。


つまり、この挿話では

人間が「命」と認識している範囲内で、「愛」が規定されていますが

バクテリアとかもっと小さいやつらを含めたら


「死」=「形を変える」ということは、必ず他者の一部になるということであり、


人間は、生まれた時点で「地球に役立つ」ことから逃れられません。


しかし、このサソリが感じた罪悪感のようなものは多くの人が持っていて



「人の役に立たねばならない」

「優れていなければならない」

「責任を果たさなければならない」


そんなことを考えながら人は生きていますが


人は、人の役に立っていなくても、優れていなくても、責任を果たしていなくても、


世界を構成するパズルのピースとして存在してしまっている以上、役立ちます。



だから、サソリが井戸の中でおぼれながら


「神様、私のからだをみんなのために使ってください」


と言ったとき


神様は



「あなたはもう十分役に立ってますよ。お疲れ様」



と言ってくれたんじゃないかなと思いました。













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みんなエネルギーでつながってるんだよね。と最近よく思う。生命って不思議。
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Author:mizunokeiya
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水野敬也です。
著作は「夢をかなえるゾウ」、「ウケる技術」、「雨の日も、晴れ男」、「『美女と野獣』の野獣になる方法」、「大金星」。DVD作品「温厚な上司の怒らせ方」の企画・脚本も担当しました。
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