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スパルタ婚活塾 第8講 「コミュニケーションを極める方法」

 
それではいよいよ本講から「コミュニケーション」「ファッション」「立ちション」という恋愛三大分野をお前たちに叩き込んでいくことになる。

 そして、今回はその中でも最も奥が深い「コミュニケーション」だ。

 さて、この愛也は過去から現在に至るまで、世に出ている優秀なコミュニケーション本はほぼ読破し、大学時代、合コンが終わって「2次会行くか!」となったとき、一人だけ「ちょっと予定あるから帰るわ」と言ってそのままみんなに隠れてコミュニケーションセミナーに通っていた時期もあるほどであり、正直、俺以上にコミュニケーションを研究してきた生命体はもはや地球上に存在しないと言えるが、そこまで徹底的に研究した俺がたどりついた結論はただ一つ。


 コミュニケーションは、学べば学ぶほど、しゃべれなくなる。


 このことを痛切に実感したのは、俳優をしているかなり年下のイケメン野郎と話していたときであった。
 このイケメン野郎とはある人に紹介されて会ったのであるが、こいつは俺と会って数分も経たないうちに、真顔で俺にこんなことを言ったのだ。


 「水野くんって、頭悪いよね」


 この瞬間、(いやいやいやいや、頭の良さでいったら確実にお前の方が頭悪いし、つか、頭で負けたら逆に俺はお前にどの部分で勝てばいいのって話以前に、こいつ何でタメ口?)などと考え始め、脳内CPUは完全に混乱し、視界は歪み、油汗が垂れ、そうしている間にもイケメン野郎は次から次へと言葉を繰り出してきて俺は最終的に「き、君、そのへんにしとこうか」としどろもどろに言うことくらいしかできなかったのである!
 この事件は恵比寿にあるクラブ「ミルク」の入口付近で起きたことから「ミルク前の悲劇」として俺のトラウマ歴史年表に克明に刻まれ、「ドーハの悲劇」「Wの悲劇」と並ぶ日本三大悲劇のうちの一つに数えられている事は有名な話であるが、なぜこの悲劇が起きたのだろうか?

 それはすべて「内的思考」によるものである。

 そもそも人見知りする人、引っ込み思案な人――コミュニケーション弱者というのは言葉を発する前に頭の中でぐるぐる言葉が回ってしまうことで話せなくなるのである。
 たとえば目の前の人がバカなことを言ったのだとしても
 (この人バカなこと言ってるけど、でもバカなんて言ったら気を悪くするかもしれないし。でも、このまま何も言わず沈黙してしまうのもちょっと……)
 そんなことを考えてしまうものだが、先ほどのイケメンは

 (こいつ、バカだな)と思った瞬間に
  
 「お前、バカ?」
 「つうかお前、よく人からバカって言われない?」
 「え、バカっしょwwwマジウケるんですけどwww」
 「おーい!!みんなー、ここにバカがいるぞー!!」

 と発言しているのである。
 こういう野郎は幼少期から自信満々に人と接してきているので、あまり深く考えずに言葉を繰り出すことができ、周囲からも「自分に自信のあるやつ」と認められたりするケースもあり、さらにこういうやつは同性に嫌われたりするのだが逆に異性には魅力的に映ってしまう。

 これがコミュニケーション強者の秘密である。

 だから、コミュニケーション弱者がどれだけコミュニケーションを学んだところで「内的思考」が増えていくことに他ならず、
 コミュニケーションの技術を文章で学んだとしても

 (そういえば、この前読んだコミュニケーション本に、こういうときは『冗談ぽくバカだなぁ』って言えって書いてあったな……)

 などと考えている間に会話はもう次の段階に移っており、結局しゃべれないという悪循環が起きる。

 だから、本当にコミュニケーション能力を伸ばしたい者は、本を読んでコミュニケーションを勉強するのではなく、


 テンパる場所に行く


 である。
頼るべき友達がいない場所、自分の肩書が通用しない場所――つまりはアウェイに身を投じ、嫌な冷汗を滝のように流しながらしゃべり続けることで、相手の言葉に対して条件反射で言葉を返せるようになる。つまり、コミュニケーションは「慣れ」なのである。
 そして、この訓練を必死に続けることで、人見知りや引っ込み思案の人間は、劇的にコミュニケーション能力を伸ばすことができる。 
 先ほど登場した若者のように、何も考えず口にしてしまう人はコミュニケーションをする上でストレスは少ないがその分、成長することもない。しかし、内的思考に悩みながらも、会話をスピーディに行う筋力を身につけることで優秀なコミュニケーターに大化けすることが可能になる。
 よくテレビに出ているタレントでめちゃくちゃトークがうまいのに「私、人見知りするんです」と言うことが多いが、あれは決して謙遜しているのではなく、実際にそういう人間が、アウェイで鍛えまくったことで優秀なコミュニケーターに成長したのであろう。
 なので、コミュニケーション弱者は「テレビに出てる時点で人見知りなわけねーだろ」などとテレビを横目で見ながら湿気た柿の種をもさもさ食ってる場合ではなく、すぐさま立ち上がりパーティ的なものに顔を出し、ミックスナッツにも手を出さずにしゃべり続けなければならないのだ。

 そして、そのことをしかと肝に銘じた者のみ!

 今から記す具体的な『恋愛トークテクニック』に目を通すことを許可する。
 これから記す技術をマスターするというよりも、アウェイでの戦いを通して身に付けた技術をここで「はいはい、この技ね。これなら私完璧に使いこなしてるわ(ムダ毛を処理しながら)」くらいのスタンスで確認するのが望ましいと言えよう。


『ぶっちゃけレボリューション』
 
 会話をしているとき(この人とは壁を感じるな……)と思う瞬間があるだろう。そういう人との会話はストレスが強く、深い関係になれない。なぜこの現象が起きるか?それを一言で言うなら「心の中で思っている言葉を口に出せない」からである。例えば、偉い人と食事をしていてその人の鼻毛が出ているとき鼻毛に触れられない気まずさである。逆に、思ったことは何でも言い合える関係を作ることができれば、相手に対して心地よさと安らぎを与えることができるのだ。
 では、どうすればそんな関係になれるだろうか。
 それは、「ぶっちゃけを極める」ということになる。そして優秀なぶっちゃけが炸裂した場合、まさに相手との関係を一転するほどの革命を起こすことができるのだ。
 具体例を挙げよう。
 たとえば、たまにツイッターで「男がデートの食事代を割り勘してきた。最低の男だ」とつぶやき、それに対して女たちが「最低の男だ!」と擁護することが起きる。たぶん割り勘にされた女は「自分のプライドが傷つけられた」ということに終始し、「この男、ないわ」と決別しているのだろうが、たとえば割り勘にしてきた男に対して次を台詞を言ったらどうなるか。


「割り勘?うん、全然アリ、全然アリだけど、私のこと、ナメてない?

 
 つまり、「割り勘にされた」という事実に対して女の「プライドが傷つけられた」という感情を、ぶっちゃけるのである。
 このぶっちゃけレボリューションを成功させたら
 「とりあえず2次会でそのあたり詳しく聞こうか。次は当然、お前のオゴリで
 この関係に持ち込めば気まずい関係は一転し、どんな内容のことでも口に出せる空気が生まれ、ほとんどの割り勘男をホレさせることができるだろう。割り勘男は、自分にホレさせた上で捨てればよい。


『自アゲ』

 『自虐』という言葉がある。自分をバカにする笑いの取り方であり、対人サービスとしては優れているが、唯一、恋愛において『自虐』は厳禁である。
 繰り返すが、男は「価値の高い女」を欲する生き物である。
知り合いで笑いのセンスの高い女がいる。その女は5年間彼氏がいないのだが、飲み会の2次会のカラオケで酔っぱらった男が服を脱いだ瞬間、他の女が悲鳴を上げて目を隠すのを尻目に、「滅多に見れないから」という理由で「チンポを拝む」というギャグを繰り出していた。その場にいた皆は爆笑したが、笑いながらその女を彼女候補から外していたことは言うまでもない。
 しかしこういうことを言うと「じゃあ女は笑いも取らず清純ぶってろってこと?」と言ってくる女が必ずいるが、そういう女の顔面をバーニャ・カウダのアンチョビソースの中にねじ込みながら言うことになる。
 
 『自虐』をするなら『自アゲ』をしろ!

そもそも笑いとは、自分を下げたときだけに発生するものではない。「過剰」なものはすべて笑いになると考えよ。つまり

 「滅多に見れないチンポを拝む」もギャグであるが、同時に

 「ジョニーデップが最近どうも私にホレてるっぽくて、ウザい」もギャグである。

 そして『自アゲ』のパターンであれば自分の価値を下げずに笑いにすることができる。
自分が得意なパターンだからと言って、相手のニーズを無視して自虐に逃げるな。同性の前では『自虐』、異性の前では『自アゲ』を使い分けてこそ優秀なコミュニケーターである。



『吊り橋トーク』『悪戯トーク』 

 「魅力とは予定調和を崩すこと」。そして男と会話をするときには予定調和を崩すことを心がけるべきであり、『吊り橋トーク』『悪戯トーク』が有効になる。
 『吊り橋トーク』はすでに説明したが、『悪戯トーク』とは男を「ひっかけ」たり「ちょっかいを出す」会話であり、優秀な女は小学生の低学年からこの技を取得している。しかし、習得のタイミングを逃すとなかなかこの技を使いこなせないものである。
 そこで『悪戯トーク』において最もシンプルな次の例文をマスターせよ。
 
 例

 女「ズボンからパンツ出てるよ」
 男「え?」
 女「ウソ!」

この「ウソ!」が予定調和を崩す最初の一歩であり、水泳における「バタ足」、サッカーにおける「サイドキック」、キスにおける「フリスク」にあたる。まずはこの技をマスターしてから徐々に悪戯力を上げていくこと。


『「本音」と「建前」のサンドイッチ』

 魅力的な人間とは何か? この問いには様々な回答の仕方があるだろうが、その一つの答えが

「魅力的な人間」 = 「『建前』と『本音』の間で揺れ動いている人間」

である。
 「結婚を望んでいる女のコミュニケーションはキモい」と前に書いた。頑張って聞き上手に徹したり、色々世話をしてくれるコミュニケーションは男に対する「サービス」であるが、サービスであるがゆえにその裏に何か目的があるのではないかと考えてしまう。これは「建前オンリー」のコミュニケーションである。
 しかし、逆に、デート中に「つまらない」「もう歩きたくない」「こんな安い店絶対嫌」などと思ったことを口にするだけでは、わがままな女だ。これが「本音オンリー」のコミュニケーションである。
 つまり、「建前」だけでは、本音を隠しているようでウソ臭く思え、また「本音」だけだと相手に対する「気遣い」が見られないので嫌われるのである。
 
そこで魅力的な人間は、この「建前」と「本音」を両方同時に出すのである。
 
たとえば、男から
 「すごい面白い映画がある」
 と誘われて死ぬほどつまらなかった場合。
 「建前オンリー」だと

 「面白かった」

 となり、しかし口調や表情から(本当は面白くなかったんじゃないか)と男に思われ、自分に合せている女ということになるので気持ち悪くなる。
逆に「本音オンリー」で

 「つまんなかった」

 平然と言い切ってしまうと、「なんだよこの女」となる。 
ここで「本音と建前」を同時に出すとどうなるだろうか?
 たとえば、

例1(言いづらそうに)「面白……かった。うん、すごく面白かった……かな」
例2(映画の話題を完全にスルーして)「とりあえず、ポップコーンはすごいおいしかった!」

 つまり「映画はクソつまらなかったが、男が『面白い』と言っている手前、それをはっきりと口に出せない状態の演出」であり、つまらなかったという事実を「暗に」伝えているのである。
 特に、婚活に頑張ろうとする人間は真面目なので相手に気を遣う「建前オンリー」のトークになりがちである。そういう人間は本音を出すという「相手から嫌われるリスクを取れない」から魅力が無いのだ。
 この「本音」「建前」のサンドイッチを使いこなすにはコツがある。
 まず、ウソをつくことをやめ、本音を相手にぶつけるというベースの会話をする。ただ、そのとき、「あ、これだと相手を傷つけてしまうかも……」というセンサーが働くので、そのセンサーで「本音」をコーティングするのだ。最初は難しいが、慣れれば簡単に使いこなせるようになる。訓練あるのみ。


『ホメ進化論』

 ほぼすべての恋愛本に「男はホメ言葉に弱いからホメること」と書いてあり、確かに、男は女にホメられたくて頑張る生き物であるから正しいのであるが、しかし、ただホメるだけでは「建前」の影が忍び寄ってくる。
 ホメることが大事なのは当たり前。重要なのは、「ホメ方」である。
 そこで常に新しいホメ方、男を喜ばせるホメ方というものを常に進化させていく必要があるだろう。
 まず、必ず押さえておいたもらいたいホメ方が「他の人が見つけていない魅力を見つけてホメる」方法で、恋愛エキスパートたちの間では「マゼラン」と呼ばれている。
 さらに、男を「君、すごいね」とホメた上で「……ていうか、マジですごくない!?」という

「ていうか」「マジで」

という2フレーズでホメ言葉を強調する「TM強調」
さらに、時間差を使って

「ていうか」「さっきの話」「マジで」

という「TSM強調」など現状確認されているだけでも88種の技があるので、創意工夫を怠らないこと。

 これ以外にも様々なコミュニケーションの技が存在するが、まずは実践を通じて学んでいって欲しい。また、これらの技を使っている女を身近に見つけたらその女と一緒に過ごすことを心がけよ。コミュニケーションには「伝染る」という特徴があり、飛躍的に能力を伸ばすことが可能になる。

 それでは最後に、「地雷トーク」について書いておきたい。
 『自虐』でも触れたが、「その一言を言うと、男が一気に冷めてしまう」という、これまで積み上げてきた努力が一瞬にして水泡に帰すトークが存在するので必ず避けて通ること。


 『元彼トーク』
 
 女の中には「元彼が最低なやつだった」「男に遊ばれた」などと言って目の前の男対してあらかじめ「浮気しないでほしい」など、予防線を張る女がいる。またそうでなくても、過去に付き合った男の存在をあっさりと会話に投げ込む女がいる。そういう女は次の一言を肝に銘じなければならない。

 他の男とのセックスがチラつく話は一切するな

 こういうことを言うと、「男って本当にバカよね。この年で処女なわけないっつーの」みたいなことを言う女が必ずいるのだが、そういう女に対しては顔面にニンニクを擦り込み、ぐつぐつに煮立ったオリーブオイルの中に投入して「アヒー女」にすることになるだろう。

 仮に、お前の目の前に焼きたてのフライドチキンがあるとする。

 そのフライドチキンに対して、「実はこの鳥は数時間前まで息をしていました。優しい家庭に生まれ育ち、『ぴーちゃん』という名前で可愛がられ、人を疑う事も知らずにすくすくと育ちましたが、今朝精肉されまして、ちなみに断末魔は『コケッ!?』でした」という情報を伝えたらどうなる?

「食えるか!ボケ!」である。

 しかし、お前たちが目の前にいない他の男の話をするのは、これと同じである。
 元彼、セックスの人数、行きずりの恋etc……お前が普段どんな性生活を送っていようがかまわんが、男の前ではその話は絶対にするな。
 

 『クレーマートーク』

店の店員に必要以上に文句を言ったり、相手を責める口調をする女がいる。
これは恋愛においてもマイナスなのだが、こと「結婚」においては最悪の行動となる。
これは「男にプロポーズさせる方法」で詳しく述べるが、なぜ現在の男がこれほど結婚をしないようになったのか、男たちの気持ちを代弁するとしたら、
「結婚するのが恐い」
である。
つまり、裏を返せば男にプロポーズさせるには、男の心を覆い尽くす「結婚への恐怖」を取り除いていく必要があるのだが、冒頭に書いた「相手を責める口調」の女を見たとき男は何を考えるだろうか。
それは、

「もしこの女と離婚することになったら、徹底的に詰められるぞい」

である。
 少なくとも、無意識レベルではそういったことを感じている。
そんなことを思う男に対して「結婚する前から離婚したときのことを考える最低な男」と思うだろうが、「慰謝料」の存在は男たちを恐怖させるファクターであり、その不安を払しょくするのは重要項目の一つである。実際に結婚をしてしまえば法律がお前たちの味方をしてくれる。結婚する前は、好きな男の前で、誰かを責めている姿を見せてはならない。たとえ気心しれた友人や親に対しても避けるべし。


『コンプレックストーク』

 自分の持つ劣等感を口にするトーク。特に多いのが、いざセックスする段階になると、「私胸が貧しくて」「私の化粧、特殊メイクだから」的な、自分の不安をまぎらわせようとして口にしてしまう女である。
 これはコミュニケーション能力の高い女も踏んでしまう地雷なので要注意だ。なぜなら、『コンプレックストーク』は同時に『ぶっちゃけ』でもあるからだ。
 両者の違いを明確にするために、ここで改めて『ぶっちゃけ』について書いておく。

 ぶっちゃけで触れる「気まずい空気」は、「相手と共有されているもの」でなければならない。

 しかし「コンプレックストーク」は、自分だけが「気まずい」と感じているぶっちゃけである。

 ここに、「誠実な」八百屋がいるとする。
 その八百屋の目の前の客がトマトを手に取った。
 そのトマトは店にある最後のトマトである。
 そして、そのトマトにはほんの少し傷があった。
 八百屋はそのことを知っているので「それは少し傷があるんです」と言って安くするのも誠実な行為だが、同時に、

 「そのトマト、ちょうど食べごろなんですよ」

 と、トマトの価値を高めるという選択肢も存在するのである。

 しかも、セックスするということは、客はもうお前を買うと決めているのだ。そこで「傷もの」だと言うか「旬」として振る舞うのか、どちらが客にとってうれしいのか一目瞭然である。




『シャッタートーク』

 これは意外に知られていない地雷トークで、たまにこれをやる女を見かけることがある。
 具体的に言うと

 「私、アボカドだめだから」

 である。ようするに、「有無を言わせないNO」発言をする女がいて、男同士でも「そういう女、いるいる!」と盛り上がることが多い。
 いや、アボカドが食べられなくても何の問題もないのだ。しかし、アボカドが苦手なら、
アボカドをどけて食べるとか、何も言わずに残すとか色々な方法があるはずなのだが、なぜかある種の女は、突然、何かに対してドーン!とシャッターを降ろす瞬間があり、それが男を男をイライラさせるのである。これは食べ物に限らず
「私、怖いのだめだから」
 「私、寒いのだめだから」
 「私、エコノミーだめだから」
などがあって、デートの初期にこれを言うことで「この女、やめとこ」となるケースが多々あるので注意すること。


■第8講 まとめ


コミュニケーションは「慣れ」である。
緊張を強いられる場所に積極的に出かけることで、内的思考飼い慣らせ。実践で訓練を積めば優秀なコミュニケーターとして成長できる。


それではまた来週火曜日、この場所で会おう。




水野敬也関連作品



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スパルタ婚活塾 第7講 「男の浮気を防ぐ方法」

今からお前たちに教える恋愛理論によって、俺は、確実に多くの男たちのうらみを買うことになる。

もしかしたら、俺は、死ぬかもしれない。

この記事がアップされるや否やブログは大炎上し、俺は突然部屋に乱入してきた男たちに十字架を背負わされ、その十字架に磔にされた俺は脇腹を槍で貫かれ、肩まで伸びた長髪を振り乱し息果てるのだ。そしてその槍は、イエス・キリストの脇腹を刺した兵士の名前を取ってロンギヌスの槍と呼ばれたように、「塩谷瞬の槍」として後世語り継がれることになるだろう。


今回の講義は――「男の浮気を防ぐ方法」である。


人類がこの地球上に存在してからというもの、浮気は自分の遺伝子をばらまきたいという男の本能だとされ、常に社会問題の中心にあり続けてきた。そして多くの恋愛本は男の本能に屈し「男は浮気する生き物だからあきらめなさい」という教えをアホみたいな顔して鼻水垂らしながら繰り返してきた。
しかし、お前たちも知っているとおり、この愛也が最も嫌うこと、それは「妥協」である。
お前たちが男の浮気を防ぎたいと願う以上、その願い、かなえてやるのがイエス・アイヤが現世に出現した使命なのだ。

 そこで今から、男の立場からすると「女から何をされると浮気ができなくなるのか」その点について余すところなくお前たちに教えていこうと思う。

それではまず、男の浮気を防ぐ上で、絶対してはならないことを教えよう。
 それは、男に対して

 「浮気してもいいよ」と言うこと

 である。
 これは意外な事実なのだが、世の中には男に対して「浮気してもいいよ」と言う女が多数存在する。それは、あえて心の広い女を演じることで「こんな優しい女を泣かせてはいけないな」と男に思わせるという、イソップ童話の「北風と太陽」で言うなら太陽的な戦略であり、実際に「浮気してもいいよと言われた方が男は浮気できない」と書いてある恋愛本も存在する。



 絶対にヤメろ。



「浮気してもいいよ」と言われは男が考えることはただ一つ、




 ごっつぁんです



 である。 
 そして、実際にこの手の不幸の報告が後を絶たないのである。
 これは俺の知り合いから聞いた話なのだが、ある女が彼氏から「今度飲み会するから店を予約しといて欲しい」と驚愕の依頼をされたのだが、彼氏からは「これは友達同士の持ち回りが回ってきただけだから全然そういう気持ちはないし」みたいなことを言われたので女は「男のわがままを聞いてあげる心の広い女でいよう」と思い、予約をしたそうである。


 結果、男はその飲み会で出会った女と浮気して、その女と付き合うことになったらしい。


 俺が今から言うことを絶対に忘れるな。

「浮気してもいいよ」と言うくらいなら「浮気したら殺す」と言え。「浮気したら、浮気という文字のタトゥーをあなたの全身に彫りますからごめんあそばせ」と言い放て。

人類の歴史を顧みれば分かるように、いつの時代も人間の行動を統制してきたのは、愛ではなく恐怖であった。
 鬼のような顔をした怖い小学校の先生の言う事は皆聞くが、何をしても怒らない優しい小学校の先生は、最終的に、クラスの悪ガキに飛び蹴りをかまされることになる。
愛と言えば聞こえはいいが、愛は往々にして「甘え」の温床となる。
浮気されたくないのなら、絶対に男を甘えさせるな。
 
 だがしかし。
 ここで「浮気を許さない」というスタンスのもと、男が浮気しているのではないかと疑ったり、相手の携帯や手帳を盗み見たりするのも愚の骨頂。相手を疑うというのは、いかに自分に自信がないか、そして相手を人間として信用していないかを露呈する行為であり、まず100%の確率で、これまで積み上げてきた自分の魅力をゼロにする。もし何らかのトラップを仕掛けたり調査によって男が浮気している事実を突き止めたのだとしても、それをして良いのは別れることを前提とした、慰謝料を請求する裁判対策のみ。「自分の携帯をのぞいた」「罠を仕掛けた」という行為が明るみになった時点で、男の心は必ずお前から離れていくだろう。

 では、どうすればいいのか。
 もし仮にお前が「浮気したらとんでもないことになる」と男に恐怖を刷り込むことができたとしても、「バレなければいい」と男が思った場合、やはり浮気をされてしまうことになる。
 そこで最も重要になるのは、次の台詞である。


「私、分かっちゃうんだよね」


さらに、


「自分でもこの『能力』が嫌になるときがあるの(ため息交じりで)」


――そう。
自分はある種の超能力者であることを男に刷り込むのである。そして、重要なのは、自分が能力者であるという事実は、出会ったばかりの頃や、付き合い初めの頃から刷り込みを開始すること。ある日突然、「能力」が発現して良いのはドラゴンボールやHUNTER X HUNTERの世界のみ。もし、メンタリストのDaiGoが売れない芸人出身だったとしたらどうだ? あの能力を見せられて思う事は「すごい!!本物の超能力者だ!」ではなく、「ああ、この人は売れるために試行錯誤してこの手品をチョイスしたんだな」である。
 また、自分に超能力があることを「確実」に刷りこみたいのであれば、最初に「奇跡」を見せておくという手がある。あらかじめ男に関して知っていた情報を使って
「あなた○○でしょ」
と言い当てて
「なんで分かったの!?」
と驚かせておいて、
「私、分かっちゃうんだよね」 ⇒ 「たまに、自分でもこの『能力』嫌になるときがあるの(ため息交じりで)」 のコンボである。
 また、さすがにそこまでできないというやつも日頃から他人の表情や口調を注意深く観察して、相手の状態を見抜くという訓練は絶対にやるべきである。そして、男とのデート中に、その男がつらそうにした瞬間や、悩み事を抱えていたりするときに「大丈夫?」「無理しないで」とうまくフォローしてやる。
 さらに、
 「あなたって顔に出るタイプね」
 と言ったり
 「あなたには○○のとき○○する癖がある」
 と他の人が見抜いていない癖を見抜くことで「お見通しキャラ」を演出する。これを念入りに刷り込んでいけば「ああ、この女の前ではウソはつけないな」と思うようになり男の浮気を予防することが可能になるのだ。
 これが、俺の提唱する


 霊感理論


 であり、


 やり方としては、ほぼ、霊感商法と同じ手口である。



■第7講 まとめ


■ 霊感理論

「男は浮気をする生き物」だと言って「浮気してもいいよ」などとは絶対言ってはならない。
「浮気をしたらとんでもない罰が待っている」という恐怖を持たせ、さらに、「自分にはウソを見抜く能力がある」という刷り込みを行うことで浮気を予防せよ。





(愛也のイベント出演のお知らせ)

愛也だ!
現在俺の元へは年間1万回以上のイベント出演のオファーがあり、そのすべてを断っているのは周知の事実であるが、今回の「ソーシャル恋愛研究所」には参加を決意することになった。というのもこのイベントを主催するSCRAPの「リアル脱出ゲーム」に何度か参加したがそのクオリティがマジでハンパなく、さらに中国でも大成功を収めているという話を聞き、このビッグビジネスには今のうちに絡んでおかねばならないといういわば愛也の処世術である。この文章を書いている今、ウチの事務所社長の山本が
「SCRAP社長の加藤はんに、これ渡しといてくだはれ」
と風呂敷に包まれた1000万円相当の金塊を手渡してきたところである。
正直、お前がこの文章を読んでいる頃にはチケットは完売しているであろうが(※これは冗談ではなく。SCRAPのイベントは本当に超人気なのです)、もし幸運にもチケットを入手することができた者は会場で会おう!

「ソーシャル恋愛研究所」
http://www.scrapmagazine.com/wps/archives/category/events



(スタッフより)
※本日発売の「漫画アクション」(双葉社)で、漫画「LOVE理論」第3回が掲載されています!今回紹介される理論は「ファッションまぐろ理論」です!(漫画アクションはキヨスクに置いてあります)。

※もし恋愛に悩んでいたり、「こんなときどうすればいいか愛也先生に教えて欲しい」という質問がある場合は、コメント欄に書いてください。多くの女性が悩む内容に関してはどんどん答えてもらう予定です。





水野敬也関連作品



スパルタ婚活塾 第6講 「伝説の8期生 YOSHIKI」

さて、スパルタ婚活塾、第6講を始めていきたいと思うわけだが今日のテーマは――






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「ちょっと失礼しますよ」


「だ、誰だ貴様は!授業中だぞ!」




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「――お久しぶりです愛也さん」


「お、お前は――」








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伝説の8期生・YOSHIKI
現在、水野愛也のLOVEゼミナールは27期を迎えているわけだが、過去に「伝説の8期生」と呼ばれる恋愛モンスター集団が存在した。現在、六本木、西麻布、歌舞伎町の恋愛業界はほぼすべて伝説の8期生が牛耳っていると言われている。そしてその伝説の8期生の中でもとりわけ異色の存在だったのがこのYOSHIKIであった。東京大学医学部を卒業後LOVEゼミナールに参加したが、「日本女性を健康にするには、医学では足りない」とLOVEゼミナールを離れ単身渡米。ハーバード大学に存在すると言われる幻のセックスの授業を受講する。




「YOSHIKI! お前、日本に帰っていたのか!」


「ええ。さっき成田にランディングしたとこです。愛也さん、『スパルタ婚活塾』、ライズってる(盛り上がってる)みたいですね。ANAのCAたちもフライト中は一切仕事をせずスパルタ婚活塾の話オンリーでしたよ」


「まあそうなるだろうな。――恋愛を真剣に学ぼうとするのは男ではなくむしろ女。今後は『婚活』の講義によって日本を変えていこうと考えている」


「さすが愛也さんだ、相変わらず目のつけどころはバッドじゃない。確かにウーマンのマリッジ(結婚)に対するディザイア(望み)はカットフルーツ(切実)だからね。でもね、愛也さん、あなた、婚活を教えるならまず最初に教えなければならないこと、忘れてるんじゃないのかい?」


「な、何だと!? 俺のスパルタ婚活塾に何か問題があるとでもいうのか!?」



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「これですよ」


「そ、それは――」




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「婚姻届です」




「婚姻届――」


「達成したい目標があるのなら、ゴールを明確にする。ハーバードの連中の間では常識です。でも、愛也さん『スパルタ婚活塾』を受けている生徒は、まだ婚姻届を見たことすらないのでは?」


「ぬっ……ぐぐっ……」


「婚活を教えるなら、まず最初にやるべきことは『婚姻届を取りに行くこと』だ。それを教えずに、あんた一体今まで何を教えてきたんだい!? GTA(グレイトティーチャーアイヤ)さんよお!」


「き、貴様ぁ!!!」(殴りかかろうとする愛也)


「おっと愛也さん、バイオレンスは勘弁してくださいよ。柔道5段、空手8段、グリーンベレーの特殊訓練で慣らし、FBIから朝、昼、晩と毎日3回のスカウトが来ているあんたとやりあってもかなわないからね。だいたい俺が今日来たのはあんたとケンカするためじゃない。この『婚姻届をゲットする』という行動を、ぜひジャパンの独女たちに実践してもらいたいんです」


「ほう……」


「区役所に行って、婚姻届をもらおうとすると、まず最初になんて言われるか知ってますか?」


「何と言われるんだ?」


『日本人同士の結婚ですか?』です」


「!?」


「婚活にいそしむ独女たちは結婚に焦り、視野が狭くなってしまう。すると『外国人と結婚する』という選択肢を忘れてしまっているんですよ!」


「!!」


「さらに、↓を見てください。これは夫妻の職業をチェックする欄ですが――」




水野敬也オフィシャルブログ「ウケる日記」Powered by Ameba-婚姻届01


「なぜか『農業』だけに特別枠が設けられているんです!」


「な、なぜだ!? なぜ農業だけが特別なんだ?」


「その答えは――」







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「分かりません」



「ただ、俺に言わせたら、この『分からない』ことが重要なのです。『どうして農業だけが特別なの!?』そう考えているうちに『農家の人たちには税金の控除的なものがあるんじゃないかしら?』と気になり夜も眠れなくなり、最終的には『すべては農家に嫁げばすべては分かること!』と農家の嫁になる決心をする女性も現れるでしょう」


「――!!」


「ニューヨーク大学のガブリエル・オッティンゲン教授が『恋をしているがまだ付き合っていない』学生を対象に調査をしました。その結果『付き合ったら楽しそう』と夢想するだけの学生は、具体的な目標を立てて冷静に付き合えるかを計算している学生に比べて、恋を成就させることができていなかったのです。つまり、結婚相手をいかに具体的にイメージできるか。そして結婚というゴールに立ち、冷静に逆算できるか。それが婚活が成功するかどうかの分かれ道となるのです。これがYOSHIKI流――『すべての婚活は市役所から始まり市役所に終わるセオリー』です」


「さ、さすがYOSHIKIだ――(愛也の額から一筋の汗が滴り落ちる)」



「(微笑みを浮かべながら)でもね、愛也さん、俺が日本に戻ってきたのはこの理論を披露するためだけじゃありません。実は、もっと大きな理由があるんです」


「大きな理由?」


「――愛也さん、俺と、バトル形式の『恋愛講義』を開きませんか?」


「バトル形式だと!?」


「はい。もしこの興行が成功したら、愛也さんのマニフェストである『義務教育に恋愛を!』はほとんど実現したも同然ですよ。そして、その興行の名は――『ラブ・ファイトクラス』」


「ラ、ラブ・ファイトクラス――」


(つづく)




第6講 まとめ

■すべての婚活は市役所から始まり市役所に終わるセオリー(by YOSHIKI)

「婚活」に焦るあまり視野が狭くなり、様々な可能性を見落としている女は多い。まずは市役所に行き婚姻届をもらってくることで、結婚という目的を明確にイメージせよ。すると結婚というゴールにたどりつくための道は一つではないことが分かるはずだ。



それでは、また来週火曜日。この場所で会おう。







水野敬也関連作品


愛を打つ

麻薬で逮捕される人を見ると

もったいないな

と思います。

何かの研究で読んだのですが、まさに「脳内麻薬」という言葉どおり、人間は薬を使わずとも色んな形で快楽を生み出すことができると言われており

そしてその中でも、何の法的リスクもない健全な麻薬というのは「愛」だと思うのです。

この点に関しては、道徳教育や宗教の弊害があると思うのですが、愛というのは今の社会では「しなければならないもの」という風に「上から押し付けられる」ことによって多くの人の中で拒絶反応が生まれてしまっています。

しかし、本来、愛というのは人間にとって「単なる快楽」で

確か小学2年生のときだったと思うのですが、僕は小さな猫を拾ってきて密かに育てていたのですが、最初は「シャー!」とか歯をむき出しにして威嚇してきたのですが、毎日餌をあげていたらその子猫がのそのそと僕の膝の上に乗ってゴロゴロと喉を鳴らし始めたときの快感はとんでもなくて、
というか、僕、そのとき勃起したんですよね。
だから、それ以来、学校の先生や親が言う愛というものとは違った解釈をするようになりました。

だから、今も「麻薬」も「セックス」も「愛」も脳みその同じような場所で「これは気持ちいいもんだ」と判断してるんじゃないかなという思いがあります。

だから、老人に席を譲ったり、友達を助けるという、一般的に「善いことをする」行為は

「ヤクを打つ」に掛けて「愛を打つ」と表現したら良いんじゃないかと思います。

そして、僕の中には

いつかこんな愛を打ってみたい

と憧れ続けてきた「上物」がありました。

それが



●シャウト愛



です。

そもそも人間は「叫ぶ」という行為に対して非常に大きな快感を感じる生物ですが

さらに、そこに「愛」を組み合わせたらそれは相当な快感になるんじゃないかと思い、何度も空想しては「ええなぁ」と恍惚感に浸ってきました。

ちなみに、この「シャウト愛」を具体的に言うと

飛行機の中で人が倒れたときにFAの人が


「この中でお医者様はいらっしゃいますかぁ!」


とシャウトするアレであり、アレを叫んでいるときのFAの人は、もちろん緊張や不安を感じているとは思いますが後から振り返って「うわあ、あんとき私、やったったわ」とすげー気持ちよくなり、それをオカズにして一人Hできるレベルの興奮だと思うのです。

そんなことを考えながら日々生きていたのですが、


なんと、今日、


僕はついに「シャウト愛を打つ」機会に恵まれたのでした。


チャンス、というのは常に、自分の思いもよらなかった方向から現れるものです。


僕としても「シャウト愛」を行うのは、「機内」「山や海」「銀行」などを想像していたのですが


現実にシャウト愛を打つことができたのは、



●立ち食い蕎麦屋



でした。


僕はつい先ほど

立ち食い蕎麦屋に入って食券を買おうと機械の前に立ったのですが

食券が出てくる場所に小銭が転がっていたのです。


580円くらいだったと思います。


そのお金を見て僕は即座に、前のお客さんがお釣りを取り忘れそのままにしておいたから

機械が自動的にお釣りを外に吐き出したということに気づきました。

ただ、このとき僕は、これが「シャウト愛」に発展するとは思っておらず、

お釣りを店員に渡すという「お金落ちてましたよ愛」になるのかなと思いました。

だがそのとき


「待て、ケイヤ」


と心の中で声がしたのです。


耳を澄ますと、その声は僕の心の奥に居る、パンクロッカー風の、腕に注射の跡が何本もある、観音菩薩でした。

菩薩はマイクに向かって叫びました。。


「イフ、機転の利かない店員だったら、その場でお釣りを渡さないかもしれないゼェェェ!」


(た、確かに!)


僕は菩薩の言葉にうなずきました。

もし、僕がお釣りを渡した店員がそのままカウンターに置いたままにしたら、そのお釣りが持ち主のところに戻ることはないでしょう。後になって「お釣りを取り忘れたんですけど……」と申し出るお客さんがいるとは思えないのえす。

そこで僕は店員に渡すのではなく、直接店内のお客さんに聞いて回ってはどうかと考えました。

しかし、また、菩薩が叫んだのです。


「お客さんは、ウソをつくかもしれないゼェェェ!」


(な、なるほど)


僕は菩薩の言葉に膝を叩きました。

お釣りを取り忘れた人は、蕎麦屋のカウンターの前で蕎麦ができあがるのを待っている人の中にいると思われますが
ただ、僕が「あなた、お釣り忘れてませんか?」と聞いて「あ、ああ、すみません」と受け取られても、実際にその人かどうかは分かりません。というか、一人一人に「あなたのお釣りじゃないですか?」と聞くと「もしかしたら自分かも」と思って、誤って受け取ってしまう人が出るんじゃないかと思ったのです。

菩薩は、エレキギターをかき鳴らしながら叫びました。


「叫ぶんだゼェェェェ! この店内で、ありったけの声で、愛を叫ぶんだゼェェェェェイエェェェェェイ!」


僕の体が震えだしました。

武者震いでした。

夢にまで見た、シャウト愛を、ついに――打つときが――来たのです。


そして、僕は―――


立ち食い蕎麦屋の狭い店内で、声高に叫びました。




「だ、誰か、お釣り忘れてませんかぁ!」





すると、

行列の後ろから2番目にいた女性が


「あ……」


と言って前に進み出ました。

その雰囲気から

(間違いなくこの人だ!)

と確信した僕は、その女性にお釣りを手渡したのです。

そのとき感じた快感。

それはそれは相当なものでした。

この状況でシャウトできる者が日本に何人いるだろうか。

仮に、救急救命士の資格を持っている人でも、ここでのシャウトは相当ハードルが高いはずだ。


しかし、俺はやった。


そのハードルを乗り越えて、あるべき場所に小銭を戻すという愛を、打ったのだ!


押し寄せる快感の波に身をゆだねながら、

僕は蕎麦のカウンターの前にある、食券置き場に「とろろ蕎麦」と「大盛り」券をカウンターに差し出そうとしたときでした。


突然、列に並んでいた60歳ぐらいのじいさんが叫んだのです。




「並んどるぞ!」




一瞬、何が起きたか分かりませんでした。

ただ、僕が声のする方に目を向けると、

そのおじいさんは完全に僕を睨みつけているのです。

(一体どういうことだ――?)

混乱しながらも、状況を観察してみたところ、僕はなぜ自分が怒鳴られたかが分かりました。


本来であれば、

この立ち食い蕎麦屋のシステムは、

まず最初にカウンターに食券を置き、それから列に並んで自分の蕎麦ができるのを待つ

というものです。

しかし、時間がちょうど昼時だったので、カウンターの上に食券が置き切れなくなっており、多くの人は手に食券を持って並んでいる状態なのでした。

だから、直接カウンターに食券を置きにいった僕は、そのおじいさんから見たら「横入り」に見えたのであり、

つまり、完全に僕が悪いのですが、




僕はこのじじいにめっちゃ腹が立ったんですよ。

もう、ほんとこいつブン殴ったろかっていうくらい腹が立ったんですよね。


え? お前、さっきの俺のシャウト聞いてなかった?

俺は、小銭をネコババすることだってできたのにもかかわらず、それをあえて「シャウト」という勇気のいる手段を使って持ち主のところに返した英雄だぜ?

その英雄に向かって何をダメ出ししてくれてんのじゃ! 

しかも公衆の面前で!

「あらら、この人、さっきカッコつけて何か叫んでたけど、ダメ出しされちゃってんじゃないのw」ってみんなから思われてるだろうが、ボケェ!



――そんなことを考え怒りに震えながら、僕は仕方なく行列の最後尾に並びました。


しかし、そのとき


僕は、あることに気づいたのです。



これって、もしかして―――





愛の『副作用』じゃね?





シャウト愛を打ったことによって、僕の中では「素晴らしい人間である」という誇りが高まった。


そして、高まった誇りは、じじいのダメ出しによって、通常よりも落ちる落差が大きくなったというわけです。



光ある場所に、闇あり―――。




「やっぱり、麻薬と愛は、同じものなのかもしれないな……」


そんなことを考えながら、僕はとろろ蕎麦をすすったのでした。










スパルタ婚活塾 第5講「おさわり四十八手」

書店に並ぶ女向け恋愛マニュアル本を読んでいるといつも思うのが

色んなこと書きすぎ

である。
「さりげなく可愛い言葉を言う」「小さな気配りが大事」「大胆さが必要」「よく笑い、よく笑わせる」「前回とは違う自分を見せる」etc……100項目近くの方法がずらずらと並べてある。
 だが、今この文章を読んでいるお前は、自分の胸に手を当てて――その貧乳に、まな板に、エアさらしを巻いた胸に手を当てて――過去を振り返ってみよ。いざ好みの男を前にしたとき思い出せた技術はせいぜい一つか二つではなかったか?
 
もちろんスパルタ婚活塾では最高の男と結婚するための技術を様々な角度から教えていくことになる。基礎編を教え終わったら「コミュニケーション」「ファッション」「立ちション」の三大分野に加え、デート、交際、H、プロポーズまでの技術を完璧に叩き込む。毎週火曜日に更新しているこの連載が終了するのは、30年後の2042年6月を予定しており、連載の後半では一人称が「俺」から「ワシ」になるだろう。そして、そのときまでには必ずお前を理想の男と結婚させることを約束しよう。

 さて、しかし現状のお前は恋愛初心者である。恋愛若葉マークである。そんなお前たちに今回は

 「好みの男を前にしたときは、このことだけを考えろ」

 というたった一つのスキルを授けたい。これは男を落とす恋愛理論の中でも究極奥義と呼べるものなので心して聞くこと。
 
 ところで、男はどういうとき女を好きになるか?

それは、もちろん好みの女性が目の前に現れたときでもあるが、それ以上に大事なのが

 「この女、落とせるんじゃね?」

と期待したときである。
人間は高すぎる目標に対してはモチベーションを燃やさず、頑張ればなんとかなりそうなものを手に入れようとする生き物である。しかし、これは裏を返せば「こいつ確実に俺にホレとるなあ」と思ったときには冷めるということを意味する。なぜならその時点でその女は自分にとって価値の低いものに思えてしまうからである。ハッピーマニアのシゲカヨの有名な台詞
「私のことを好きにならないようなカッコイイ男はどこにいるの?」
これは男にもあてはまる言葉なのである。
つまり、重要なのは、男に惚れているという証拠は掴ませないが、相手からは「この女、俺に気があるんじゃないか」と思わせるという、「疑わしいけど証拠がない」まさに恋の完全犯罪を成立させるということなのだ。

では具体的にどのようなトリックが可能になるだろうか。

結論を言うと



おさわり




である。

男という生き物は女が思っている以上に、ボディにタッチされると「この女、俺に気があるんじゃね!?」と勘違いしてしまう生き物なのである!
この重要性を女に叩き込むために、俺は女向けの恋愛講義を開くとき、必ず授業前に生徒を全員起立させ次の言葉を唱和させることにしている。


さわりまくって、ヤラせるな


俺の授業に参加する100人以上の熟女たちは、まずこの言葉を声高に10回叫んでから席につくのである。
しかし、俺がこの話をすると決まって
「要するに、男の体を触ればいいんでしょ」
と男の膝に手を置いたりするバカな女がいる。



お前はキャバ嬢かと。



キャバ嬢のおさわりは男がお金を払っているという条件だからこそ「完全犯罪」として成立しているのであり、普通の飲み会でそんなおさわりをしたら完全にアウトである。
 ちなみにキャバ嬢的なおさわりは、
「男の膝に手を置く」
「マッサージできるといって体のツボを刺激する」
「肌が奇麗と言って肌を撫で続ける」
などがあり、これらのおさわりを初対面で使うとキモいと思われるので要注意。

繰り返すが、お前がしなければならないのは、あくまでナチュラルなおさわりなのであり、「あなたのことが好きです」ということがバレない、アリバイのあるおさわりなのである 

さて、男に対するおさわりの破壊力を誰よりも熟知していた俺は、この分野に関しては徹底的な研究を続けてきた。常に新しいおさわりを開発し、また、素晴らしいおさわりスキルに出会ったときには逐一メモしてきた。
 こうした地道な努力によって発見した技術「おさわり四十八手」を今からお前たちに教えてしまうのは正直ためらわれる。この「おさわり四十八手」が収められたエクセルシートであれば最低でも10万円以上の価値はあり、全世界に存在する愛也ファン1000万人に販売すれば一財産が築けるだろう。実際、そのことに気づいた事務所社長の山本が手をもみながらこんな提案をしてきた。

「愛也はん、『おさわり四十八手』売り出しまひょ。これやったら原価0円、粗利100%やから(電卓をはじきながら)うん、ちょうど売上1兆円や。これで来年のフォーブス資産長者番付、孫と柳井を超えられまっせ」 

しかし俺はニヤニヤと笑う山本の顔面に何度も拳を叩き込みながら言った。

「バカ野郎!!! 俺はなぁ、たかが一兆の金が欲しくて、スパルタ婚活塾やってるんじゃねえんだよ! 俺は――1人でも多くの恋に悩む女たちを、最高の笑顔でバージンロード歩かせるために――この、スパルタ婚活塾を開いたんだ!」

「あ、愛也はん……!」

すると山本は目に涙を浮かべて言った。

「すんまへん愛也はん。ワテが違ってました」

しかし、山本は目をくわっと見開くと言った。

「ただ、愛也はん、これだけは忘れんといてください。ワテは、ただ銭っ子欲しくてこんな提案したんやおまへんで。ワテは、愛也はんの最終目標である世界一の恋愛テーマパークを――『東京ディズニーランド(TDL)』を超える『東京秘宝館(THK)』を建設して、全世界に広めるために銭っ子のこと考えてるんでおま!」

「や、山本――」

こうして俺は、改めて山本が最高の経営者であることを確認し、4畳半の事務所で抱き合ったのだった。そして喧々諤々の議論を交わした結果、「おさわり四十八手」は無料で配布し、四十九手以降を「一手、一万円」で販売することに落ち着いたのだ。

 ――それでは、今からスパルタ婚活術奥義「おさわり四十八手」をお前たちに伝授したい。

 これから紹介する技術はすべて「ナチュラルなおさわり」であるが、その場の空気や触り方によってキモくなる危険性存在する。繰り返し実践の中で訓練しながら必ず自分のモノにすること。





「おさわり四十八手」



「ハイタッチ」
共同作業を達成したときなどに行うスキンシップ。どんな状況からでも繰り出すことができるすぐれたおさわりなので積極的に狙え。

「ソフトビンタ」
ツッコミを入れるとき技の一つ。少しでも自分にとってマイナスのことを男が口にしたときは狙い目。

「ショルダータックル」
ツッコミを入れるときの技の一つ。こちらの肩を相手の肩にぶつけていくことでかなり大きなスキンシップになる。

「ねえねえタッチ」
何か聞きたいことがあったり、お願いするときに「ねえねえ」と相手の注意を喚起させるために肩などをポンポンと叩く。

「ファータッチ」 
遠くにあるメニューなどを取るときに無理やり取ろうとして男の体に触れる。

「どっこいしょタッチ」
座敷席などでトイレに立つ際、「ちょっとゴメンね」と男の肩を支えにして立ち上がる。意外にこれにドキッとする男は多い。また、男の隣に座る際に、男の肩をつかんで横移動させるという「スライドタッチ」も存在する。

「けなしタッチ」
たとえば、腹の筋肉が割れている男がいたとして、その男の腹をうっとりした視線で触るとキャバ嬢タッチとなってしまうが「うわ! お腹が割れててセミみたい!」とけなしながらおさわりすることで、気持ち悪さを払しょくできる。
またキモタッチは「筋肉」以外にも、次の部位に対して使うことが多い。

「浮き出た血管」「ぽっちゃり出た腹」「濃すぎる毛」「突き出た喉仏」

「ベイビータッチ」
「けなしタッチ」と同じカテゴリーだが、こちらは「好奇心のあまり、つい触ってしまった」というタッチであり、まさに赤ちゃんがなんでもかんでも触ってしまうことから「ベイビータッチ」と命名された。応用範囲は非常に広いので「面白い部位を見つけたらまず触る」癖をつけておくこと。
 「頭の絶壁」「福耳」「ダメージのありすぎるジーンズ」へのベイビータッチや、服のほつれや取れそうなボタンをタッチする「ミスターミント」。また高等テクニックになるが男の体の傷口や傷跡に触る「ナイチンゲール」は一発で男を落とせる可能性のある大技なのでマスターしておくこと。


「ハンドトゥーハンド」
ベイビータッチの一種であるが、「手、大きいね!」ないしは「手、小さいね!」からの流れで手の大きさを確認する際に、手を広げて相手の手の平を合わすことができる。男と出会ったらまず手の大きさを確認せよ。

「ジョリジョリローリング」
通常であれば「キモタッチ」と「ベイビータッチ」に分類されるタッチだが、この「ジョリジョリ確認」に関してはあえて違うカテゴリーとした。というのもヒゲがジョリジョリしている男や、坊主頭の男に対して「触らせて!」と無邪気に言う女は多く、男には「女はジョリジョリが好きなんだなあ」という認識があるので、ジョリジョリしている部分に対しては比較的無防備になっている。男がジョリジョリしている部分を見つけた場合はすぐさまタッチをし、他の女たちに先を越された場合も、「私も!」とジョリジョリに便乗しておくこと。

「逆サイドタッチ」
人間の体は左右対称になっていることを利用して、たとえば「右腕の筋肉が異常」という流れでタッチした場合、「左腕の筋肉はどうか」と左腕をタッチすることができる。片方をタッチしたら必ず逆サイドを拾うことを忘れるな。

「時刻確認」
腕時計している男の手を握って時計を見て時間を見る。もしこのとき男がブランドモノの時計をしているのであれば、「時計確認」⇒「時計奪取」(後述)のコンボを決めることができる。

「時計奪取」
時計に興味を示し「ちょっと見せて」などと外させた挙句、可能であればそのまま自分の腕につけてしまう高等技。難易度は高いが自然にここまでもっていけると相手との心理的距離を大きく縮めることができる。また「奪取」に関連する技として「帽子奪取」「携帯奪取」「I Pad奪取」「メガネ奪取」がある。

「メガネ奪取」
メガネ奪取はぜひマスターして欲しいタッチである。まず、メガネ男子に対して「メガネ外したらどんな風になるの?」と眼鏡を奪う。ここで眼鏡を外した場合、今度は眼鏡をかけさせるときにタッチする「メガネ掛け」という技に発展するが、さらにここで、メガネ男子がメガネを取られるのを嫌がるケースがある。というのもメガネ男子にとってメガネ無しの顔は女で言うところのスッピンであるからだ。この場合、メガネを取られまいとする男と、メガネを奪おうとするお前との間で「メガネ綱引き」という大技に発展することもあり、この場合メガネを取り合いながらどさくさに紛れて色んな部位に触ることができる。

「誰に買ってもらったの?タッチ」
男の服や時計が良いモノだった場合、「誰に買ってもらったの?」と因縁をつけて触ったり、奪ったりすることができる。古典的な技だが相手の男に対して「女に貢いでもらう魅力ある男」ということを暗に言えるので効果は高い。

「喝タッチ」
ツッコミタッチの一種だが、一人でつまらなそうにしている男や眠くなっている男に対して「起きろ!」などと喝を入れながら叩く手法。誰からもかまってもらえていない寂しさが、女からのタッチによって「かまってもらえている」という安心感を生むので、一発でホレさせることが可能。

「癖直し」
貧乏ゆすりなどの、「子どもの頃注意された癖」を持っている男に対してはタッチによって
矯正していくことで、母親を感じさせながらタッチすることができる。

「ユーレカ!タッチ」
アルキメデスが金の純度の測定法を発見した際に叫んだとされる言葉「ユーレカ!」。つまり「分かった!」ということである。これは昔やられたことがあるのだが、飲み会でクイズみたいなことしているときに、隣にいた女が「分かった!」と叫んで俺の膝をパシッ!と叩いたのである。俺の膝を叩く必要はまったくないにも関わらず、である。つまり、単に勢いで叩かれただけなのだが、かなりドキドキしたのを覚えている。

「腕相撲」
これは、大学時代の先輩の彼女が使っていた技で、正直あまり可愛いくない女の子だったが、めちゃくちゃモテる先輩を射止めていた。その女が使っていた技術なのだが、男に腕相撲を挑む、という技である。「私強いよ」と男に腕相撲を挑みガチで勝負するのだが、負ける。その瞬間がめちゃくちゃ可愛いのである。この腕相撲に限らず、女の方が明らかに能力が劣っている分野においてガチで勝負を挑む行為は非常に可愛いので必ずマスターするように。俺も過去、鉄拳の10連コンボを必死にマスターして俺に挑んできた女にホレたことがある(だが、結果は瞬殺であった。俺は女、子供に容赦しないタイプなのだ)。

「パンツ出てる指摘」
かなりの大技であるが、慣れれば簡単にできる。男が何かを拾おうとしたときなど、服がめくれてズボンからパンツが出ることがあるが、「パンツ出てるし!」と言いながら引っ張るだけで良い。あまりに効果がある技なので、「モテたい」と言いながらこれをやってない女を見ると「この女は一体何をしているのか」と怒りすら覚えるときがある。


「酔拳」
そもそも男が酔った女を好きになるケースが多いのは「酔っている」という事実のもと、普段よりも平気に男の体を触っているからなのだ。酔拳のバリエーションはかなり多様だが「いつまでもネクタイしてんじゃねーよ」などの「ネクタイ引っ張り」や、意味なポロシャツの襟を立てる「シャレオツ化」や「靴下脱がし」などはマスターしておきたい。

「カッケ確認」
酔拳との併用になるが、男の膝が目の前にある場合、とりあえずカッケの部分にチョップを食らわせることでタッチすることができる。

「ユニクロサプライズ」
男の服がユニクロだという話の流れになった場合「え?これユニクロなの? 見えない」と驚きながら服を触るという技。

「生け花ヘア」
まるで生け花のごとく、男の髪の毛に何かを挿し込む技である。店に飾ってある花や、自分のヘアピンで男の髪をとめてもよし、競馬好きの男の耳の上に赤鉛筆を挿し込むこともできる。

「生え際チェック」
男の髪の毛の生え際を確認する。生え際を確認した上で「全然大丈夫じゃん」と言ってあげると男を落とせる。

「既婚チェック」
飲み会などで男が既婚者かどうかを見るために、左手の薬指に指輪のあとがないか、手がむくんでいないかチェックする。かなりキワドイ技だが、男が結婚指輪をはずしてきていることがバレるとかなり動揺するので優位に立つことができる。既婚者を落としたいときに有効。

「天国から地獄」
小学生の時に流行る知識として、肘の裏の皮には神経が通っていないのでつねっても痛くないというものがある。会話の流れから肘の裏の皮をつねることに成功した場合、そこから
「じゃあ、一番神経が通ってる場所って知ってる?」
そして、人体で一番神経が通っていると言われる足の親指の毛を抜くという技である。男としては、一番神経の通ってない場所と一番神経の通っている場所を触られることになるので心が揺さぶられることは間違いない。

「脂取り紙タッチ」
脂取りがみに代表される「物を使ったタッチ」は機能的な行為なのでいやらしくならない自然なタッチになる。男の服に何かこぼれたときなどの「おしぼりタッチ」も同様に有効。

「冷え性アピールタッチ」
「末端冷え性」という本来であれば女性の憎き特性を有効に活用。どれだけ自分の手先が冷えているかを相手にアピールしているように見せてタッチ。「お触り」以上に「か弱さ」アピールにも役立てられる。

「トラップタッチ」
男がトイレに行くときに手や足を出してつまづかせる。このような「イタズラ」は予定調和を崩す上で非常に有効。タッチではないが、何かを渡すと見せかけて渡さない、何かを奪うなどはいつでも自然に繰り出せるようになっておくこと。

「ドクロタッチ」
カジュアルなファッションではドクロが定番になりすぎたのか、ドクロをなんとかしようとウサギ+ドクロやリンゴ+ドクロマークのドクロは「可愛い!」の3文字と共に簡単にタッチすることができる。

「ラコステ餌づけ」
男がラコステのポロシャツを着ている場合、トレードマークの「ワニ」に対して餌付けをするという名目で、野菜スティックをワニの口に刺すという技が可能になる。さらにこの技が優秀なのは、ラコステのマークがだいたい男の乳首の上に来るということである。また同様の方法として「ポロラルフローレンの馬を、野菜ステックのニンジンで突く」という手法もある。

「ギャルソン目つぶし」
コム・デ・ギャルソンのブランドマークの目に目つぶしを食らわすという名目でタッチすることができる。


水野敬也オフィシャルブログ「ウケる日記」Powered by Ameba-ギャルソン目つぶし



 
「焼き鳥の串で米国傭兵の肝試し」
男の手を広げ、指の間に、ナイフに見たてた焼き鳥の串をガンガン刺していくという技である。男の片手を強く握って固定する上に、スリルによって気持ちを揺さぶることができる。



 

第5講まとめ


■ 男はボディタッチをされると「この女、俺に気があるんじゃね?」と勘違いしてその女のことが好きになるという特徴がある。

 
■ キャバ嬢のようないやらしいタッチではなく、自然なボディタッチである「おさわり四十八手」をマスターせよ



それでは、来週の火曜日、この場所で会おう。



 



 

スパルタ婚活塾 第4講「アウトレット理論」

さて、講義もいよいよ4回目になるのだが、こうして恋愛講義を進めていくと必ずといっていいほどこう言うやつが現れる。

「恋愛技術とか教えてもらっても、そもそも出会いがないから意味ないっス」

そんなことを言うお前に対しては、まずパンティをひっぺがし「ジョイナス!」と叫びながらナスを手渡すことになるだろう。お前は一生、ナスを恋人として生き続けよ。 

「出会いがない」というのは完全な言い訳である。

先日、ジョナサンで原稿を書いていたら隣に座っていた女2人がこんな会話をしていた。

「この前、『ロマンティックポエムの会』に参加してきたんだけど」
「え?何それ?」
「ロマンティックポエムの会っていうのは、ロマンティックな言葉が好きな人たちが集まって、ロマンティックな言葉を発表するんだけど」
「何なのよその集まり……」

 女友達と同様、俺も唖然とするしかなかったが、しかしその女はロマンティックポエムの会で出会った男と付き合っているという話なのである。
俺は心の中で思った。
「天晴!」と。
俺も大学時代、女との出会いを求めて、料理教室に体験入学したことがある。茶道教室にも顔を出した。手芸教室に行ったときはさすがに何か違う気がした。しかしそれらを凌駕する「ロマンティックポエムの会」。正直、俺でもひく。
しかしお前たちは出会いを求めるということに対してこの女くらいハングリーでなければならない。
出会いを制する者は、婚活を制するのである。
が、しかし。
出会いの場に行っても女の場合「男から声を掛けられるのを待たねばならない」という難しさがある。確かに世の中には自分からガンガン声を掛けて男を落としてしまうストロングスタイルの女も存在するが、やはり女は自分から声を掛けると価値を下げてしまうというのも事実なのである。
 この点に関しては、巷にある多くの婚活マニュアルが「エレガントに振る舞って男から声をかけられるのを待ちましょう」と言っているが、どれだけエレガントに振る舞ったところでやはり男は美人に群がってしまうのが現実だ。
 では、どうすればいいか。
 出会いの場に顔を出し、男からどんどん声を掛けられる状態を作り出すにはどしたらいいか。

 実は、この問題に関しては、大学時代、俺も同じような悩みを抱えていた。
 いや、男である俺は自ら声を掛けることができるのだが、しかし、20歳前後の女たちは「イケメン」に重い価値を置いていた。
そこで俺は、顔面のすべてを両手で隠し、アゴのラインだけを相手に見せて

「ブラッド・ピット!」

と叫ぶという持ちネタで凌いでいたのだが、しかしそれでも、「今度飲み会しよう」とか「今度友達紹介する」という流れになったとき、どうしてもイケメンを必要としたのである。

そこで俺の周りには常時、数人のイケメンがいたのであるが、その中でも特に俺の中で特に重宝していたのが林さんと、西原さんだった。

 林さんは、身長は183センチ、顔は加勢大周をさらに甘くしたようなマスクの持ち主であり、外見の好みが比較的多様である女でも、彼を見て「カッコ良い」と言わない女はほぼいなかった。
 もしかしたら俺の話を聞いているお前は、「そんな人を女の子に紹介して大丈夫なのか。アゴのラインだけでどうやって太刀打ちできるのか」と思うかもしれない。
しかし、その危険性はほとんど存在しなかった。
なぜなら、林さんは、バカだった。
筋金入りのバカだっのだ。
当時、飲み会で割り箸を使ったネタがあって、数字の「4」に2本の割り箸を使って半分にするというクイズがあったのだが、ちなみに答えは1本の割り箸の先を折り曲げて√4を作るというクイズだったが、林さんは「ルートって何?」となり、そこで九九を言わせてみたのだが、7の段から若干怪しくなるという事件があった。さらに、当時飲み会のコールで「(中略)そーれそれそれズッコンバッコンズッコンバッコン!」というのがあったのだが、林さんはこのコールのとき決まって、少年のような笑顔で「ズッコンバッコンズッコンバッコン!」と叫びながら激しく腰を振るので必ず女が引いていた。それでも腰を振って「ズッコンバッコン!」と叫ぶ林さんの姿は、「太陽だと勘違いして電灯の周りを飛び続け、最後は死に至る羽虫」を思わせるものがあった。

 そして、西原さんは、大学の先輩だったのだが、彼は鼻筋が通った欧米人のようなマスクでさらに長髪が似合うという数少ない人だった。
 ただ、滑舌が悪すぎて何をしゃべっているかよく分からなかった。
 しかも、酒を飲むと、ほとんど睡眠薬を飲んでいるんじゃないかというくらい、寝つきが良かった。
 こうして俺は飲み会で、林さんと西原さんを、水戸黄門における角さん助さんのように連れ歩き、林さんのバカさにツッコミを入れながら笑いを取り、飲み会のたびに寝てしまう西原さんを介抱し、「先輩を大切にする温かい男」をアピールしていたのである。
この話を聞いてお前は「人間関係を手段にするひどいやつだ」と俺を罵るかもしれに。しかし俺はそんなお前に対して、ビルズのパンケーキの乗った皿を、クッションとなるパンケーキを取り除いた上で、顔面に叩きつけることになるだろう。
 自分だけが得をして相手に害を与えるのを自然界では「寄生」と言い、それに対して双方が利益を得るのを「相利共生」と呼ぶ。
 そして、俺と林さん、西原さんは、まさに相利共生を築いており、それはクマノミとイソギンチャクの関係に酷似していた。
 クマノミはイソギンチャクの中に住まわせてもらう代わりに、イソギンチャクのためにエサを持って来る。
 俺は、2年留年していた大学の先輩の西原さんのために、ノートをすべてそろえた。西原さんが大学を卒業できたのは俺のおかげと言っても過言ではない。
 また、クマノミはイソギンチャクの敵を追い払うことがある。
 そして、イベントサークルで有名人だった林さんが揉め事を起こしたとき、俺が矢面に立って解決したことがあった。
 当時、こんな俺の行動に対して「お前、イケメンに媚びすぎ」とバカにしたやつがいた。「もっと自分に自信を持て」と笑う連中もいた。
 しかし、俺がイケメンにこだわった理由はシンプルである。

 女が、イケメンを求めていたからだ。

 現実として、「飲み会をしよう」と誘っておいて、待ち合わせ場所にイケメンがいないと盛り下がるのである。
 しかし、俺は、イケメンが好きな女のことを「男の見る目がないやつだ」とは決して思わない。
 自然界では、クジャクのオスは、美しい羽でメスにアピールする。そしてメスは、羽の目が130個以下のオスには見向きもしない。
これが現実である。これが、神の創りし世界なのである。
しかし、だからと言って、イケメンに屈するわけではない。そんな気は毛頭ない。
あくまで自分は「アンダーワンハンドレッドサーティ(UOT)」であるという認識を持ちつつ、そして、女の気を引くための「目玉」を用意しつつ、その上で――顔全体がブラピに似ているよりも、アゴのラインのみ似ているクマノミの俺が魅力的であると、女にプレゼンし続けるのである。


 これが俺の提唱する「アウトレット理論」だ。


 店頭に置けばすぐに売れていくような最前線のブランド美人ではなく、ワケあり、傷ありのブランド美人を身にまとえ。そうすることで、出会いを劇的に増やしつつ、自分を魅力的に見せるのである。
 エグい戦略だと感じるかもしれないが、美人ではないのに超一流の男を捕まえている女で、このアウトレット理論を使っていない女を俺はほとんど見たことがない。


 それでは最後に。
 男の目から見て「アウトレット美人」の特徴を挙げておくので参考にしてほしい。身の回りで以下のアウトレット美人を見かけたら全力で捕獲すること。

「地味」美人   重宝度★★★☆☆

顔のパーツだけとってみると上戸彩バリに奇麗なのであるが、化粧が下手で服が地味、毛の処理が甘い女である。過去に、こういう開発されていない美人を「自分色の染め上げたい」という男――リチャード・ギア科――という生物が存在するという噂がまことしやかに囁かれたことがあったが、結論を言えば、あれはUMAであった。そんな面倒なことをしたいと思う男は皆無である。
地味美人は、飲み会の待ち合わせ場所では「おっ、今日の飲み会レベル高くね?」と男に思わせたり、遠目から見て「お、あの子可愛いくね?」と男に思わせられるので、声を掛けられる機会が増えるが、いざ近くでしゃべり始めると「なんだかな……」と男を萎えさせることが多いので重宝するだろう。



「笑い方が変」美人   重宝度★★★☆☆

「笑い方が変」というのは女にとって色々な意味で致命的である。というのも、男は女を笑顔にすることを最大の喜びとしている生き物であり、その笑顔が魅力的でないということは男の様々なモチベーションを引き出せないということだからである。過去に、女優の卵をしている人で「笑い方が変」美人がいて、笑うときに「カカカカ!」と笑いながら肩をぐわんぐわん揺らすのだが、それを見て「うわー、なんだかこの人笑い方変だなぁ」と思っていたのだが、後から他の男に聞いてみたところ「あの笑い方は異常」「途中からあの子が笑う瞬間に『来る!』と身構えるから会話に集中できなくなった」という話が出ていたのでやはり共通の意見なのだろう。このタイプの美人もお前に多くの出会いを提供してくれるだろう。


「気弱」美人   重宝度★★★★☆

これはもしかしたら一番よくいるタイプかもしれない。お前たちも知っての通り、女は彼氏を作るよりも「女友達に嫌われてはならない」ことを優先する生き物である。ゆえに、たとえば飲み会などでも「あの男の人、私タイプなんだよね」と釘を刺してしまえば(じゃあ私はやめておこう)と気弱美女は思って戦線離脱してしまう。優秀で戦略的な女はこの手の美人を数多く率いている。俺は大学時代、そういう女を見ると「コイツ、デキるな……」と密かにリスペクトすることもあった。
ところで、ちょうど「女友達に嫌われない」の話が出たので追記しておくが、よくお前たちは飲み会で「男から好かれる行動を取る」ことに対して

男に好かれようとすると、女友達から嫌われる

という風に考えるが、その考え方は今、この瞬間を持って改めよ。スパルタ婚活塾の塾生は、これを合言葉として頭に叩き込まなければならない。

「まず、男から好かれることに最善を尽くし、後から女友達をフォローする」

好みの男がいたなら全力を尽くせ。その上で、他の女から「この子、何必死になってんの」と思われているようなら、
「もしかして、私の行動に引いてません?」的な「彼氏欲しすぎるあまり、すみません!」的な台詞で気まずい空気を緩和したり、後からスイーツをおごったり男を紹介するなどして、「嫉妬をロンダリング」せよ。しかし、繰り返すがプライオリテイは「男から好かれる」に置け。なぜなら嫉妬や嫌われることを恐れると、最善の行動が取れなくなり目的が果たせなくなるからだ。これは恋愛にかぎらず、すべての「目的達成」に言えることである。
 まず自らが強者となり、手に入れた力で弱者を救うのだ。


「裏原宿」美人   重宝度★★☆☆☆

具体的に言うと「木村カエラ」である。顔はとんでもなく可愛いが、ファッション性が強すぎて男が引いてしまうのである。つか、眉毛の薄い女に勃起する男はいないのである。
ただし、この女手の女を捕獲する最大の難点として、裏原美人は自分の世界観の会う人だけとつるんでおりそのコミュニティ内では高い評価を受けているので飲み会や合コンに顔を出すことが滅多にない。ただ、合コンに一度も行ったことがないケースがほとんどなので、「人生経験だと思って、ネ!ネ!」と人生経験を強調して誘う手が有効である。


「ガチ・スピリチュアル」美人   重宝度★★★★★

 女の多くは占いやパワースポットが好きだったり「スピリチュアル」に親和性がある者が多いが、その中で「こいつ、ガチだな……」という女存在する。そしてこのタイプの美人の中にはモデルや女優級の美女が存在するが、完全に一線を超えてしまっているので、いざデートとなると男を必ずドン引きさせる。俺も過去にこのタイプのスピリチュアル美人と飲んだことがあるのだが、「どんな人が好みなの?」という質問に対して


 「四次元以上の人」


 と答えたあたりから雲行きが怪しくなり、「この世界には12次元まである」「前世っていう考え方がもう古くて、現在が前世」と言い出したころにはこのデートをいかにして切り上げるかということだけを考えていた。どんな「美しさ」も「身の危険」には勝てないのだ。
 


 第4講まとめ

■ アウトレット理論

自分の魅力を引き立ててくれる「欠陥のある美人」と相利共生の関係を築き、出会いの機会を増やす。


■ 女は飲み会で男に好かれるよりも女友達から嫌われないことを優先してしまう生き物である。しかしその考え方は次のように改めなければならない。


「まず、男から好かれることに最善を尽くし、後から女友達をフォローする」



それではまた来週の火曜日、この場所で会おう。















スパルタ婚活塾 第3講義 「ツッコミマスターとなれ」

先日、35歳の独身女から
「飲み会を開いて欲しい」
と言われ、選りすぐりの男たちを集めて飲み会を開いたのだが、
「これじゃあ結婚できんわ」
とため息をつく瞬間が多々あった。

いや、確かに女たちは頑張っていたのだ。

男たちを盛り上げようと必死に話を聞いたり、努力している感じがひしひしと伝わってきた。

そして、それが、ダメなのである。

巷にあふれる恋愛マニュアルや婚活本には、
「女性としてのマナーを大切にしましょう」「男性が盛り上がるように聞き上手になりましょう」「男性の自尊心をくすぐるようなホメ言葉を言いましょう」 そんなことが書いてある。そしてそれを鵜呑みにする真面目な女子たちは頑張ってしまう。
 だが、その頑張りが


「この女、必死じゃね?」


となり、
はっきり言うとキモいのである。

こういうことを書くと「必死で何が悪いのよ。だいたいキモいで言ったらあんたの方が全然キモいわ。エロ漫画500冊て」となるのであるが、そして、実際に飲み会後に開いた居酒屋での反省会でそれに近いことを言われ、「俺もキモいが、お前もキモい!」と言い合いになったのだが、次第に「俺たちってキモいよね」と共感し、最後は「店員さん、アンキモ2つ!」と間違った方向で盛り上がることになってしまった。――こうなったら終わりである。互いに互いの傷を舐めあって一生を終えることになるだろう。

そこで、婚活を頑張るキモい女子は次の言葉を肝(キモ)に銘じること。

「お客のニーズを無視する努力はエゴである」

そして、現状、婚活に努力する女はエゴイストであり、何よりも「婚活」という言葉がそれを象徴している。
なぜなら「婚活」している女というのは、「結婚」を目的としていることを公言しているわけであり、つまりそれは目の前の男をちゃんと見るのではなく己の欲望を丸出しにしている言葉であり、婚活を男目線の言葉に直すとしたら


ヤリ活


である。

「僕、女とヤリたいんですよね。はい、バストは最低85は欲しいです。顔は長澤まさみまでとはいかないまでも、韓流アイドルとして通用するレベル? それくらいないと勃たないんス」

こんな男がいたら、キモいだろう。

しかし、これが「婚活」の実態であり、「婚活」という言葉をあっさりと日常会話に投げ込めてしまう女は、お客のニーズを汲めていない己を恥じよ。

では、冒頭の35歳女は飲み会において何をしなければならなかったのか。
お客様である「男」のニーズを満たす行動とは何なのか。
それは決して
「サラダを取り分ける」ことでもなく「聞き上手」になることではない。
飲み会においてお前たちが一番大事にしなければならないのは


ツッコミを入れること


である。

俺は大学4年間、六本木のカラオケパブでアルバイトをしていた。そこでは六本木のキャバクラや銀座のクラブのアフターで来る客が多く、そしてその中にはいわゆる美人ではないのに色んなお金持ちの男を連れてくる女がいて、俺は彼女たちがどのような会話をしているのかつぶさに研究していたのだ。
よく水商売で優秀な成績を持つ女たちは「政治や経済に詳しい」「仕草が優雅でやマナーに精通している」などと言われるが、まったく的を得ていない。

彼女らの特徴は、ただ一点。


ツッコミマスターであった。


なぜツッコミ上手な女がモテるのか。
これは、三つの理由があると考えられる。

まず、第一の理由。それはオーソドックスな理由であるが、正しいツッコミとは、その発言を相手がどのような意図を持っていたのかが理解できてはじめて可能になる。そして男にとって自分のセリフの意図を理解してもらえていることほど気持ち良いことはない。「キャッチボールがちゃんとできている」ことは気持ち良い会話の最低条件である。

次に、第二の理由。それはツッコミは、相手の問題を指摘したり、普通は口に出せない本音の言葉を会話に投げ込む行為なので、コミュニケーションにおける「予定調和を崩す」働きがあることだ。
これは、巷にあふれるコミュニケーションマニュアルのほとんどが見落としているのだがスパルタ婚活塾生はぜひ頭に叩き込んで欲しい方程式は


 魅力 = 予定調和を崩すこと

 
である。

 ※予定調和……受け手の予想する流れに沿って事態が動き、結果も予想通りであること

よく婚活マニュアルなどで「聞き上手になりましょう」などという記事には「相手に質問する」「相手の話にタイミング良く相槌を打つ」「相手の言葉をおうむ返しにする」などというテクニックが紹介されるが、はっきり言ってそんな女と話していてもクソ退屈である。しかもそういうテクニックを使う女が年頃だった場合「こいつ、結婚したいから聞きに回ってるんじゃね?」と邪推されることすらある。そういった相手の予想を裏切り、「今、自分は『本音』を正直に口に出している」というスタンスを明確にする意味でも、ツッコミは不可欠なのだ。

そして、第三の理由。これこそが、俺がお前たちに「ツッコミを極めよ」と口をすっぱくして言う最大の理由なのであるが、


ツッコミを入れることで、男の「上」に立てるのである。

そして、この「男の上に立つコミュニケーション」こそが、美しさを凌駕する必須スキルなのである。
具体的に説明していこう。

たとえば男が次の台詞を言ったとしよう。


「俺、料理得意なんだよね」


これに対して巷の婚活マニュアルの多くには次のような反応をせよと書いてある。


「料理得意なんてすごいね。今度食べさせて!」


 これは、男を盛り上げる、ホメる、さらに、次のデートをにおわせるなどを意図された台詞であるが、これが「退屈」であり、「必死に見えてキモい」ことはすでに述べたとおりである。

さて、ここでツッコミマスターはどう切り返すか。
もちろん状況は言い方など様々な要素が絡んでくるから一概に正解は言えないので「イメージ」してもらいたいのだが、たとえばこう返す。



男「俺、料理得意なんだよね」


「出た、料理得意アピール」



これである。
この台詞によって「私はお前より上だ」というスタンスを取っており、つまりは自分の方が価値が高いことを暗に宣言しているのである。
恋愛古典「ルールズ」で繰り返し述べられているように「男は手が届きそうで届かない価値のある女を求める」というのはまさにその通りであり、その意味で「私はお前の上である」ことを示せるツッコミは非常に有効なのである。
さらに、俺は、このように上から言われる行為を男が気持ち良く感じるのは、たぶん幼少期における女との関係が関係していると考えている。小学生の頃は、女の方が精神が発達が早いゆえに、女から「あんた何してんの」「バカじゃないの」と言われることが多々あった。それは同時に、少年の母親との関係性でもあり、心が形成されていくこの時期の女とのやりとりを男は心地よく感じるようになっているのではないだろうか。お前たちも幼少期を思い出して欲しい。「なんでこんな女の子が?」と思えるような可愛くない子も、男たちの上に立つコミュニケーションを取っていたという理由でモテていたはずだ。

先ほどの会話に話を戻そう。
たとえばツッコミマスターの女の会話は次のような流れになる。

男「俺、料理得意なんだよね」

女「出た、料理得意アピール。そうやって女の子部屋に誘ってんじゃないの?」

男「違うわ! 俺は本当に料理作るの好きなだけなんだって」

女「でも料理得意な人っていいよね。そういえば小栗旬って料理得意なんだよね」

男「へえ、そうなんだ」

女「(男を見て)あれ? 小栗旬に似てない?」

男「マジで?」

女「言われたことあるでしょ」

男「ないない」

女「いや似てるってー絶対」

男「(あれ、もしかしてこの女、俺に気があるんじゃ……)」

女「でも、私、小栗旬の顔あんまり好きじゃないんだよね(笑)」


これはコミュニケーション能力の高い女が使う「吊り橋トーク」である。気があるのかと思わせておいて否定する。否定したと思わせておいて、持ち上げる。男は揺さぶられ、気持ちを奪われていく。
そして、上記の会話は次の流れになる

女「じゃあ今度ホームパーティしようよ。料理うまいかどうか判定してあげるよ」

(後日、男の家で)

女「(男の手料理を食べて)めっちゃうまいじゃん!」

男「(まんざらでもない様子)」

こうした細かい会話テクニックは今後詳しく書いていくことになると思うが、今回俺がお前に一番伝えたいのは、男に対して「この女と付き合いたい」と思わせるためには男の上に立つコュニケーションをすることが非常に重要であるということだ。
そして繰り返すが婚活マニュアルでよく言われる聞き上手のセリフ

「料理上手な人ってすごいよね! 今度食べさせもらっていいですか!?」

がいかに魅力が乏しいものかお前には分かるだろう。
この台詞を言う女は、男の下になっている。自ら価値が低いということを宣告している。

ちなみに、「自分の価値を下げる」ことで男を落とすことができるのは、あらかじめ価値が高く設定されている女だけである。
たとえば長澤まさみとの会話で


男 「昨日、ランチどこで食べた?」

長澤「サイゼリア」


これだけで男は長澤まさみに惚れるであろう。
それが現実である。
しかし、もしこの話を聞いて「結局奇麗な女は得よね」などとほざく女がいるとしたら、俺はお前に対して団鬼六バリの折檻をしながらこう叫ばねばならない。


「美人じゃない方が得だがね!」と。


もし、自分を「生まれつきの美人ではない」と自覚する者は、その時点でとてつもない武器を手にすることができる。それは、もしかしたら人生における最大の武器と言えるかもしれない。


その武器とは「成長するモチベーション」である。


たとえば、先ほどの「吊り橋トーク」を始めとした卓越したコミュニケーション能力を身につけていたのは、美人ではない女か、今は美人に見えるが話をしてみると「昔は美人なじゃなかったから美人になるための努力をしてきた」女ばかりだった。
その結果、彼女たちは男の心の機微を読み、リスクを冒しながら相手を怒らせない絶妙なラインの言葉を会話の中に投げ入れられるようになったのである。

今から数年前の話になるが――俺の尊敬するツッコミマスターのチャコママという女性がいた。そしてたまたま俺が同席していたのだが、チャコママの客の男が仕事で中国に行くという話になった。「いつ日本に戻ってこれるか分からない」と男は泣きそうになっていた。 
――通常であればこの場面では「寂しくなるね」とか「いつ日本に戻ってきてもこの店は変わらないよ」とか「中国行ったら案内してよ」などという予定調和な言葉が飛び交うことになるだろう。しかし、チャコママは泣きそうになる男の肩にそっと手をおいて、こう言ったのだ。





 「SARSにかかって、死んで来い」


 ※ 当時、中国では「SARS(サーズ)」というウィルス性の風邪が大流行していた。



俺は、このときの男の笑顔を忘れることはできない。
男は泣きそうな顔で、爆笑していた。
――もちろん、この言葉の有効性はチャコママのキャラクターや男との関係性によって左右される。そしてチャコママ自身も、この台詞を選択したのは感覚的なものであっただろう。

ただ、この台詞はすごく愛らしかった。暴言に裏に「あなたと会えなくなるのがさびしい、その気持ちが嫌だからとんでもない憎まれ口を叩く」女のいじらしさのようなものが垣間見えたのだ。
この言葉はある種の芸術性を帯びており、俺はすごく美しいと感じた。

顔の形や骨格が魅力的でない女は良い。

しかし、退屈でつまらない女は絶対に許さない。

なぜならコミュニケーションは、己の努力次第でどこまでも成長させられる分野だからである。


そして、スパルタ婚活塾においては、女が努力で手に入れられる魅力のジャンルとして次の三つを掲げている。


「コミュニケーション」


「ファッション」


「立ちション」



この三大ジャンルにおいては今後徹底的に叩き込むことになるので覚悟しておくように。



第三講 まとめ

■ツッコミマスターとなれ

コミュニケーションにおいて最も大事にしなければならないのは、優しいことでも、気が遣えることでも、ホメることでも、良いタイミングで相槌を打つことでもない。
「魅力的なツッコミを入れること」である。


会話で魅力的なツッコミを入れた女だけが、魅力的な男からツッコんでもらえる(色んな意味で)。 水野愛也



■吊り橋トーク

 男を持ち上げたと思ったら落とし、落としたと思ったら持ち上げることで心を揺さぶるトーク技術。会話の中に小さな「押しと引き」を作るイメージを持つこと。
 



それでは来週火曜日、この場所で会おう。












スパルタ婚活塾 第2講「仮氏理論」

それではいよいよ「理想の男と結婚する技術」をお前たちに伝えていくわけだが、その前に。
水野愛也のスパルタ婚活塾において、大前提となる考えを確認しておきたい。

たとえば、婚活している女たちはパートナー選びに次のような条件を出したりする。

「えーっと、年収800万円以上で、身長170cm以上、年齢は35歳以下で……」

そういう女に対して世の男たちは

「もっと現実を見ましょう」
「何様ですか?」
「とりあえず落ち着けやバアさん」

こんな意見が飛び交かうのことになるのだが、この愛也は真逆である。
俺は、そんな条件を出す女に対して「お前の理想はその程度かぁ!」と怒り狂い、その女の尻をニホンザルのように真っ赤になるまで竹刀で叩きながらこう泣き叫ぶだろう。



 「熟女よ。大志を抱け!」と。




 何が年収800万だ。世の中には年収3000万や5000万の男もゴロゴロいる。しかもそいつらに限ってイケメンだったりする。お前たちは、なぜそういう男を手に入れようとしないのだ?
 ――いや、先ほどの条件を本心で言っているのであれば問題ない。しかし「本当は年収2000万円は欲しいけど、でも自分の年齢的なことを考えると……でも800は欲しいよね」的なことを考えている女のいかに多いことか。

水野愛也のスパルタ婚活塾における、最大のタブー。それは

妥協

である。
妥協とは何か?
それは、自らの心にウソをつくことである。本心を覆い隠し、欲求に蓋をしてしまうことである。
そして、自分の本音にウソをつきはじめたとき、人の成長は止まるのだ。

欲望を解放せよ。

お前たちが自分の最大の魅力を手にしたいなら、己の中に潜む最大の欲求を満たそうとしなければならない。
 そして、真の理想を目指し、真の努力を始めたとき、お前は「顔」も「年齢」をも凌駕する、人間としての最大の魅力を手に入れることになるだろう。

それは「自信」である。

そして、「自信」こそが、お前の人生に奇跡を起こす魔法の魅力となる。

そのことをお前に伝えるために、

俺は今から、ペタジーニの話をしなければならない。
 

――今から10年前、ヤクルトに所属していたプロ野球選手ペタジーニが「友達の母親(ペタジーニの24歳年上)と結婚する」という事件があり、日本のワイドショーは面白おかしく取り上げていたが、このニュースを聞きながら部屋で地団駄を踏んで悔しがっていた男がいた。


愛也である。



所蔵している500冊以上のエロ漫画の半数以上のタイトルに「義母」という文字が躍り、宜保愛子も「ギリ、抱ける」と思いながら当時の霊能番組を見ていた、筋金入りの熟女好きである。
そして、これは俺に限った話ではない。
現在、日本男子の間では「空前の熟女ブーム」であり、昔は奥にひっそりと申し訳なさそうに作られていたアダルトビデオの「熟女」コーナーも、今や中盤の要(かなめ)であり、日本代表で言えば遠藤保仁のポジションである。

だが、俺のこの話を聞いて



 「じゃあ私、まだイケるんだ」


そう思いながら部屋の中で煎餅をかじり始めたお前の頬にビンタを食らわしてこう言うことになるだろう。「お前の貧乳に垂れる余地はない!」と。

お前は、どうしてこの水野愛也が500冊近くの同人エロ漫画を所蔵しなければ『ならなかった』のか、そのことについて考えたことはあるのか?

この世に存在するすべての恋愛理論をマスターした、恋愛導師・水野愛也。その俺にとって自分好みの熟女を惚れさせるなど赤子の手をひねるようなものだ。
にもかかわらず、
俺は自分の欲求を、漫画に求めなければならないのである。

なぜか。

それは、

熟女たちは、いざそういう行為をする段階になると

もう、必ずといっていいほど




震えているのである。




生まれたての小鹿のようにぷるぷる震えているのである。震えながら言うのである。



「私、こういうことするの久しぶりなの」

 

知るかボケェ!


緊張してるのか不安なんか知らんけどさ、「アソコに蜘蛛の巣張ってます」的なカミングアウト? これほど男を萎えさせる言葉はないのである。


男が熟女に求めるのはただ一つ


「そんなにしたいの? もう、しょうがないわねぇ」的な「余裕」なのだ。


「老いはわれわれの体よりも心にしわをつける」――モンテーニュの言葉である。

そして、自分に対する自信や余裕があれば、年齢を重ねることはむしろ大きなアドバンテージになるのだ。
 しかし、女は男の気持ちを知ろうとせず、肌の美しさやたるみという、己の勝手な解釈によって自分の魅力が落ちたと考え、卑屈になる。
 そして、この卑屈こそが、まさに、「屈」の字のごとく、男のそそりたつ股間の膨張を「屈」させるのだ。

 では、男の前で、常に余裕を保つにはどうすればいいだろうか。

 もちろん自分に対する自信をコツコツとつけていくことも大事なのだが、ここではもう、最短距離で余裕を手に入れられる方法を教えよう。
 
 人は、何かを強く求めれば求めるほど――つまり、何かに執着するほど、焦り、緊張し、不安になり、余裕を失う。
 婚活する女たちが必死になるあまり、男たちを引かせているのと全く同じ理由だ。
 つまり、これは裏を返せば、男を強く求めない状態、目の前の男に対して「こんな男どうでもよくね?」そう思えたとき、お前は男に対して余裕を保つことができる。
 
だから、余裕を保つための最大の方法は、

「どんな男でもいいから彼氏を作ること」なのである。

ブサイクだろうが年収が低かろうが、もし今、彼氏がいないのなら、とにかく「彼氏」という枠に誰かをあてはめるのである。

しかし、俺の言葉に対してお前はこう言うかもしれない。

「お前はさっき、あれほど『妥協するな』と言ったじゃないか」

 そんなお前に対して俺は

「お前は『森ガール』ならぬ、『木を見て森を見ずガール』だ!」

と叫びながら、ピエール・エルメのマカロンを両鼻の穴に詰め込むことになるだろう。
 これは、妥協ではない。
 高い志を遂げるための、理想の男を手に入れるための必要不可欠なステップなのだ。

「彼氏がいることの重要性」は言い出せばきりがない。

 たとえば合コンなどで「彼氏いる?」という話題になることがあるが、そのとき「彼氏はいない」と答えたとき「どれくらい(の期間)いないの?」という流れになることがある。
 そのときに、彼氏のいない女は、必ず次のように言葉を濁すのである。
 
「うーん、半年くらい?」

 その瞬間、男から

(この女、最低2年は彼氏おらんな)

と見抜かれているのである。
つまり「彼氏いない歴」を濁す女は男から「この女は彼氏のいない価値の無い女である」という烙印が押される。
これに対して、女の価値を最も上げるセリフはこれである。



「彼氏いるんだけど…」



「彼氏いるんだけど…」理論である。彼氏の存在は明言するのだが、「ど…」の「…」の部分に含みを持たせることによって「あ、この子、彼氏とうまくいってないんだな」と思わせ、さらに男に対して「恋愛相談に乗ってほしい」というデートの口実まで与えることができる強力な恋愛コンボである。

 これ以外にも「彼氏」という枠を埋めていることのメリットは計り知れず、今彼氏のいないやつは早急に、どんな男でもいいから彼氏を作り、「彼氏がいない」状態から抜け出すことを最優先しなければならない。

これが、愛也の提唱する



仮氏(かりし)理論



である。


カレシではない。カリシを作れ。


理想の男を手に入れるための「仮」の彼氏を作るのだ。そして、仮氏を踏み台にして、より高い男へと飛び立つのである。

ちなみに、俺の周囲でよくあるパターンが



不倫していたと思ったら、誠実な男と電撃結婚

 

である。これは、既婚者を「仮氏」として利用した優秀な女たちだといえよう。

そもそも結婚しているのに女を口説いてくるような男たちは、女たちから「最低の男だ」とゴミ扱いされることがあるが、お前たちは理想の男を手に入れるために、このゴミをできる限り利用することを心がけよ。
「リサイクル理論」である。



【第1講まとめ】


スパルタ婚活塾の 塾訓  「絶対に妥協しない」


「仮氏理論」

●恋愛では余裕を保つことが最優先される。
●そのためには、どんな男でもいいから仮の彼氏を作ること。そうすれば魅力的な男の前でも緊張せずに余裕を保つことができる。


「彼氏いるんだけど…」理論

●彼氏がいることは明言しつつ、うまくいってないことを暗に伝えることで「恋愛相談」をデートの口実にすることができる。


「リサイクル理論」

●結婚してくるのに言い寄ってくるのはゴミみたいな男であるが、ゴミをできるかぎり再利用しなければならない。





それでは、来週の火曜日、この場所で会おう!









 




 


スパルタ婚活塾「第1講 覚悟を決めよ!」

$水野敬也オフィシャルブログ「ウケる日記」Powered by Ameba-愛也講演01
恋愛体育教師・水野愛也

「義務教育に恋愛を!」をモットーに、恋に悩む老若男女に恋愛技術を叩きこむ、熱血恋愛体育教師。著書に「LOVE理論」(文庫版は「『美女と野獣』の野獣になる方法」)、講演DVDに「スパルタ恋愛塾」があり「スパルタ恋愛塾」の様子はNTTナレッジスクエアの主催する「N-Academy」でも見ることができる。

http://n-academy.jp/renai/




【第1講】 覚悟を決めよ




女よ。
そう、お前だ。今この文章を読んでいる、貧乳のお前だよ。

今からお前に「理想の男と結婚できる恋愛技術」を授けたい。

この言葉を聞いたお前は「そんな技術あるわけねーだろ。つーか誰だよお前」と言うかもしれない。そんなお前に向かって俺は竹刀を真っ直ぐに伸ばし、こう叫ぶだろう。

「俺は、愛也だ。恋愛体育教師・水野愛也だ!」と。

するとお前は言う。「だからそんなやつ知らねーし。つーかマジでウザいんだけど」。
それに対して俺はこう返す。「うるせえ、貧乳が!」。
こうして、お前と俺は掴み合いのケンカになり、
その結果、かなり高い確率で俺は負けることになるだろう。

俺は過去に2度、ガチの暴力で女に泣かされたことがある。
(そのうち一度は灰皿でこめかみを殴られ流血し、数針を縫う大怪我となった)。

しかし、それでも俺は――お前と取っ組み合いのケンカになり、泣かされることになったとしても――「理想の男を結婚できる恋愛技術」を授けなければならないのだ。

少し長くなるかもしれないが、これからする話はお前の人生を変えることになるかもしれないので心して聞いて欲しい。

――さかのぼること5年前。俺は、男性向け恋愛マニュアルである「LOVE理論」(文庫版は「『美女と野獣』の野獣になる方法」)を上梓した。

この本は出版されるや否や「目からウロコが千枚単位で落ちました!」「愛也先生のおかげで生まれ変わりました!先生の本を読むまでが『前世』でした!」こんな反響が多数寄せられた。「LOVE理論」は空前のベストセラーとなり、一種の社会現象を巻き起こしたのでお前の記憶にも残っているだろう。「そんな記憶はない」と言うお前は、即、病院に行きMRI検査を受けよ。記憶をつかさどる脳の「海馬」に損傷の可能性がある。

こうして「LOVE理論」はベストセラーとなり、俺は読者とサイン会や講演会で交流をはかることになるのだが、その結果、俺は、マリアナ海溝よりも、コルカ渓谷よりも深い失望を味わうことになった。
「愛也先生のおかげで人生が変わりました!」そうやって満面の笑みでサイン会会場に現れた男たちは、全員、俺よりイケメンだったのである(実話である)。

 中学・高校の6年間でまともに話した異性は母親のみ。唯一、女と接点のある文化祭では、早朝から「どの女に声をかけようか」と鷹のような目で女をにらみつけ、結果、誰にも声をかけることができず、鷹のようだった目をウサギのように真っ赤に腫らして一人帰路につく――それが、俺の青春だった。
 そして俺は、高校3年の9月に「大学デビュー」を決意し、上京した足で新宿の紀伊国屋書店に駆け込み、そこに置いてある恋愛マニュアル本をすべてレジに積み上げ徹夜で読破し、サークル、アルバイト、大学生活のすべてを「恋愛研究」に費やし、その結果、就職活動で「君、学生時代何してきたの?」と聞かれ「恋愛マニュアルの読書および、実践です」と答えたところすべての企業に二次面接で敗退することになるのだが、就職の話は今はどうでもよくない?
とにかく俺が言いたいのは、水野愛也は大学に入学した1994年から、卒業までの1999年、この日本において「恋愛というジャンルにおいて最も努力した人間」であるということだ(大学に入るために1日10時間以上勉強していた俺は、大学に入ってからは、1日12時間、恋愛研究に費やしていた)。

 つらいこともあった。苦しいこともあった。投げ出したくなることもあった。

 しかし、俺には、夢があった。

 これほどまでに女と縁のない俺が、研究と実践を重ね、いつか胸を張って誰かに「女とはこういうものだ」と男たちに伝えることができたのなら、それは自分がイケメンに生まれなかったという現実を昇華できるのではないか。そう己を鼓舞し、地獄のような恋愛特訓の日々に耐えてきたのだ。
 しかし、そんな俺の努力の集大成であるところの「LOVE理論」は、結局、イケメンをさらにモテさせるだけという、まさに敵に塩を送る行為に他ならなかったのである!

 なぜこんなことになってしまったのか――。調査を重ねた結果、俺は衝撃の事実にたどりついた。
 それは、ある程度モテている男たちはさらに努力をしようとして、恋愛における様々な情報を吸収する姿勢があるのだが、まったくモテていない男たちは、そんな面倒なことするくらいならネットの無料エロ動画見ますわ、ということだったのだ。
 心理学者リチャード・セリグマンは10年にもわたる研究で「学習性無力感」というものを発見した。それは、長期にわたって困難な状況に置かれた人は、その状況から抜け出そうとしなくなる――つまり、「無力を学習してしまう状態」になってしまうのだ。だからこそ、俺の恋愛理論を吸収できたのは、すでにある程度モテている男ばかりであり、俺は、そいつたちの中に青春時代のみじめな自分を見出すことができなかったのである。

 が、しかし。

 「LOVE理論」という本は、同時に、俺の予想しなかった現象をも引き起こすことになった。
 LOVE理論を読んだ女たちから「すごく勉強になりました」「速攻で会社の男性に勧めました」そんな手紙やメールが何十通も、何百通も俺の元に届いたのである。

そしてその手紙の中には切実な恋の悩みを訴えてくるものもあった。

 「年齢も40歳にさしかかり、なんとか結婚したいと思っている。でも、婚活や恋愛に努力することに疲れてしまった。どうしていいか分からない」

「結婚できると思っていた男から、ある日『お金を貸して欲しい』と言われた。あの男を見返してやりたい」

「親から『勉強しろ』と言われ続け、勉強を頑張って国立大学に入った。しかし最近になって『結婚しろ』と言われる。でも自分は勉強しかしたことがないから突然結婚しろと言われても何をしていいか分からない」

 ――そんな女たちの声に自分の姿を重ね合わせた俺は、部屋で一人手紙を読みながら涙したのである。
 
 どうして、恋愛という分野において、女はこれほど切実に悩むのだろうか。
 その真の理由は、男である俺には分からない。
 男が経験することのできない「出産」が女の本能を呼び起こすのかもしれない。「ウェディングドレスを着る」という行為は、男にとって「天下を取る」以上に意味のあることなのかもしれない。
 ただ一つ言えるのは、俺が上梓した「LOVE理論」という本は、どうしたら理想の女と付き合えるのかを記した男向けの恋愛マニュアルであり、大半が下ネタだった(本文の最初のページで、まず俺の陰毛の写真が登場する)にもかかわらず、LOVE理論を読み「女向け恋愛マニュアルを出して欲しい」と訴えてくる女が後を絶たなかったということなのだ。

 この現実を目の当たりにしたとき、俺は「もしかしたら――」と思った。
 もしかしたら、自分が地獄のような生活の中で培ってきた恋愛技術は、本当は男ではなく、女のために役立てるべきなのではないか。
 そして、そのとき俺の理想郷を――天から特別なものを与えられたわけではない者こそが、地道な努力と不断の勇気によって、誰よりも魅力的な存在なれるという世界を――作ることができるのではないか、そう考えたのだ。
 
ちなみに俺は、大学時代から現在に至るまで、恋愛を研究する上で「女の気を引くためには、まず女の気持ちを知らねばならない」という方針の元、男向けの本のみならず、女向けの本も徹底的に読破してきた。たとえば恋愛の経典と言われる「ルールズ」「ベストパートナーになるために」「サレンダードワイフ」などはもちろんのこと、日本でベストセラーになった女向け恋愛マニュアルはすべて読破している上、それらの知識に対して男の目線から「これは男に使える」「これはまったく使えない」というジャッジをすることができ、さらに俺の個人的な好みと混同しないよう、様々なタイプの男たちと議論を交わし、本当に使える技術に辿り着くための同性のマーケティングをも行った上、そこに愛也独自の理論を盛り込んだ完全無欠の恋愛技術を教えることができるのだ。
 さらに、ルックスに自信の持てなかった俺は大学時代、単に「モテる」ことの研究にとどまらず、「ルックスが魅力的でないのにモテている人」をメインテーマとして研究しており、その研究対象は男よりもむしろしばしば女になることがあった。なぜなら男より女の方が「美」という価値観を重視される現代社会において、美しさを持たず、かつモテている女ほど研究対象として優れた存在はいなかったのである。
 ここで具体的な名前を出すと問題になるので伏せておくが、名前を出せば誰もが知っている有名ミュージシャンや芸能人と結婚した、ルックス(より具体的に言うなら「顔」)の魅力がない女を俺は数人知っている。そして、彼女たちには明確な共通点を見出すことができたのだ(そのあたりの理論も今後詳しく教えていくことになるだろう)。

 正直、これからお前たちに発表していく技術は、大げさな話ではなく数百万円の価値はある。
 なぜならこの理論を知ることで、お前たちのパートナーを――ひいてはお前たちの人生を大きく左右することになるからだ。
 しかし、これを俺は今からタダ同然で発表したい。

 なぜか。

 繰り返すが、俺はお前たちに期待しているのだ。
女であるお前たちならば――理想のパートナーを手に入れるために切実な努力を選ぶお前たちであるのなら――俺の培ってきた技術を吸収し、まさに蛹から抜け出す蝶のように飛躍することができるかもしれない。

 もちろん、俺が示すのは楽な道ではない。つらい道、というレベルですらない。
 もしお前が本当に変わろうとするなら、確実に、地獄のような苦しみを味わうことになるだろう。

 しかし、俺は、お前にその覚悟を求めたい。

 なぜなら、「自分を徹底的に成長させる」という覚悟を決めることで、人は、とてつもない変化を手にすることができるからである。
 そして、お前たちが、いつの日か理想のパートナーを手に入れたとき、恋愛という分野だけではなく、自分の見ている「現実世界」が変化していることに気づくだろう。

 俺は、その世界を、お前たちに見せたいのだ。

 多くの女が一生知ることのない「もう一つの現実」を、お前たちに見せたいのである。



(第2講につづく)
※「スパルタ婚活塾」は毎週火曜日、「ウケる日記」で連載予定です




■お知らせ  「LOVE理論」が、本日(6月5日)発売の漫画アクションで漫画化されました!

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本日発売の漫画アクション(双葉社)の巻頭カラーでLOVE理論の漫画を読むことができます。漫画を描いていただいたのは、「超無気力戦隊ジャパファイブ」で有名な佐藤まさきさん。僕はもう読みましたがめっちゃ面白いのでぜひ読んでください! 愛也が登場します!









求む!「極道に勝つオタク」

昨日、浅草の三社祭に行ってきたのですが、

日本の「祭り」の持つエネルギーのすごさに感動しているとき、ふと今の日本に必要なイベントを思いつきました。

それは

「三社祭的アニメ祭り」

です。


その内容を一言で言えば

まどかマギカのフィギュアが乗った神輿や、神輿に見立てたガンダムのホワイトベースやワンピースのゴーイングメリー号を、オタクの人たちが、オタ芸的な動きを繰り出しながら

「ワッショイ!ワッショイ!(この掛け声も違う言葉になるかもしれません)」

と叫んで神輿をかつぐという、日本古来の伝統の系譜の中にアニメ要素をふんだんに盛り込んだお祭りを開くというものです。

もちろんそこにはお祭りの基本である「神」とアニメの関係性を考える必要があり、ただ騒ぐだけではなく、なぜそのお祭りを開いているのかという詳細は考えられるべきですが

何より重要なのは、オタクではない一般人を――可能であれば50代以上の高齢者を巻き込んだ「日本の伝統」を作るということです。

そういう意味では、過去のアニメ(特に手塚作品が良いと思うのですが)「鉄腕アトム」や「火の鳥」をベースにした神輿もあった方がいいと思います。

それができれば、閉塞感のある日本にとってうれしいニュースになるし、観光客もたくさん来るし、何よりすごく楽しいと思います。

そんなことを考えながら三社祭を見ていたのですが、この「アニメ祭り」を実現する上で最大の問題になるのは、

「オタク」の皆さんのメンタリティになるのではないかと思いました。

僕自身も、幕張で開かれた同人やコスプレの集まりに参加してみたことがあるのですが、そのとき思ったのは

オタクの人たちというのは、極めて礼儀正しいのですが(人気漫画を買うために、ピシッと3列に一糸乱れぬ隊列を組み、スタッフの誘導に従っていたのは感動しました)

同時に、

こういっては本当に失礼なのですが、

「追いやられた側」の人間であるということでした。

僕自身も、中学高校の6年間をゲームセンターと漫画喫茶に捧げたので分かるのですが、

青春をゲーム・漫画に捧げる人は、純粋にそのジャンルが好きだからそこにいるというわけではなく、

何らかの形でメインストリームから外れた、というケースがほとんどです。

というより、文化的なものすべてにそういった側面があるのですが

スノボのオリンピック代表の成田童夢などの例外はありながらも、

小学校の頃から、運動ができたりケンカが強くて女の子にもモテた人がオタクになるというケースは稀です。

なぜなら、ゲームもマンガも、

「今の自分ではない、何者かになれる」

をテーマとしており

根底にあるのは「弱者救済」だからです。

だからメインの消費者は、心の中に強い「弱さ」を持った者たちです。


対して、三社祭りを仕切っている人たちはどういう人か。

これは「強者」です。

小学校のとき、運動ができて、ケンカが強かった連中が、祭りを主宰し、仕切っています。

実際、三社祭りを見たことがある人なら分かると思いますが、神輿を担いでいる人たちは、まず単純に「怖い」です。

観光客たちに対して有無を言わせない威厳があります。

だからこそ、あれほど巨大な祭りを成立させることができています。


そして、強者ではないオタクの人が主催する現状の祭りは、「閉じられた世界」で開かれる同好会的な集まりにとどまってしまうことが多いと思います。


しかし、それが残念で残念でなりません。


たしかにお祭りは「興行」であり、多くのトラブルが発生するでしょう。事故やケンカはもちろんのこと、暴力団がらみの事件も発生するでしょう。

でも、

真に漫画やアニメのキャラクターを愛しているのなら、

コスプレ衣装を身をまとい外見を真似るるだけでなく

そのハートを、勇気こそを、自分と同一化させるべきです。


怖いからという理由で、


アムロ・レイが、

孫悟空が、

モンキー・D・ルフィが


暴力団に屈するわけにはいかないのです。



この「アニメ祭り」の成功には、現実逃避としての機能を果たしていた漫画が、読者に対して、現実の社会の真ん中に攻め戻る勇気を与える意味があると思います。


多くの「強いオタク」が立ち上がり、


クールジャパンではなく、ヒートジャパンが、世界を席巻する日が来ることを心から願っています。
















宇宙五輪

「さあ、注目の200m走が始まろうとしています。
第1コースはウサイン・ボルト。『サンダー・ボルト』の異名を持ち、人類最速、19秒19の記録保持者です。しかしボルト、緊張しているのか額の汗を何度もぬぐっています。そしてボルトの隣、冷静な表情をしているのが第2コースのエラルド・ゴーリキ。身長は4m88㎝。青色の肌に細長い腕と足が特徴の、銀河87系のオーグル星人です――




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イラスト 羽賀翔一


「――スタートしました! 
まず最初に出たのはウラン星人! 12本の足をまるで車輪のようにしてトラックを突き進んで行きます! しかし、その横、ミーバ星人のしなやかな身体が伸びていく! 軟体であることを利用して体の一部を先へ飛ばす走法です! オーグル星人も早い! 圧倒的な身体のバネを使ってものすごいスピードで進んでいきます。
そして……最下位争いは、地球人のボルトと金星人のグレイ! 
おっとグレイ転倒!グレイが転倒しました! 
――ここでも負けたのは金星人! 今大会の『黒星』は金星で確定か――」





 スクリーンの映像が消え部屋に明かりが灯された。眩しさに目を細める。
相変わらず俺の目の前にあるのは忌々しい鉄格子。その向こうには白い服を着た人間が三人いる。その中の一人の女が言った。
「今見てもらったのが前回の『宇宙五輪』の映像よ。オリンピックの金メダリストたちを派遣した地球は惨敗。もし金星が参加していなかったら『黒星』になったのは地球だったでしょうね」
 スクリーンが切り替わり、青い肌のオーグル星人が金星で殺戮を繰り返す映像が映し出された。
「『黒星』は宇宙五輪で優勝した『白星』に資源を使い尽くされる。オーグル星の支配下になった旧金星の生物の生存率は、今や1・5%以下よ」
 そして女は俺に顔を向けた。
「金星が消滅した今、次の大会で地球は確実に負けるでしょうね。――でも、『宇宙五輪』にはその星のすべての生物に参加資格があることが分かったの。だから、地球を救うためにはあなたの――チーターの力が必要なのよ」

「ふん」

 俺は鼻で笑って言った。

「お前たち人間どもは、今まで俺たち動物を好き放題殺してきやがった。それが、
自分たちの身が危険になった途端、力を貸してくれってのは虫が良すぎる話じゃねえか? ああ?」
そして俺は人間どもに牙をむいて威嚇してやったよ。
 ――しかしまあ、とんだ厄介事に巻き込まれちまったもんだぜ。俺はいつも通りサバンナでガゼルのケツを追っかけてた。あともう一歩で食らいつけるってときに、突然首に鋭い痛みが走った。麻酔弾だ。で、目を覚ましたらこの鉄格子の中にいたってわけだ。
驚いたぜ。
この頭を締め付ける小さな鉄の塊のおかげで、人間どもと話ができるようになっていたんだからな。
 それだけでも信じられねえのに、そっからの話はもう奇想天外だった。
 なんでも、宇宙では惑星同士の戦争を防ぐための平和的解決法として「ある競技大会」が存在しているらしい。
 それが『宇宙五輪』だ。
 そもそも人間どもは『宇宙五輪』はもちろんのこと、この宇宙に自分たちより優れた生物が存在しているなんて思いもよらなかった。しかしそれは人間のとんだ思い上がりで、他の惑星の生物からしたら『地球』っていうのはかなり遅れた存在だったんだ。だが、これまで地球は『宇宙遺産』に指定され、各惑星間で不可侵条約が結ばれていたから『宇宙五輪』に参加する必要はなかったんだな。それが数年前、地球は『宇宙遺産』から外されちまった。地球としても、科学技術の進んだ他の惑星と戦争しても勝ち目はねえから参加するしかなかったんだ。
 地球が初めて参加した前回の宇宙五輪は幸運にも黒星は免れたが、もうそっからはてんやわんやさ。次に開催される宇宙五輪になんとしても勝たなきゃいけねえ。そこで世界トップクラスの科学者が結集して作ったのが、今俺の頭についてる鉄の塊ってわけだ。こいつを使って俺たち動物の宇宙五輪への参加を呼び掛けるって計画らしい。
はは、傑作だぜ。
まさか俺の言葉が人間どもに伝わる日が来ることになろうとはな。俺は人間どもに向かって吠えてやったよ。

「お前たち人間が何をしたか教えてやろうか? 人間はなぁ、俺のおやじとおふくろを殺して皮を剥ぎやがった。俺の目の前でな! もしお前たちが宇宙人どもに殺されなくても、俺が代わりにお前らを殺してやるよ!」

 *

 次に気づいたとき、俺はサバンナにいた。殺されるもんだとばかり思った俺は飛び上がるくらいうれしかったね。実際飛び上がったら頭のバランスが取れなくておかしな飛び方になった。
チッ……。鉄格子は外しても頭の鉄だけは外さねえってわけか、くそっ。
 前足で思い切り鉄の塊を引っ張った。頭がもげるかと思った。岩にぶつけてみた。壊れたのは岩の方だ。さすが世界トップレベルのクオリティ、って言ってる場合じゃねえ。結局俺は連中の監視下にあるってことだ。今こうしている間にも、さっきの科学者の声が俺の頭の中に響いて来やがる。
 ああ、うるせえ! 黙ってろ! お前たちの思い通りにはならねえぞ。俺は絶対に出ねえからな! 
 ただ、何日かぶりに走るサバンナは、もう昔のような気持ち良さは感じられなかった。

「パパ!」
 巣穴に戻ると、俺の姿を見たガキたちが一斉にこっちにやってきた。
「何それ、変なの!」
 俺の頭の機械に寄ってくるガキたちに向かって吠えた。
「触るな!」
こんなもんに触ったらこいつらの身体に何が起きるか分かったもんじゃねえ。あいつらに飼われるのは俺だけで十分だ。
 俺は帰り道に仕留めたガゼルを隠した茂みへとガキたちを連れて行った。ガキたちはわあっとガゼルに食らいついた。ガキたちにとっては父親との再会よりも飯の方が大事ってわけだ。
まあそんな姿が俺を安心させるんだがな。
「あなた……」
 妻のリリが心配そうな顔で近づいてきた。
「大丈夫なの? ハイエナたちがあなたハンターに捕まったところを見たって」
笑って俺は言ったよ。
「ふん。人間なんて相変わらずノロマな連中だからな。うまく撒いてきてやったさ」
 リリは安そうな顔で俺を見ていたが、しばらくすると俺の首元に顔をうずめた。ガキたちも俺の身体にまてじゃれ始めた。
「頭のやつには触らないからね」
そう言って俺の身体に登ってこようとガキどもを前足で背中に乗せてやりながら、チッと頭の中で舌打ちをする。何度も何度も舌打ちをする。
 おい、聞いているか人間? 
 お前らには家族がいねえのか? 
 もし家族がいるんだったら、お前らの家にもこんなに可愛いやつらがいるなら、俺たち動物にも家族がいるってことくらい分かりそうなもんだろうが! それなのに、どうしてお前たちはやたらめったら動物を殺すことができるんだ!?
 
 その日の夜、俺は眠ることができなかった。イラ立ってイラ立って、頭がおかしくなりそうだった。
 親を殺されたあの日から、俺は人間が滅び去る瞬間を何度も何度も夢見てきた。それがいよいよ現実になるかもしれねえってのに――家族とサバンナをためとはいえ――俺は、宇宙五輪に出ようとしてやがる。もしこの世界に神様がいるのだとしたら、それは相当意地の悪い、たとえば人間みたいなやつなんだろうよ。
 
 俺は、リリとガキどもを起こさないようにそっと巣穴を出た。頭の中に響いてくる言葉の指示通りに進むと、停車したトラックの前に白い服の連中が立っていた。女が言った。
「宇宙五輪に参加してくれるのね」
「ああ」
 俺はそう答えながら地面に唾を吐いた。
「だが、お前たちには任せられねえ。ここ(サバンナ)は俺が仕切る」
「え?」
 俺の言葉に科学者どもが蒼ざめた。
「でも時間はもうほとんど残されてないのよ」
「じゃあこの話は無しだ」
 俺は、こいつらのやり方で他の動物を説得できるとは思えなかった。それに何より、麻酔弾とはいえ人間どもの『弾』を動物たちに撃ち込むのだけはどうしても許せねえ。
 白い服の連中は相談を始め、途中言い合いにまでなっていたが、結局折れた。
 女は言った。
「……あなたに任せるわ」
「ふん。賢明な判断だ」
 俺はそのまま背を向けて歩き出した。



(確か、このあたりだったはずだ……)
乾期のサバンナでは小さな水源を求めて動物たちが集まってくる。きっとやつらもこのあたりにいるはずだった。俺は沼地に足を取られないように慎重に足を忍ばせていった。
「よお」
 俺が話しかけるとそいつは巨体を立ち上がらせて俺をにらみつけてきた。そして空に向かって吠えた。その声を聞いた仲間たちも起き上がってくる。

「何の用だ?」

 他の中と比べて一回り身体のでかいやつが現れた。こいつが群れのボスだ。警戒しているな。ま、そりゃそうだろう。こいつらの仲間を一頭殺るために10の仲間と陣形を組むこともある。それくらい力のあるやつだ――ゾウってのは。

「力を貸して欲しい。この星のためだ」

 ――これは賭けだった。ゾウってのはサバンナの動物の中でも特に賢い。他の動物たちを襲わないどころか守ることすらある。こいつを説得することができれば、多くの動物たちを味方にすることができるかもしれない。
 俺は、俺なりに言葉を選びながら、一部始終を話した。
 ゾウは相変わらずの思慮深い目で俺を見ていた。サバンナの生暖かい風が俺毛を揺らしていた。ゾウは言った。

「私は何をすればいい?」 

 ホッと胸をなでおろして俺は言った。

「その競技には石を投げるものがあるらい。確か、これくらいの石だ」

 俺がダチョウの卵くらいの大きさの石を前足で転がした。ゾウはその石を鼻で
つまみ上げ遠心力を使うと空に向かって放り投げた。石はまるで羽のついた鳥ように森の上空へ消えていった。
「文句なし、だな」
 俺が友好の証として前足を差し出すとゾウは長い鼻を伸ばしたが、俺の足の手前でスッとかわして言った。
「条件がある」

 *
 
 まいったぜ。まさにゾウの群れの用心棒になって子ゾウのお守りをさせられることになるとはな。こりゃ地球がなんとかなったって俺の身体がどうにかなっちまうぞ。
 だが、ゾウの群れのボス、ズーラを説得できたのは大きかった。他の動物たちも、こいつの話なら聞いてくれるだろう。
 ――そしてズーラは、時に吠えるように、また、時に諭すような口調で説得を続け、予想もできなかった動物たちを引き入れていった。
 もちろん全部の動物が応じたわけじゃない。特にシマウマを説得できなかったのは痛かった。俺の得意なのはあくまで短距離。中距離以上であの連中にかなうやつはいないだろう。ただ、俺たちはウマを食い過ぎた。俺たちが人間を憎むように、ウマは俺たちを憎んでいた。

「連れてきたぜ」
指示された場所にサバンナの動物たちを連れていくと、そこには巨大なトラックが何台も止まっていた。白い服の女は俺に向かって言った。
「ありがとう」
 俺はそいつの目の前で唾を吐いてやった。
「礼なんて言う暇があったら、とっとと俺たちを敵の前に案内しやがれ。俺たちの望みはな、できるだけ早くこのクソ競技にけりをつけてサバンナに戻ってくることだけだ」







「さあ、宇宙最大の祭典『宇宙五輪』が開幕しました! 今大会の注目は太陽系の『地球』! 多くの星が地球の支配権を手に入れようと今年の五輪に力を入れてきています。しかし、地球陣営も負けてはいません。前回大会は食物連鎖の頂点に君臨していたホモサピエンスのみの出場でしたが、今回は地球最強の『動物』たちが参戦してきたのです!

 ――それではいよいよ200m走、選手が出揃いました。スタートです! 
最初に飛び出たのはウラン星人! いつもの車輪走行で先頭を切ります! そしてその横を追撃するのが緑色の細い身体はミーバ星人……いや、違う!チーターです!地球のチーターが駆け抜けて行きます!

 ものすごいスピードだ!!!

 ミーバ星人をあっさりとかわす黄金の一閃! その姿はまるで稲妻のよう!
 





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ぐんぐん伸びていくサンダー・チーター! 後続を引き離しゴール! 

タイムは……6秒23! 

出ました! 宇宙新記録! 200m宇宙新記録が出ました!
 


……おっとここで新たな情報が。各会場でも地球勢が健闘しているようです。『投石』では、『アフリカゾウ』が7キロの石を58m飛ばして2位につけています! さらに驚くべきはフットボール! 地球の『アメリカンフットボール』に近いこの競技ですが、前回大会で地球は初戦で10名の負傷者と8名の死者を出し惨敗。しかし今大会は優勝候補のラドン星人相手に一歩も引いていません。身体の80%以上が鉄に覆われているラドン星人。まさに鉄壁が地球勢に押し寄せていきます。しかし……食い止めた! 食い止めたのは『サイ』です! フォワードの『サイ』が一歩も引かず角でラドン星人を止めている! そしてその間に、ボールを持った『ゴリラ』がボールを投げます! ゴリラの握力は約1t! とてつもないスピードで相手陣地に飛んでいく――が、高い! 高すぎる!これは明らかにミス……いや取りました! ボールをは『キリン』です!キリンは口でキャッチしたボールを持ってそのままタッチダウゥゥン!」

 



 地球陣営の控室は動物たちの咆哮で沸いていた。まあ前回大会で地球勢が手も足も出なかった種目で勝利を収めていったわけだからな。盛り上がるのも無理もない話だ。
 だが、浮かれていられるのは事情を知らない動物たちだけだった。まだこの時点では地球は総合ポイントで最下位になる可能性が残されていたからだ。
 ――もし、地球が、地球上のすべての生物を宇宙五輪に参加させられていたなら、最下位を免れるどころか上位に食い込むことができただろう。
 宇宙五輪には陸上競技以外にも、水中競技、空中競技が存在する。グンカンドリの長距離飛行、ハヤブサの降下飛行、カジキの水中走、シャチの水球、そのどれもが優勝候補だった。
 しかし、人間は説得に失敗した。これまでに作られてきた人間と動物の間の溝はあまりにも深く、そして何よりも、人間の動物に対する尊敬が少なすぎた。

 ああ、忌々しい人間どもめ!
 何が『地球を救う』だ。何が『絶滅危惧種』だ!
 そんなことをホザく前に、カジキよりも速く泳げるようになれ! 俺より速く走れるようになってみやがれ! そうすれば俺たちが進んで来た道のり――進化の偉大さが――身に染みてわかるだろうよ!

 しかし相変わらず人間は『運』だけは持っていやがった。
 今回、人間は『イルカ』『アザラシ』『オットセイ』『ラッコ』を宇宙五輪に参加させることに成功していたんだ。そして『イルカ』が陣頭指揮を執った異種混合の『シンクロナイズドスイミング』の完成度は極めて高かった。この競技で3位までに入賞することができれば地球は最下位を免れることができる計算だ。


 そしていよいよ『シンクロナイズドスイミング』の時間がやってきた。人間の作ったクラシック音楽に合わせて動物たちが一糸乱れぬ演技を披露し始めた。
(よし! よし!)
 イルカたちが大技を決めるたびに俺はガッツポーズを取った。まったくと言っていいほどミスはなかった。音楽が鳴り止むのと同時に、全員が動きをピタリと合わせて最後の演技を締めた。会場で巻き起こるスタンディングオベーション。動物たちもその声援に応えた。控室にいた俺たちも抱き合って喜んだ。「やった! 俺たちは地球を守ったぞ!」



「4位ってどういうことだ……」
 審査結果を見て俺は愕然とした。明らかに地球の演技はずば抜けていた。優勝してもおかしくない演技だったはずだ。
 白い服の女が言った。 
「もしかしたら、審査員の中に地球を黒星にしたい惑星の生物がいたのかもしれない……」
「畜生!」
 俺は部屋の壁を思い切り蹴飛ばした。
何が宇宙だ! ふざけるんじゃねえぞ!結局どの星にいるやつらも、人間みたいに身勝手な連中ってわけか!
 俺は怒りが収まるまで壁を蹴り続け、そして大きく息を吐いて言った。


「俺は、『ファイナル・ラン』に出る」


『ファイナル・ラン』はその名前の通り、宇宙五輪を締めくくる最後の競技だ。宇宙五輪の開催惑星を100キロメートル、給水無しで横断する最も過酷な競技。ポイントも一番高い。そして、宇宙五輪の終幕祭としての意味合いもあるファイナル・ランは、競技参加者であれば何名でもエントリーすることが認められていた。
「でも、あなたの身体は……」
「黙ってろ!」
 女の言葉を咆哮で遮った。
 
 俺は、自分の脚のことは誰よりも知っている。ガゼルやインパラを追いかけるための俺の脚は超短距離向きだ。全力で走ると全身が燃えているように熱くなる。それは俺の身体が悲鳴を上げているサインだ。

 それがどうした?
 
 お前たち人間どもには分かるまい。俺たちと人間との決定的な違い、それは「死」に対する覚悟だ。俺たちは毎日を死と隣り合わせに生きている。もし、少しでも可能性があるのなら、命を捨ててでも俺たちは挑まなければならない。
 俺がファイナル・ランへの出場を宣言すると、ゾウもキリンも他の動物たちもエントリーを決めた。
 そうだ。それでこそ「動物」だ。俺たちはお互いに手を取り合い勝利を誓った。
 「俺たちの星は、俺たち動物が守るんだ」
 




 「――いよいよ宇宙五輪も最後の競技になりました!『ファイナル・ラン』は今大会開催惑星のルーン星を舞台に100キロ走破を目指します。
 さあ、スタート地点には各惑星の選手たちが入り乱れております! そして……高らかにスタートの合図が響き渡ります! まず最初に飛び出したのは半人半獣のエルド星人! 宇宙屈指の長距離走巧者です! そしてその後に続くのが……地球勢だ! なんと短距離の覇者チーターがファイナル・ランに参加しているぞ。さらに続くのは、キリン、そしてゾウ。地球勢ここで一気に勝負を懸けてきた!」


 *

 熱い。身体が燃えるように熱い。
だが、何の問題もない。
前を走るあのエルド星人。あいつにずっとついていけばいい。
何キロでも、何十キロでも、何百キロでもついていってやる。
俺は倒れない、絶対に。俺のガキどもはまだサバンナの高原を走り回ったことすらないんだ。あいつらが生きていくために教えなければならないことがたくさんある。俺は倒れない。倒れるわけにはいかないんだ……。

 ――そこで俺は目を覚ました。

 どういうことだ? 俺は眠っていたのか? 
飛び起きようとするが全身が鉛のように重い。俺はベッドの上に横たわっていた。
「お前はレースの途中で気を失ったのだ」
 すぐ隣にゾウのズーラの巨体が見えた。ズーラは言った。
「私がお前を運んだ。人間の救助が間に合いそうになかったからな」
「レースはどうなった?」
 俺がたずねるとズーラは言った。
「レースはまだ終わっていない」
 俺はズーラの言葉を聞くと全身の毛が逆立つような怒りを覚えた。
「ふざけるんじゃねえ!」
 怒り狂った俺は、ズーラの喉元に噛みついた。ズーラの喉から血が流れ出した。
 「俺が死のうが生きようがそんなことはどうだっていい! どうしてお前がここにいる? どうしてレースを続けてねえんだ!?」
 するとズーラは澄んだ瞳で言った。
「もともと私たちの身体は、長距離を走るのには適していない」
「それがどうした!? 」
 俺の怒りは収まらなかった。
「そんなことは端っから分かってんだよ! でも、俺たちがやらなきゃ誰が地
球を守るっていうんだ!」
 そして俺は「畜生! 畜生!」と言いながら何度も床を叩いた。そんな俺の背中にズーラの声がかけられた。
「まだ勝負は終わっていないぞ」
 そしてズーラはテレビモニターに視線を移した。俺はゆっくりと顔を上げた。

『ファイナル・ラン』の先頭を走るのはエルド星人。そこから距離を置いて数人の選手が第2集団を作っている。

(な、なんだと……)

 そこで俺は驚くべきものを見た。
 第2集団の中に地球の選手がいたのだ。
 
 しかもそいつは――人間だった。

「どういうことだ――」
「地球で長距離走が最も速い動物は人間なのだ」
「そ、そんなわけねえだろう!」
「本当だ」
 そしてズーラはモニターを見上げて言った。
「なぜ、すべての動物で人間の肌にだけ毛が生えていないのか。それは、皮膚から熱を逃がすことができるように進化したからなのだ」
「ふ、ふざけるな!」
 俺は再びズーラに食らいつかんばかりに叫んだ。
「じゃあ何だ? 人間どもは持久力を高めるために毛皮を捨てて、肌寒くなったからって俺たちを殺して毛皮を奪うってか!?  そんなバカな話があるか!ふざけるんじゃねえぞ!」
 ズーラは、テレビモニターの中で走り続ける人間を見つめながら冷静な口調で言った。
「憎いか、人間が」
「当たりめえだろ! こいつらは、自分勝手な都合で動物を殺し続ける最低のクソ野郎どもだ!お前だって人間を憎んでるだろうが!」
「ああ」
 ズーラは小さくうなずくと言った。
「だが、チーターよ」
 ズーラは俺を諭すように言った。 
「人間もまた、私たちと同じ、地球という大地から生まれた動物なのだ。そして彼は今、地球を守るために、たった一人の戦いを続けている」
 俺は、テレビモニターに目を向けた。
 その中では、身体に毛も持たない、脆弱な身体をした一匹の人間が、後ろ足だけの間抜けな走り方で必死に手足を動かしていた。


 *


「さあ、エルド星人、首位をキープしたまま残り1キロ地点を通過しました! 『ファイナル・ラン』今大会の優勝もエルド星人が濃厚か! しかし2位以下は混戦。ウラン星人、オーグル星人……その中には地球人の姿もあります。ケニア出身のマカウ、苦しそうな表情だ。おっとここでオーグル星人ラストスパート! それを見て他の選手もスパートをかけた!
マカウ遅れた! 地球人遅れました! 前回大会の雪辱を果たすため大幅にタイムを縮めてきたマカウですが、ついに力尽きようとしています! これで今大会の黒星は地球で決まりか……おおっと、何だ!?  観衆たちをかきわけ、土煙を上げながらマカウと並走する集団が現れま
した! 口には旗をくわえ、身体にペイントをしている者もいます!」





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 くそっ! まさかこの俺が人間なんかを応援するハメになろうとはな。つくづく忌々しい大会だぜ、この宇宙五輪ってのはよ! 
 俺は、死にそうな顔で走る人間の横を、焦り、イラ立ち、そして藁(わら)にもすがるような思いで並走し続けた。

 ああ、人間! もっとスピードを上げねえか、バカ野郎! 

 あと少し、

 あと少しじゃねえか! 

 お前があと少し頑張れば、地球を守れるんだよ!


「ああ!」


 我慢できなくなった俺は口にくわえていた地球旗を放り投げ、人間に向かって叫んだ。ありったけの声で。


「おい! 人間! 聞こえるか!?

 俺はなあ、お前が嫌いだ! 

 俺だけじゃねえ。俺たち動物はみんなお前たちのことが嫌いだ! お前たちは今まで好き勝手に動物を殺し、地球の支配者顔してきやがったからな!

 でも、人間! お前はこのままで良いのかよ!?
 
 このまま終わっちまっていいのか?
 
 俺はなあ、お前がこんなに長く走れる脚を持っていたことを今日まで知らなかったぞ。
 
 脚だけじゃねえ。俺は、お前のことなんざ何も知らねえんだ!
 
 お前今、何のために走ってるんだ!?
 
 自分のためか? 

 家族のためか? 

 他に守るべきものがいるのか? 

 お前は何のためにこんなに苦しい思いをしてやがんだ?
 
 おい、人間! 勝って、そのことを俺たちに教えろ!

 お前たちの家族を、お前たちの生活を、お前たち人間のことを――俺たちに教えろ!

 もしお前がここで負けたらなぁ、人間と動物は何も解り合えないまま終わっちまうんだぞ!」
 

 そして俺は最後の力を振り絞って叫んだ。


「人間と動物は、まだ何も始まっちゃいねえんだ! こっからなんだよ、『俺たち』は!」


 *
 

「おおっと! 地球人のマカウ、スピードを上げた! 口を開き、顔を上げ、苦悶の表情を浮かべながら、それでもスピードを上げていく! 1位はエルド星人! 遅れて2位のウラン星人がゴールしました! さあ、3着はオーグル星人か、それとも地球人か! 熾烈な3位争いを制するのはどちらだ!?

 おおっとマカウ、出た! 

最後の最後、身体一つ分の差でオーグル星人を抜き去った! 地球人、3位入賞です! そして100キロを走り切ったマカウ、ゴールと同時に地面に倒れ込みました。その周囲に地球の動物たちが集まります。そしてマカウを背に乗せた動物たちが救助車へと向かって走り出しました――
















人生で一番大切なスキル

今週、母の日なので何を贈ろうかと考えていたときに、ふと思ったのが

過去のプレゼントに比べて今年安いものを贈ると

「あ、こいつランク下げやがったな」

と思われる「気まずさ」ってあるよなあと思いました。

そして、この気まずさを払しょくするのは、

「生きる上で一番大切なスキル」

なんじゃないかと思いました。

というのも、

こういうときに生まれる「気まずさ」こそが、多くの人から「自由」を奪っているように思えるからです。

「一度上がった生活水準は落とせない」のも「やりたいくない仕事を続けなければならない」のも、

周囲からの評価が下がることの「気まずさ」に耐えられないことが一番大きな原因だと思います。
(もし周囲の視線がなければ、ほとんどの人が収入は関係なく十分幸せになれると思うので)


ではこの気まずさを具体的にどう回避するかと言いますと


(仮に母の日のプレゼントのランクを大幅に下げ、そのことについて母親が「こいつ、ランク下げやがったな」と思っている場合)

たとえば、


「今年のプレゼントが去年のプレゼントよりかなり安くなっているこの現状について、『こいつ全然稼げてないんじゃないか?』って思っとるかもしれんけど、いや、確かに収入はゆるやかな下り坂に向かいつつあるけれど、むしろ、こうやってプレゼントのレベルを下げられる勇気?ここを評価してほしいわけ。正直、お母さんを誰よりも大切に思っとる僕にとって、この選択は断腸の思いだがね。でも、このつらさを乗り越えられず、生活水準下げれんくなってダメになってまったのが小室さんだがね」


こんなことを言うことになるでしょう(小室さんすみません)。


ポイントは2つで


1.思い切って口に出す

2.自分を卑下しない



「気まずさ」というのは、それを口に出せないからこそ相手にとってもストレスなわけで、たとえば「今日の合コンはしょぼいなぁ」と思われていたとしても

「今日の合コン、しょぼいよね」

とその場で口に出せる空気さえあれば全然つらくないというか

実際、女性陣からそういう風に思われていた合コンも、気まずさに触れて巻き返すことができます。

ただその際に注意しなければならないのは2.「自分を卑下しない」。

ここで自分を落としすぎてしまうと「可哀そう」という気まずい空気になってしまうので

たとえば、女性陣が全然盛り上がってなかったとしたら

「俺に対して、『ハズレ』的なこと思ってない?」

と気まずさに触れながら

「そう思ってるのだとしたら、君たち『木を見て森を見ず』だわ」

と言って適当に自分たちが個人ではなく全体としていかに優れているかをプレゼンしていけば良いし、その場に『森』という名字の男がいれば「森だけを見て」と森を一方的に持ち上げても良いでしょう。

とにかく、多くの人が人生でリスクを取ることができないのは

「気まずくならないように行動する」

からであって、もし

「気まずくなったとき、それを乗り越えようとする」

スタンスを身につければ、人生は本当に自由になると思います。

僕の知り合いでこのスキルの使い手がいるのですが、

その人は昔、仕事で大きな失敗をしたことがあるのですが、会うたびに

「いやぁ、あのときはやっちゃったよ~!」

と笑いながら言うので、その失敗が全然気にならなくいし、応援したくなるんですよね。

「失敗から立ち直って何度も挑戦できる」

ことも可能にするスキルだと思います。


そして、今、これを書いていてふと思い出したのですが


僕がすごくお金の無いときに付き合っていた女の子がいて


僕はその子に


「毎回デートを100円以下にしたいのです」


ということを言っていました。

当時は本を出すことを夢見ながらアルバイトをしていたのですが

できるだけ多くの時間を本を書くことに使いたかったので、週2回以下しか働きたくなくて

収入がギリギリだったのです。

そこで僕が彼女に言っていたのは


「僕は本を出したいので、その一つの企画としてすべてのデートを100円以下に抑え、その内容を文章にしたいのです。もちろんその本はかなり売れることになるのでその印税でハワイに行こう」


彼女も面白がってくれて何度も100円のデートに付き合ってくれました。

残念ながら本が出る前に別れてしまいましたが、素敵な人でしたね。

……というか、今ふと思ったのが

この記事は「生きる上で一番大切なスキル」とか言って書き進めてきましたけど、それは単純に僕の思い上がりで

僕の周りにいた人たちが笑ってくれていただけなのかもしれません。

僕がお金が無かったり、失敗したりしたときは、その状況を必ずギャグにしていましたが

でも、もし彼らが笑ってくれなかったら、僕はみじめな気分を味わっていたでしょう。


というわけで


「生きる上で一番大切なスキルこと」は


失敗したり挫折しても、「お前は面白いなぁ」と笑ってくれる友達に囲まれていることなのだと思います。










勝間和代さんの「鼻の穴」について


勝間和代さんの

「有名人になるということ」

という本を読んだのですが

有名人という状態を客観的に分析しながらノウハウ化するという、ありそうでなかった素晴らしい本で一気に読んでしまったのですが、

本文中に、一点だけ、ご提案というか「ぜひこうして欲しい!」という部分を見つけてしまいました。

それは「あとがき」のP.214の部分で、僕が本書で最も好きな箇所の一つなのですが、





「有名人になる」ことそのものをゴールにするのはとても危険です。
(中略)
なにしろ、不特定多数の人から監視され、失言ひとつするたびに揚げ足をとられ、そして見ず知らずの人からさまざまな場所で、


「勝間和代嫌い」
「勝間の本の中身が薄い」
「鼻の穴」
「顔が気持ち悪い」


などと言われるわけですから







ここの部分で

ぜひ

「鼻の穴」



「顔が気持ち悪い」

の順番を入れ替えていただきたいのです。

たぶん、僕が思うに、ここは勝間さんがどんどん自虐をエスカレートするために

下に行けば行くほど、ヒドイ言葉に並べたと思われるのですが、

そして、その考え方はある意味では正しいのですが

ここで僕が強調したいのは


「鼻の穴」は、直接的な中傷の内容を含まないゆえに、むしろ破壊力が強いということなのです。



僕が中学生の時、人を中傷するあだ名が横行しました。


顔のホクロに毛が生えていた男は「ホゲ」というあだ名がつけられました。

大きな乳輪を持っていたことから「ビッグ」と呼ばれた男もいました。

しかし、その中で最も忘れられないあだ名は(確か中村という人物だったと記憶しているのですが)、

彼につけられた





「物体」




というあだ名でした。

一体誰がつけたのか、どうしてそのあだ名をつけられたのか、その経緯はまったくわからなかったものの

そのあだ名をつけた人間のセンスの高さと、容赦の無さに衝撃を受けました。

なぜこの「物体」というあだ名が秀逸なのか。

それは、

そもそも、あだ名というものは、誹謗中傷が意図されるのと同時に


「人間である」


ということを示しており、たとえば「ゴリラ」というあだ名の人は「ゴリラのような顔および体格を持つ人間」ということになります。


しかし、「物体」という抽象的な名詞を使うことで


「もはや人ですらない」という地位に貶める効果があったのだと推測されます。


そして、勝間さんが採用した「鼻の穴」にも


これと同様の効果が存在するのです。


そこで

先ほどの4つの項目


「勝間和代嫌い」
「勝間の本の中身が薄い」
「鼻の穴」
「顔が気持ち悪い」





「勝間和代嫌い」
「勝間の本の中身が薄い」
「顔が気持ち悪い」
「鼻の穴」


とすることで、


「もはや人ですらなくなっとる!」


という読者のツッコミを受けることでき、

売り上げが伸びるとまでは言いませんが

電車の中でこの本を読んでいる人たちを「吹き出させる」ことのできる確率が、約3倍上がると思われます。



勝間さんの「有名人になるということ」はきっと売れると思いますので


ぜひ、増刷分からこの変更をご検討いただければと思います。



PS.

ちなみに、改めて言うまでもないことですが、僕の意見は

「勝間和代好き」
「勝間の本の中身が濃い」
「顔が素敵」
「鼻の穴の大きさが完璧」
「勝間和代の鼻の穴を世界遺産に申請すべき」
「もはや『華の穴』だ」

です。












サソリのさとり

宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」の中で、カムパネルラがジョバンニに語って聞かせる「サソリの火」という話があります。


「一ぴきのサソリが小さな虫を殺して食べて生きていた。しかし、ある日イタチに見つかって食べられそうになった。サソリは一生懸命逃げたけど井戸に落ちてしまった。井戸からはいあがろうとしたがはいあがれなくておぼれはじめた。そのときサソリは神に祈りを始めた。

『わたしはいままでたくさんの虫を殺してきた。
でもその自分がイタチに襲われそうになったときは、一生懸命にげた。
その結果、自分は井戸でおぼれようとしている。
どうして、私は私の体をイタチにくれてやらなかっただろう。
そしたらイタチも一日生きのびたろうに。
ああ、神様、この次にはみんなの幸せのために私のからだを使ってください』

するとサソリの体は真っ赤な火になった。その火は今も燃えていて、その美しい火は人を喜ばせている」


という話なのですが、この話を読んでふと思ったのは

サソリが落ちた井戸の中には、バクテリアとかがいて、

イタチには食べられなかったけど、ちゃんと他の生物の命になったんじゃないかなぁ

ということです。


つまり、この挿話では

人間が「命」と認識している範囲内で、「愛」が規定されていますが

バクテリアとかもっと小さいやつらを含めたら


「死」=「形を変える」ということは、必ず他者の一部になるということであり、


人間は、生まれた時点で「地球に役立つ」ことから逃れられません。


しかし、このサソリが感じた罪悪感のようなものは多くの人が持っていて



「人の役に立たねばならない」

「優れていなければならない」

「責任を果たさなければならない」


そんなことを考えながら人は生きていますが


人は、人の役に立っていなくても、優れていなくても、責任を果たしていなくても、


世界を構成するパズルのピースとして存在してしまっている以上、役立ちます。



だから、サソリが井戸の中でおぼれながら


「神様、私のからだをみんなのために使ってください」


と言ったとき


神様は



「あなたはもう十分役に立ってますよ。お疲れ様」



と言ってくれたんじゃないかなと思いました。













amazonを超えるサービス

生きているとつらいことや苦しいことがたくさんあるわけなんですけど

ほんのたまに、

それはもう神様からの贈り物なんじゃないかと思うくらいの、とんでもない幸運が訪れることがあります。

僕は先日、そんな幸運に出会いました。

そして、すみません、

こんな仰々しい前フリを書いてしまってから言うのもアレなんですけど

以降、相当な下ネタが登場することになるというか、

オール下ネタなので

女性の方はマジでご遠慮いただいた方がいいかもしれません。

それでは始めさせていただきます。


――ところでまだちゃんとした報告はできないのですが、

僕が過去に書いた「LOVE理論」(文庫版は『美女と野獣の野獣になる方法』)の漫画化が進んでいまして

編集者の方と漫画家の方と飲んでいたのですが、

みんな同じ年齢だったのでかなり盛り上がることになり

また、LOVE理論は僕の中でも思い入れの強い本だったので

自宅に戻ってから改めて読み返していたのですが

読まれた方は分かるかもしれませんが

冒頭の部分に水野愛也が「モテ男であるトム・クルーズを倒さねばならない」理由として

「デッドカーム~旋律の航海~」という映画に出ているニコール・キッドマンのベッドシーンで40回以上1人Hした俺は、その、ニコール・キッドマンと40回以上2人Hしてるトム・クルーズを許すことはできない

という主張をするのですが


それを読んでいたところ、ふと


「デッドカームの動画、ウェブサイトにあるんじゃね?」


と思ったんですね。

この本を書いた当時は動画サイトなんてほとんどありませんでしたが

今だったらあの伝説のベッドシーンがネットで見られるのではないかと。

あ、ちなみにそのシーンの内容ですが、

ニコール・キッドマンと善良な夫がクルージングをしている最中に遭難者を助けるんですけどそいつが犯罪者で

夫は海から落とされ船が乗っ取られてしまうのです。

それでニコール・キッドマンはその夫を助けるために、犯罪者を油断させようとして抱かれる、っていうシーンなんですけど

ちなみに僕は普段AVはほとんど見なくて、今だに日活ロマンポルノを見てるという「ストーリーで燃える」タイプなわけで

そんな僕にとって「デットカーム」は食べログの点数で言うと4.8くらいの「おかず」なのですが、

っていうか、今、こうして書きながら思い出し勃起してきてますからね。


で、LOVE理論を読んで久しぶりにそのことを思い出した僕は

動画見れねーかなーと「デッドカーム」でネット検索をかけてみたんです。


そしたらね、


とんでもないことが起きました。


……改めてこんなこと言うのもなんですけど


インターネットってすごいです。


「インターネットってすげーな」


ってパソコン画面に向かってはっきりと口に出していいましたからね。



で、何が起きたかっていうと


僕の目の前に現れたのは


「すごいHシーンのある映画タイトルをどんどん書き込んで行こう」っていう掲示板だったんですよ。


しかも、そこでは


「デッドカーム? はいはい、あのニコールのやつね。あれは基本つーか、前菜みたいなもんでしょ?」


的な空気が漂っており


たとえば



「目の見えない夫の隣で奥さんがHするシーンのある映画を見た記憶があるんですけど、タイトル分かります?」


という質問に対して



「それは『侵乳者』ですね」



っていう回答が速攻でついてたり、


もう、聞いたことがない映画のタイトルが並びまくってるわけです。


これ、僕からしたら全然大げさな表現じゃなくて






石油掘り当てた




みたいなもんですよ。



そっからはもう



ゴールドラッシュならぬ、コピペラッシュで。



僕のマウスがガチのネズミかっていうくらい素早いスピードで動き続けました。



それでどんどん読み進めていったんですけど


この掲示板の中に何度も登場する映画のタイトルが出てきたんですよ。


もうね

「この道に入るならこれ知ってなきゃモグリっしょ」

的な?


「とりあえず、この科目取るならこれ必修っしょ」


的な?


「このパス買わないと乗り物に乗るどころか入園できないよ」


的な?


そんな空気がバンバン出てるんですよ。



ちなみに、その映画のタイトルが



「ヒッチハイク」



だったんですけど



それでとりあえずコピペする手を止めて



そのままアマゾンに乗り込んだわけです。


それはもう


アマゾンに並び立つ樹木のごとく、股間を屹立させた状態で、


です。



そして速攻でヒッチハイクのDVDを見つけたんですけど、

ただ、

8件ついているレビューのほとんどが


★1つなんですよ。


それですごく嫌な予感がして、とりあえずレビューを読んでいったのですが

レビューを書いている人がみんな


「肝心のHシーンが大幅にカットされるじゃねえか! ふざけんなコラァ!」


みたいな感じで、ブチ切れてるんですよ。

それで

「ああ、このDVDはトラップだな」

と気づいたのですが、同時に僕は武者震いが止まりませんでした。


このレビューを書いた男たちはヒッチハイクという映画にエロを期待し、アマゾンから届くのを心待ちにしていたものの
肝心のシーンがカットされていた、そのときの落胆、喪失感、絶句、それらが、やり場のない苛立ちがレビューから噴き出している

そんな彼らのパッションを感じたとき


「ああ、この映画は本物なんだな」


と改めて確認せざるを得なかったのです。


そして、「なんとかしてノーカット版を見ることはできまいか」とレビューを読んでいったのですが

なんと、ヒッチハイクは2009年に新たにノーカット版が発売されているという事実にたどり着いたのです。

そして、僕はヒッチハイク・ノーカット版を求めてアマゾンのジャングルを奥へ奥へと進んでいったのですが……


そこで


ついに、


ヒッチハイク・ノーカット版を発見したのです!





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た、高ぇ!




死ぬほど高ぇ!





が、しかし!


中古品にこの値段がつくということは!


この映画のクオリティが「神」であることの証明っっっっっっ!!!!!!



ただ、


それでも、


29800円は、



ソフトじゃなくてハードの値段っっっっっっっ!!!!!!






――僕は迷いました。




大学三年の進路かってくらい迷いました。




カートに入れ、削除し、そして再びカートに入れ、削除し、を繰り返し――




しかし、最終的に、



僕の過去の経験則から導き出された「水野五大行動理念」の一つ





「迷ったら行け。ただし、買い物の場合は止まれ」




に従い、寸前のところで購入を止めたのでした。



そして、あくる日のことです。


その日は毎週土曜日にユーストリームで放送している「何も生まない会議」があったので、そのときに「ヒッチハイク」の話を社長の山本くんにしました。

そして僕がいかにヒッチハイクに対して熱い思いを抱いているのか、

ヒッチハイクにたどり着くまでの経緯、そして現在、アマゾンの密林で方位磁針を失って遭難していること、


そして、


昨晩、すでにアマゾンの「あらすじ」だけで2回抜いたことを熱く語った上で言いました。









「29800円なんだけど、経費で落ちます?」






そしたら山本くんから


「それ、どういう項目になるの」


と聞かれたので



「研究費、かな?」



と答えると、間髪入れず


「却下」


と言われ、


ただ、そのときちょうどユーストリーム放送中に視聴者の方から書き込みがあり、


TSUTAYAのオンラインにヒッチハイクがあるという情報を受け


「マジか!」


と驚いて放送中にそのままページに飛んだのですが在庫が存在せず、


「期待させんじゃねえ!」


と心の中で視聴者とTSUTAYAに毒づきつつ


そのユーストリーム放送は終了となり


部屋に戻ってきた僕は


「やっぱり、29800円で買うしかないのか……」


と思いながらなんとなくネットサーフィンをしていたのですが、


そのとき、


それは、まさに、神からのギフトとも呼べるようなものが、僕の元へ贈られてきたのでした。



結論を言いますと



「ヒッチハイク・ノーカット版」



はGEOの宅配サービスにありました。



※GEOというのは西日本を中心としたビデオレンタルショップです。




ただ、そこで僕は衝撃を受けることになります。








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こうして僕は速攻でGEOの会員になり、


2日後に届いた「ヒッチハイク」を


ズボンを完全に下ろした状態で再生し


一切の早送りをせずに鑑賞しました。


「ヒッチハイク」の内容、満足度に関してはここではあえて触れずにおきましょう。


ただ、一つ、


過去「ヒッチハイク」で抜いた数多いる人間の中で


「キャンピングカーのシルエットで抜いたのは水野のみ」


という言葉をここに置いておきます。



ただ、僕の感動は、「ヒッチハイク」を借りれたことだけでは留まりませんでした。


実は、「ヒッチハイク」に代表されるような「エロス映画」というのは完全に時代遅れになっており


名作とされている映画はほとんど旧VHSの時代に作られたものばかりで


DVD化されていたとしても入手困難なものが多いのです。


しかし、このGEOの宅配サービスを利用すると、ほぼすべてを手に入れることができ、



こうして僕は、


amazonを超える、GEOという名の密林、いや、蜜林の中で、


今も遭難し続けているのです――。











婚活をすればするほど結婚から遠ざかる理由



婚活の番組を見たりすると、女性たちがけなげに頑張っているのは分かるのですが、そういう女性を見た男性の9割以上は

「これじゃあアカンわ」

と思っています。

その「アカンさ」は、よく言われるような「相手の地位や年収を気にしすぎる」というものだけでなく「もっと根本的な問題」を抱えている気がするのですが

ただ、それをどうやって説明したらいいのか伝わるのか考えていたのですが

家の近所にお弁当屋さんがありまして

その弁当屋おばちゃんと話していたときに


「これだ!」


と思ったのでそのことを書かせていただきます。


僕はランニングの帰り道に弁当を買っているのですが

ある日、あまりお客さんがいないとき

「今日は風が強いのに大変ですね」

と話かけられて

「いつもどれくらい走るんですか」

と聞かれて

「5キロくらいですかね」

みたいな感じで答えたら

「5キロ!」

と驚いて

「……ってどれくらいですか? 私走らないもので。すみません」

という感じで言われて思わず笑ってしまい、

5キロがたいして長い距離じゃないこと、自分はそもそも身体を動かすことだけを目的に走っていることなど話したら「普段は何してるんですか?」と聞かれたので

「ライターです」

と答えたら

「ええ!?すごい!」

とまた驚いて、そしてその頃にはお弁当の準備が整っていたのでお弁当を渡してくれながら

「私、すごい人にお弁当売ってるんですね」

と言われておばちゃんとの会話は終わり、僕が熟女好きということを差し引いても(この人モテそうだな)と思ったのですが


このおばちゃんの会話をマニュアル化するのであれば


「相手に興味を持って、相手のことをホメる」


になると思うんですよ。


ただ、冒頭に書いた「アカン」女性たちは真面目なのでそのことをそのまま受け取って、ターゲットの男性を前にしたら「この人に興味を持って、相手をホメよう」と考える。


それがダメなのです。


これがもう「不自然」すぎるのです。


では、なぜそれを不自然と感じるのか。

それは、その女性の言葉が「思ったこと」を口にしているのではなく、裏側に「目的」を持った、「ある種のウソ」として発言されており、そこを男性にかぎとられてしまうわけです。

そしてそこでの目的とは「結婚」であり、結婚とは「自分の欲求」であり、つまりは会話で相手をコントロールしようとしていることであり、

それは、服屋で「これ似合いますよ」と言いまくってくる店員に対して気持ち悪く感じてしまうのと同じ原理が働きます。

そして、重要なのは

弁当屋のおばちゃんが「ホメてくれた」ことが大事なのではなく、

弁当屋のおばちゃんの会話が「きわめて自然だった」ということなのです。

だから「すごい」という言い方にも全然いやらしさがなかったわけです。


つまり

婚活している女性は

「ナチュラルでポジティブな会話」

を身につけなければならないのですが

そしてそのことを十分に分かっているのですが

それを身につけるためのマニュアルが、会話をどんどん「目的化」しており、つまりは「不自然」にしており、


彼女たちは本来身につけるべきものから遠ざけているのです。


たとえば

弁当屋のおばちゃんの会話が自然だったのも


●表情に愛嬌がある
●声のトーンが明るい
●周囲に人がいないときに話しかけてきている
●ウソを言わず本音で話している
●ベースにはポジティブな感情を持ち続けている
●会話に慣れているので言葉がよどみなく出ている
etc……

要素に分析するとたくさん存在していて、これらを「意識」しながら実行するということは不可能であり、それよろも会話は「運動」に近いので、訓練しながら身につけていくのが効率的だと思います。


ではどのような訓練が良いかというと


それはまさに弁当屋のおばちゃんが日々実践していることなのですが


「自分のポジションが通用しない場所でのコミュニケーションの機会を増やす」です。


多くの人たちが、自分の肩書の通用する場所や、すでにポジションの確立した場所でコミュニケーションを取っています。

もしかしたら、日本人が、これだけ学歴や一流企業のブランドを手に入れたがるのも

「会話における肩書」を手にいれたいのかもしれません。

その肩書を出せば一目置いてくれる、もっと言えば「ナメられない」印籠を持つことで

会話というのは非常に「楽」になります。


たとえばあなたが「総理大臣」だったら

パーティーに出席にして一言もしゃべらなかったとしてもみんな喜んでくれるでしょうし、

あなたがぽつりと



「このパーティ、いいね」



などと言おうものなら、みんな大喜びしてくれるでしょうし、なんなら



「酔った」



という3文字の発言だけでも


「酔った」⇒「っていうことはこのパーティーが楽しいから酔ったのだ」


という風に解釈され、やっぱり場を和ませることができてしまうのです。


しかし肩書が通用する場所では、同時に、自分のコミュニケーション能力は劣化していると考えていいでしょう。


ただ、

これを読んでいる女性のみなさんが弁当を売るわけにもいかないと思いますので
(ただ、フリーマーケットに参加したり、見知らぬ人に何かを直接売るような機会があればぜひ参加していただきたいですが)

誰でもできる方法として「アウェイのコミュニティーに入る」というのが良いと思います。

会社の違う部署でも、団体でも、何でもいいと思うんですけど、

人が集まるコミュニティーというのは、序列を作ってまとまっているので、新しい人が来ると警戒したり排除する人たちが現れます。

相当強い肩書を持っていない限り「好かれる」ために気遣う部分が多くなり、「自然で好かれるコミュニケーション」を訓練するためには格好の機会となります。


ただ、こう書いてみてふと思ったのが


婚活している女性のみなさんはそれが大事であることに、すでに心のどこかで気づいており

でも、単純に面倒だからしていないだけで


仮に、もしこのブログを読んで友人たちと


「そうなのよ、アウェイのコミュニティーって大事なのよ!」


と盛り上がったとしても



その盛り上がっている場所は



伊勢神宮行きの新幹線の中だったりするんですよね。
















かわいい犬のレビュー



昨日、散歩している犬を見て若い女の子たちが「かわいい~! かわいい~!」とかわいいを連呼しながらなでていたのですが

一瞬、犬が物憂げな表情を浮かべたんですよね。

飼い主ですら見逃していた表情ですが、犬はたぶんこう思ったのだと思います。


「あんたらなんでもかんでも『かわいい』の一言で片づけますから、何が『かわいい』で何が『かわいくない』のか分からんくなるときあるんですよね。こっちとしてはもっと『かわいい』を伸ばしていきたいと思てるんですけど」


というわけで、

もっと自分を磨いていきたいストイックな犬たちのために、最近、僕が見た「かわいい犬のレビュー」を作ってみました。



消しゴム犬 ★★★★☆


これは友人の飼っているコーギー犬なのですが

このコーギーはカートの縁に首をこすりつけるのが大好きなのですが

すぐにそのことを忘れてしまうのです。

散歩でカートに乗せるたびに、


「ほら、ここに首をこすりつけると気持ちいいんでしょ」


とカートの縁をアゴにあててあげるのですが、そのコーギーは


「はぁ? 何言ってますの?」


みたいなきょとん顔をしており

しかし、カートに乗って進んでいるうちに、たまたま縁に首が当たってこすれると


「な、なんやこれ! めっちゃ気持ちええですやん! めっちゃ気持ちええですやん!」


と興奮してこすりまくり、そのあまりのこすり方に首の毛がハゲるんじゃないかと心配になって止めることもあるくらいなのですが

またしばらくしてカートに乗せて縁を首にこすらせても



「何これ?」



と、頭の中の消しゴムが「お気に入り」を消し去ってしまっているのです。

ただ、毎回「お気に入り」に出会えるという意味では、幸福な犬なのかもしれません。




軍隊犬 ★★★★☆


この犬はランニングをしているとき、たまに遭遇する柴犬の軍団で

いつも4匹で歩いているのですが、

なぜか、いつも、一糸乱れぬ隊列を組み、並んで歩いているのです。

道に落ちているものや、電柱の臭いをかぐこともせず、

まるで軍隊のパレード行進のように、背筋をピンと伸ばし、まっすぐ前を見つめたまま歩き続けています。

最初は、「この犬はそういう風に訓練されているのかしら」と思いましたが

しかし、この犬を連れているのは普通のおばさんで

いつも「困り顔」なのです。



「なんで、この子たちは、他の犬のおしりの臭いをかいだりしないんだろう……」



そんな疑問を浮かべた表情で散歩をしているのです。

つまり、僕が思うに、

まっすぐ歩いているのは、柴犬たち本人の判断なんじゃないかということなんです。


「世の中の犬たちは、散歩となれば道に落ちている食い物のにおいをかいだり、蝶々を追い回す。でもそういう行為が犬の品位を落としているんじゃないか。犬だって誘惑を断ち切ることができるということを世に知らしめ、新しい『犬』の概念を提示していこうじゃないか」


と、4匹で話し合って決めたんじゃないでしょうか。


そんな思いで柴犬たちを見ると


「お、お前たち!」


と言って抱きしめてやりたくなるのですが


そんなことしたら変質者だと思われるので


いつも横目見ながら「今日も隊列を崩していないぞ……!」と感心しながらすれ違っているのです。



背中かゆい犬 ★★★★★


先日、服屋から出て階段を降りていると、前から来たゴールデンレトリバーが僕とすれ違うように階段を登っていったので

ペット入れていい服屋なんて見たことないんで「どうするんだろ?」と思って振り返ったところ

その服屋のガラス扉の前に、踊り場のようなスペースがあって、そこにジュウタンが置いてあるのですが(砂や水を切るための、よくあるやつですね)

ゴールデンレトリバーはそのジュウタンに寝転がって、背中をグリグリこすりつけ始めたのです。



「ひゃー! 背中めっちゃかゆかったんやけど、これで生き返るわぁ!」


といった感じで、ベロを出しながらのた打ち回ってるわけですよ。

それでガラス扉の向こうにいる服屋の店員がそれを見て笑ってるんですけど

それから犬が何分か背中をこすりつけたあと


「ああ、最高でしたわ~」


みたいな顔して階段を下りはじめたんですけど、

そのとき飼い主が

店員に向かってペコリとおじぎをしたんですけど

そのおじぎの仕方が

「ウチの子がいつもすみません」

的な感じだったんで

もしかしたら散歩のたびにこれやってるんじゃないのかって思いました。

そういえば、階段をあがってくる犬の表情が

「やっと、あのジュウタンの店に着いたわ!」

みたいな感じで、テンションが尋常じゃなかったんですよね。

ちなみにこの犬は自由が丘で見かけたので、もし「私も自由が丘でその犬見たことある!」と言う人はご連絡ください。「やっぱり、あの犬散歩のたびにやってるな!」と確認できればと思います。



……と、最近見た「かわいい」犬はこんな感じなんですけど、犬のことを書いてたら思い出した犬がいるのでその犬のことも書いてみようと思います。



(番外編)


サクラ ★★★★★



この犬は、昔僕がペンションにアルバイトに行ったときに、そのペンション経営者の自宅で飼われていたパグなのですが

この家では、トイプードルとパグが飼われていたのですが、

トイプードルは部屋の中で飼われていたのですが、

このパグのサクラは外で飼われていたのでした。

理由を聞いたら


「サクラは臭い」


ということだったのですが

臭いをかいだら、これがマジで臭いんですよ。

それに対してトイプードルは可愛らしい臭いがして、しかもこの犬はすごい芸達者な犬で

エサの時間に立ち上がったり、ジャンプしたりして、愛嬌を振りまきまくって、家族にめっちゃ愛されていたんですよね。

ただ、この2匹の格差を見ていると、


可愛らしくて愛されるトイプードルは、中学高校時代に女子校生にモテていたイケメンの尾関や吉田であり、


誰からも愛されず、熱い夏も、寒い冬も、家の外の小さな犬小屋の暗がりの中にいるサクラは


中学高校時代のほとんどの時間をLSIというゲームセンターの狭い暗がりで過ごした自分と重なって見えて


もう、いてもたってもいられなくなり、


アルバイトが終わってから店主に



「サクラを洗わせてください」



と願い出たんです。



それでその家の近くに露天風呂があったので


サクラをそこに連れて行って


サクラは散歩に連れていってもらえると思ったみたいで


ずっと尻尾を振りながら、


グヒグヒッ


と鼻を鳴らしながらついてきたんですが


このグヒグヒッていうのは鼻の低い犬はみんなそうなるみたいなのですが、そのことを知らなかったので


(ああ、この犬は喘息まで持っているのか……)


と心配になり


「サクラ、俺が、お前の人生を変えてやるからな」


と使命感を燃やし、ボディシャンプーで体中をガンガン洗っていき、チンチンもアナルも完全に洗い上げていったのですが


その間、サクラはとくに嫌がることなく、ときおりグヒッグヒッと鼻を鳴らすだけでおとなしく洗われており


その様子に僕は


「賢い子だ……」


と感動し、


それは、「もののけ姫」で、犬神の住む場所の手前でヤックルが立ち止まったのを見て、サンが「賢い子ね」と言ったのと酷似していたわけで


いよいよこの犬を座敷犬としてデビューさせられることにワクワクしながら1時間近くかけ念入りにサクラを洗い、


家に戻ってタオルで全身を拭いて臭いをかいだら





めっちゃ臭かった





んですよね。




「なんでだ!」




と声に出して叫びましたからね。



洗ったはずの場所から、もう芳醇な香りが漂いはじめていて

どういう原理で臭ってるかまったくわからないんですよ。

それで僕は

「どうしてお前は臭いんだ……」

とがっくりしてたんですけど

サクラはグヒッグヒッと鼻を鳴らしながら僕の顔を無邪気にペロペロと舐めてきました。


そして、そのときサクラがこう言った気がしたんですよね。


「水野くん、グヒッ……僕の人生は君が思っているほど、グヒッ……悪くないんだよ」


そしてサクラは言いました。


「たしかに僕は犬小屋暮らしだけど、家族の人たちはちゃんとご飯を食べさせてくれるし、
 
たまに散歩を忘れられるけど、その分散歩してもらえる日が楽しいし、

それに、みんなは僕の臭いが嫌いみたいだけど、

僕は自分の臭いが、そんなに嫌いじゃないんだよね」



(そうか、そうなのかサクラ……)


このとき僕は思いました。


サクラを苦しめていたのは、僕自身なのかもしれない。


なぜなら、


僕はサクラの人生を「変えよう」として体を洗い始めたけど、


誰かを「変えよう」とする行為は、裏を返せば、その人の今の状態が「嫌い」ということに他ならないのだから。




――それから僕は、アルバイトが終わるとサクラの散歩に行きました。


身体を洗うのではなく、サクラの好きな散歩の時間に使うことにしたのです。


サクラは散歩の時間、短い尻尾を振りながら楽しそうに歩き続けました。



それでも、アルバイトの最終日、


どうしても我慢できなくなった僕は、


サクラを露天風呂に連れていきもう一度洗ってみたのですが、やっぱりサクラは臭かったので


「お前は、臭いねぇ」


と言って頭をなでてやりました。














「サプライズ消費」で日本を救おう

この長引く不況の中、「若者の消費が冷え込んでいる」ことが問題視されており

「トレンディドラマに車を登場させれば若者が車を買ってくれるかもしれない」

そんな話すら出ていると聞きますが、

やはりこの問題で一番難しいのは

若者が一番嫌うのが「大人たちにナメられること」なんですよね。

若者っていうのはドラマが好きだから、ドラマに車登場させときゃ買うだろみたいな安直な発想。これが若者から一番嫌われます。

むしろ若者たちの消費には「大人たちへの反抗」が含まれているケースが多々あり、

たとえば中学生が煙草を吸ったりするのも「やべえ、マジ煙草うまそうなんだけど」なんて思っている人は一人もおらず、そのほとんどは「大人たちが禁止してきやがるから、あえて吸う、そんな俺、最高じゃね?」で吸っています。


そこでどうしたら若者の消費を活性化させられるかを、若者の立場に立って考えてみたんですけど、


これはもう「サプライズ消費の流行」をおいて他にはないと思います。


「サプライズ消費」という言葉は聞きなれないと思いますが


これは、僕たちの高校で伝説の男と呼ばれていた「粕山」という男の手によって導入された概念です。


当時、よくみんなで中華料理屋に行くことがあり、


彼は中華料理屋の「くらげ」が大好物だったのですが、


彼は必ず店員の前でメニューを見ながら


「まず、くらげと……」


そしてしばらく間を置いてからこう言いました。




「あと、くらげください」



「くらげ2つ」ではないのです。


彼はまず、好きな「くらげ」を頼み、メニューに目を通したあと、結果、やはり、くらげだなと、くらげ以上のものはないなと、そう結論づけてくらげを注文する俺、そんなストーリを「くらげ注文」という小さな行為の中に盛り込んでくるのです。


そして、粕山という男のすごさはここにとどまりません。



くらげを2つ持ってきた店員さんに対してこう言うのです。












「くらげください」








こうして食卓にはくらげが3つ並ぶことになるのですが

どれだけ粕山がくらげ好きと言っても、くらげ3つは彼にとって明らかにトゥーマッチであり、

というか、あんなに味のぼやっとしたもんを3つも食えないのであり、

結局、くらげのほとんどは僕たちに食べられるのです。


しかし、彼は、中華料理屋に行くたびに、必ずくらげを「3回に分けて」注文しました。


「消費」という人間の欲望が直接現れる何の面白味もない行為において、そこに笑いを見い出していく。


そんな粕山は僕たち同級生の誇りであり、今だ僕が憧れ続けている男であり、いつか彼のようになりたいと、大人になった今でも彼の背中を追い続けている僕がいます。





というわけで、AEDを買いました。





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今、ウチの事務所の扉がこういう状態になっています。




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「普通、自分の部屋に置かんだろ」というところを「あえて」の購入です。


佐川急便から荷物が届いて組み立ててたらアシスタントたちが



「水野さん、何買ったんですか?」



ってのぞいてきたのでAEDを見せて


「いやー、これでお前たちがいつ心臓発作起こしても助けてやれるわ~」


って言ったら笑い転げてました。



車を買うわけでもない、ゴルフセットを買うわけでもない、普段から節約に節約を重ねて、からのAED。



この面白さ、大人たちには分からないと思うなぁ。



でも、今このブログ読んでる若者たちは



「さすが水野、AEDで来たか!」



と笑い転げてますからね。



若者たちの心をつかむっていうのはこういうことなんですよ。



というわけで若者の皆さんは

必死にマーケティングして商品を作っている大人たちを裏切る意味でも


「あえて、こんなもの買ってみたよ」

「欲しくなかったけど、逆に、買ったよ」


というサプライズ消費に挑戦してみましょう。


これで日本は不況から脱出できるはずです。







※ビックカメラでたまたま見つけて「これで粕山を超えられる!」と鼻息荒げて購入しましたが、今冷静になってみると完全に勇み足でした。正直、後悔しています。しかも使う機会が無い方がいいはずなのに、使わないと40万円がパーという、過去経験したことのない種類のジレンマに襲われています。サプライズ消費には思いもよらない後遺症が存在するので気をつけてください。
















精神科をハシゴしよう



先日ファミリーレストランで作業していたのですが

前に座っていた女性が、僕が作業している間に

ステーキ、オムライス、定食……的な感じで食べ物を食べ続けていて

たぶん、一人で8~9個食べていて、しかもすごく痩せていたので

僕は「彼女は過食症なんじゃないか」と心配になり


「ちゃんと心療内科や精神科に行っていますか?」


と言いたかったのですが、どれだけ考えても

見知らぬその人に対して言葉をかけるイメージが持てなくて、

言葉を持ち帰ってきてしまったので

罪悪感を解消する意味もあってここで言いたいのですが

もし、最近動悸がしたり、不安になったり、過呼吸などの症状が出ている人はもちろんのこと

直接そういうことがなかったとしても「もしかしたら行った方がいいのかな」と一瞬でも頭をよぎった人は

明日にでも心療内科や精神科に行ってください。


もう、このジャンルに関してはね、

このブログのすべての読者は、僕のことを「先輩」および「大先輩」と呼び、OB会が開かれようものなら「水野さんのグラス空になってないか?」を常に気にするくらいの勢いで扱って頂きたいわけなんですけど


LOVE理論(美女と野獣の野獣になる方法)にも書きましたが

中学時代から顔のむくみを異常に気にしていた僕は、「顔がむくむんです」という症状を内科に訴え続けたあと、最終的に心療内科にたどりつきました。

それ以降、この「脳の病(僕はこれらの病を心の病ではなく脳の病と認識しています。これは脳が生み出している一種のバグに他なりません)」について好奇心を持った僕は、大学時代に徹底的に研究し、


精神科医の本を読む → その著者の病院に直接行って質問する


ということをしたり


1日に精神科を何軒もハシゴしたこともあるという


もはや

精神界の伝説の先輩

なのです。



まあ確かに、脳の病は単に病院に行きまくればいいってことでもないんですよね。

治療が進まないことをすべて医師と薬のせいにして

なかなか治療が進まない人もたくさんいるみたいです。

骨折した患者もリハビリに対する姿勢によって治るスピードにかなりの差が出るように

病に対するスタンスは非常に重要です。


しかし、これまでの僕の脳の病に対する研究から言えるのは




脳の病の最大の敵は、「体裁」です。





これは、単に「心療内科や精神科に行くことで世間的に後ろ指を指されるから行かない人が多い」というレベルの話ではありません。


そもそも、過食症や、最近多くなったといわれるパニック障害は、


「体裁を気にする」という性格から生まれているのです。


僕はこの事実に気づくまでに、かなりの時間を要しました。


さかのぼること、中学2年。


トンカツ屋でトンカツを食べたところ、気持ち悪くなって店を出てから吐いたことがあり、


それ以来、外食ができなくなりました。


外食をすると「また吐くんじゃないか……」と不安になり、一口も食べられなくなってしまうのです。


それから僕は、

カウンターのお店の料理とか

人の家で出される料理とか

彼女の手料理とか、

そういうものが食べられなかったのですが、


この現象を研究し続けていったところ、


それから20年近く経ってから


そもそもの原因は、「トンカツを吐いたところを、たまたまそこにいたクラスメイトに見られた」という

事実に行き着くことが分かったのです。


トンカツを吐く、という行為だけであれば、別に問題はないのです。


食べたものをただ吐いただけ、


1000円損するくらいです。


ただ、それを人に見られた。


「あいつ吐いてる」


とバカにされた。


すると、僕は「食べる」という行為に対して、


「もしこれを食べなければ、人から笑われる、バカにされる、白い目で見られる……」


この思考プロセスこそが不安を拡大化していき、


その不安が無限に拡大することで日常生活が送りづらくなるのです。


これが、「脳の病の多くは『体裁』から生まれる」とういう理由です。


つまり、


「心療内科や精神科に行くことは恥ずかしい、自分はまともな生活を送れなくなったんじゃないか」



という不安の裏には


他人から「あいつはおかしくなった」と思われるのが嫌だ


という思いがあり、


そして、その思いこそが、脳の病を拡大化しているケースがあるということなのです。


これは裏を返せば、心療内科や精神科にサクサク行き、


あたかも風邪薬のように薬を飲むことができるというスタンスを手に入れた時点で


病そのものが解消されるケースが多々あるということです。


しかし、この事実は現代社会ではまったく理解されていません。


何も知らない人が


「薬はよくないよ」


と平気で言ったりします。


この「よくないよ」という他人に対する目が病気を生み出している可能性があるというのに


ある種の鈍さを持った人はナイーブな人間を追い詰めていくのです。


僕が過去に診断を受けた名医の言葉をご紹介しましょう。





「薬を飲みまくれ。そして、逃げるな」





もし不安が高まったとしても


これまで続けてきた行動は変えない。


ただ、対抗する手段として、薬はバンバン飲みなさい。


そういうことを言いながら


その医師は、僕の目の前で薬飲んでましたからね。


いや、あの名医にはシビれました。


まあこういうことを書くと


「その名医って誰?」


と聞かれると思うのですが


通常であれば、問題が起きたりしそうなので割愛したいところですが


このテーマを扱う以上、書かねばなりませんが


初台の関谷クリニックの関谷院長ですね。


かなりご高齢だし、人気も異常で平気で3時間くらい待たされますし


さっき口コミみたら


「3時間待たされたのに診療は3分だった」


みたいにすげー叩かれていましたが


(ただ、この口コミは「脳の病に対するスタンスが間違っている」に他なりません。患者の中には、医師や薬のせいにしてずっと人を責め続け、病にとどまり続ける人がたくさんいるのです)


僕が診察を受けた中では非常に優秀な医師だったので(そういえば、僕の診察時間も3分くらいでした笑)


神経質症、強迫観念、パニック系で長らく悩んでいる人は一度門を叩いてみるとよいでしょう。



あ、あと、言い忘れましたが心療内科や精神科は


すごく楽しいです。


僕は一時期、現状の努力レベルをさらに上げるために


モチベーションに対しても薬でアプローチできないだろうかと考えて


精神科に行って


「モチベーションをグイグイ上げる薬ってあるんでしょうかね」


と聞いたところ、その医師はこう言いました。





「水野さん。それを『覚醒剤』って言うんですよ」




僕は

「ああー、だから『覚醒』なんですね」

「でもそんなポジティブな言葉使ったらダメですよね。むしろ『副作用でインポテンツ誘発剤』とかにしないとダメですよね」

と笑い合った記憶があります。

精神科は普段聞けないようなことが聞けるので、すごく勉強になります。


あと、昔はカウンセリングっていうと保険が使えないところが結構あったのですが


今はまず保険が効きますので、1度の診断で2000円以上かかることはありませんし、


自分の名前を呼ばれるのが気になる人は


「診察の時に、名前を呼ばないでください」


と言ったら気を遣ってくれる病院もありますし、


予約が必要ない病院もありますし、


また、いざというときのために、行ける病院を用意しておくというのも


これはリスク管理の一環としてすごく大事だと思います。


「心療内科や精神科に行ってる時点であいつはダメだ」っていう空気がある組織よりも


「ちょっとでも異常があるなら行ってきなよ」とサクッと言える組織の方が


問題への対抗手段が多いという点で強いと思います。



というわけで、


このブログを読んで少しでも気になっている人は


ぜひ、明日、精神科をハシゴしてみましょう。


1日2軒っていう状態は


精神科を比較することもできるし


精神科に慣れることもできるし


行ってる本人もバカバカしくて笑えてくるので


「体裁」に対抗する最高の手段だと思います。













目をそらしたくなる衝撃映像

昨日おしりから血が出たので

めっちゃヘコんだのですが

(こういうのは早期発見、早期治療が基本だ)

と自分に言い聞かせ、

おしりを拭いたその手でgoogleで「痔」「病院」で検索し


近所の大学病院に専門科が無かったので街の肛門科に行ってきたんですけど


名前を呼ばれて行くと


診察室がこのような状況になっていました。



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何とも言えない嫌な予感がしたんですけど、



ナースの人に


「ズボン降ろして横になって下さい」


って言われて焦ってズボン降ろしたら


「全部降ろさなくていいです」


とか注意されて完全にテンパッてなすがままにベッドに横たわり


そしたら医師の人がゴム手袋した手で、僕の大事な部分をグリグリとしてきたわけなんですけど


そこまでは、全然耐えられたというか、


「この医師はどうして国家試験を経て『肛門』を選んだのかな……」


とか考える余裕まであったんですけど


ただ、その後、突然


「カメラ入れますね~」


と言われて、おしりにグリグリと入れられたんですけど、


目の前の巨大モニターに



僕のア○ルの拡大図が



映し出されたんですよね。









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もうね、吸い込まれるかと思いました。



自分のア○ルに自分が吸い込まれるかと思いました。


それくらい大きかった。広がっていた。


そして、そこには、もう、映ってるわけですよ。


いくら「ウケる日記」が下ネタブログだからって


さすがにここは自主規制入れさせて頂きますが



僕の口から言えるのは




オール、映ってた。




本来、暗闇の中にあるべきものすべてが、完璧に映し出されていました。




「恥ずかしい」=「おいしい」と教えられてきた半生でした。



でも、「おいしい」どころか「まずい」、いや、肛門科だけに「クソまずい」恥ずかしさがこの世界には存在したのです。



もちろん、医師の言うことなんて聞いてられないですよ。


自分の巨大ア○ルを前にして誰がアナリストでいられるかって話ですよ。


初潮を迎えた少女のように、顔を真っ赤にしてうつむいていることしかできませんでした。



しかも診断では「軽い切れ痔」だったはずなのに




なぜか薬をめっちゃ出されました。




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今日から、この小さなミサイルのような軟膏に


恥ずかしめられていく毎日です。











映画泥棒の「笑い」講座

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どうも、映画泥棒です。
今日は、お笑い芸人のみなさんに集まってもらいましたが、最近はみなさんのようなお笑い芸人の方が映画を撮られるようになってきてまして、まあ中には光るもの持ってる人もいるんですけど
基本、クソつまらない映画ばっかりなんでこっちとしてもまったく盗む気が起きません。

そこで今日は映画における「笑い」について学んでもらえたらと思います。



まず、最初に言っておきますとね

映画って、コントじゃねーんだわ。



コントというのは、「医者」だったり「コンビニ」だったり、ある場面の設定があって、それを崩すことで笑いを生みますよね。

つまり、場面の設定がしっかりしていれば、その中ではある程度何やっても許されるのがコントです。

しかし、映画は「人物」を描きます。

だから、その人物の性格によって場面場面における「行動」が規定されてくるわけです。

少なくともその行動には、その人物としてのリアリティがないといけない。

しかし、お笑いの人たちは「映画=コントの連続」だという勘違いをしているので、同じ人物なのにAの場面とBの場面の行動が全然違っているというか、その場の思いつきで行動させてしまっている。

しかも、そういうリアリティの無い人物が突然ラストで泣かせようとしてくるものだからサブいことこの上ありません。


でも、もし、お笑い芸人監督の中に、


「自分みたいな素人は映画を撮ることはできない。コント師である以上、コントを撮ろう」


と謙虚な姿勢で考える人がいたなら、話は変わってくるのです。



たとえばモンティ・パイソンが撮った最後の映画

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「人生狂騒曲」


カンヌ映画祭で審査員特別賞を受賞していますが、

モンティ・パイソンはこの映画で

7つのまったく別のエピソード(コント)を入れ、


かつ、映画の前後に「人生とは何か?」という挿入歌を流し


ばらばらのコントに一つの連なりを持つように見せました。


でも、実際は、7つの別の場面コントを作っただけです。


この「構造」、何かに近くありませんか?


そうです。


「お笑い芸人の単独ライブ」


です。


全体を貫く(薄い)テーマになぞらえながら、


まったく別の場面、違う登場人物を「同じ人」が演じる。


これこそがコントの「笑い」をお客さんに対して誠実に見せるための形です。


自分の「強み」を把握し、お客さんを喜ばせるために「映画」を撮ろうとしたのなら、まずこの形を検討しなければなりません。

しかし、驚くべきことに、今だ、この形をやっているお笑い芸人監督が一人もいない。


なぜか。



みなさん、映画が撮れると思ってるからなんですね。


なんなら、自分たちのセンスがあれば「映画界に革命が起こせる」と思ってるからね。






起こせませんから。





あなたたちが「新しい」と思ってやってることなんて、


映画の人たち、もうみんな知ってますから。


そりゃそうでしょう。


毎日毎日、映画のことだけを考えて、何十年やってきている人がいる。


それに対して、毎日毎日「コント」を考えてきた人たちにどうして革命が起こせるか。


それができると思うこと自体「思いあがり」以外のなにものでもありません。


しかも、映画を撮るなら撮るで、


実力者に頭を下げて映画の作り方を学びながら進めていくのなら分かるけど


はなっから「自分は映画が撮れる」と思い込んでるから普通に映画撮って「映画とは」みたいなことを語り出す。


本来、「サブい」ことを最も恐れなければならない仕事の人たちのはずが、


映画の内容もサブい、その後のコメントもサブい


一粒で二度サブいことになってます。








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い、いや、ただね、私も批判したいだけでこういうこと言ってるわけじゃないんですよ。


そもそも映画を撮る機会に恵まれているってことはすごいことで、みんな「撮りたい撮りたい」と思っていて撮れないのが映画です。


たからもっと謙虚になってほしいんですよね。


それでもし「笑いをふんだんに取り入れたちゃんとしたコメディが撮りたい」って言う人がいるのだとしたら


次の2本を参考にしてください。


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「リトルミスサンシャイン」









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「グエムル」



「リトルミスサンシャイン」は、

それぞれのキャラクーが一見、コントを演じているように見えますが、

その人物が言うべき言動、取るべき行動を取っていて観客を冷めさせません。

「コント」と「コメディ」の違いを知る上では格好の材料となるでしょう。

30回くらい見てください。



そして



「グエムル」



これはホラー映画ですが、

「笑い」という点でも大きく評価されている作品です。


グエムルのすごいところは、「リトルミスサンシャイン」のように人物をしっかりと描いていることはもちろん、


ある場面の笑いを「単なるその場しのぎの笑いに終わらせていない」ところがすごいです。


具体的にいうと(ネタバレになりますが)


お父さんが、バカな息子をフォローして


「こいつはイイ奴なんだ。責めないでやってくれ」と他の子どもに語り続けるのですが、お父さんがあんまり語り続けるので聞いている他の子どもたちが寝てしまうという笑いのシーンがあるのですが(お父さんは子どもたちが寝てしまっているのにひたすら語り続けます)、

その後のシーンで

このバカ息子がピストルの弾を数え間違えて、そのせいでお父さんが死んでしまうのです。

「バカ息子について語り過ぎる」場面は、ただの一つの笑いですが、

同時にそこは「父親の息子に対する愛情」を表現しており、


その後の父親が死ぬシーンの感動につながっている。


だから、父親が死ぬシーンは、バカ息子が弾の数を間違えるシーンに笑いながら、父親の愛情の深さに泣くことができるのです。


さらに、


この「息子がピストルの弾を数え間違える」も実は大きな意味があり、


最後のグエムルを倒すシーンで


仲間の一人が「火炎瓶を落としてしまう」シーンがあるのですが、

これが「ピストルの弾を数え間違える」が伏線としてあることで「あ、肝心なときに、またやっちゃった!」ということになり

最初の場面からずっとフリになってきた「アーチェリーを撃つ娘」の予定調和を崩すことに成功しています。

ポン・ジュノがどうやってこの映画を作ったのかは分かりませんが、

たぶん、人物をしっかり作り込んで、彼らのヒューマンドラマに仕上げた上で、笑いをスパイスとしてまぶす、という順序で作っていったはずです。

とにかく、このグエムルには表面上は「笑える場面」なのに、それが後々のカタルシスの伏線になっているという


「一つの場面(笑い)に複数の意味を持たせている」シーンが数多く登場し、


映画泥棒の私としても、こういう映画は盗みがいがあるというものです。


ま、実際この映画盗みまくりましたからね。



ぜひこれらの映画を参考にして日本の映画界を盛り上げていっていただけたらと思います。


それでは今日の講義はこれで終わりたいと思います。


ご清聴ありがとうございました。










神は葛藤を望む

たまにニュースとかで

「その土地にいなかった生物が持ちこまれると生態系が壊されるからダメだ」

なんて言われるんですけど

小学生のときから

「そんなわけあるかい」

と思ってきました。

というのも当時、近所の用水路で毎日のようにアメリカザリガニを取りまくってたんですけど、

アメリカザリガニは日本の用水路で他の生物を殺しまくる生態系を壊す最もたるものだったんですけど

毎日、アメリカザリガニを見ていたら分かるのですが

あいつらはめっちゃ幸せそうにしてたんですよ。

「ここの土地、ええなあ」

と。

「敵無しやなぁ」

と。

つまり、何が言いたいかといいますと

生態系が壊されることの方がむしろ「自然」なのだということです。

たとえば誰も知らない未開拓の土地があって、その土地には巨乳の美女しかいなくて

しかもライバルがまったくいなかったら、その土地で好き放題したくなるのが生物じゃないですか。

女性だって、イケメンでマッチョしかいない土地があって、そこには女が一人もいなかったら一番イケメンでマッチョを選ぶだろうし

選んだ男が「最近イケメンでマッチョじゃなくなってきたな」と思ったら、他のイケメンでマッチョのやつと


「ちょっと殺し合ってもらえる?」


ってなります。実際、ライオンはそういうことしてますしね。


で、結局のところ何が言いたいかっていうと、



神様は「安定が嫌い」ってことなんです。



なので、平和で、何の問題も起きない、安らぎのある場所というのがもしこの地球上にあったとしたら

神は確実に「刺客」を送りこんできます。その刺客にとって、その場所は「楽勝」に映ることでしょう。

つまり、ユートピアがユートピアであればあるほど、その分、「楽勝さ」が増していき、敵を惹きつけることになります。
(用水路をユートピアとしたアメリカザリガニも、「小学生」という天敵を呼び込み消滅させられていきました)


またこの関係性は「善」と「悪」にも言えます。


この世界から「悪」は無くならないというのはまったくその通りで、神が安定を嫌う以上、対立するもの(悪)を必要とするからです。

お金を銀行に預けていれば安心だというユートピアに対して、オレオレ詐欺が横行したように、「楽勝」な場所には必ず「対立するもの」が存在してきます。また、同時にそれは逆も言えるわけで、悪がはびこればはびこるほど、「善」に対するニーズが高まります。
幕末の時代などは、あの時代に優れた人がたくさんいたわけではなく、あの時代は「善」にとって「楽勝」だったわけです。

つまり、神は、善と悪をほぼ同じ割合で愛しています。

善も悪も全部神様が作っているわけですから当然と言えば当然かもしれません。

ところで

「どうして世界はこんなことになっているのかな」

と日々考えているのですが

やはり、この宇宙は「安定」に飽きたところから始まったからだと思います。


「宇宙以前」はずっと、安定していました。


しかし「安定している」ことに対して「宇宙以前」は

「これ、何もおもろいことないぞ」

ということになり


「宇宙、始めました!」


の「!」がビッグバンだったのでしょう。


こうして、


空腹と満腹

愛と不安

生と死


「葛藤」し続けることを運命付けられた世界が生まれたのだと思います。

アダムとイブが知恵の実を食べてから人は不幸になったと人類の創世記では説明されることがありますが

あの知恵の実を食べるという行為そのものが、宇宙の始まりだったのでしょう。それ以前の世界は「安定」した「ユートピア」だったわけですから。


つまり、

もしこの世界を作った神様がいるのだとしたら

その神様は僕たちを救ってくれるために存在しているのでは決してなく

神が(もしかしたら、唯一)望むのは

「人間よ、葛藤せよ」

です。


しかし、同時に、

神が葛藤を望む以上「永続的な悩み(安定)」も存在することができず、

現在あなたの抱えている悩みは、必ず神の手によって消え失せることになるでしょう。















ハナコ事件

先日、ゾウのハナコが日本最高齢の65歳の誕生日会をしていたので遊びに行ってきました。


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ハナコの誕生日はすごい人だかりができていて色々なイベントが行われていたのですが、その中で衝撃的なイベントがありました。


それは、『ハナコクイズ』でした。




「それでは最後のハナコクイズです!」


そして飼育係のお姉さんは言いました。


「問題です! ハナコの今朝のウ○コの数はいくつだったでしょうか? 1番、4個。2番……」







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ハナコー!お前とんでもない個人情報晒されとるぞー!





しかもその後、さらに衝撃の展開が。

飼育係のお姉さんがこう言ったのです。



「正解は……こちらに持ってきました~!」



そしてお姉さんが大きな箱を取り出すと、そこにはハナコが今朝した巨塊がゴロゴロと入っていたのです。



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ハ、ハナコー!

お前のウ○コが大衆の目に晒されてるぞー!




誕生日なのにー!!!








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数えられたゾウ





ちなみに、イベント中でこのクイズが一番盛り上がっていたので、飼育係の人は心を鬼にして毎年このクイズをやっていただけたらと思います。


ちなみにハナコは誕生日プレゼントとして大好物のパンをもらって楽しそうにしていましたよ。




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株式頭皮

丸坊主にした頭が伸びてきたので

「今後の髪型どうしようかね」

と事務所のみんなに相談していたのですが

突然山本くんが


「分かった!」


と叫びました。


「髪型を分けて売ればいいんだ!10人くらいに!」


全員がきょとんとしていると

山本くんは「え? (この斬新な発想が)分かんない?」と僕たちを見下すように言って、紙に書いて説明を始めました。






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山本くんの考えは、僕の髪型を「土地」のように面積ごとに売って、買った人がその面積の髪型を自由にできるようにするというものらしいです。

たとえば、土地を買ったほとんどの人は「坊主のままでいい」と思っているけれど唯一「鈴木」だけが

「伸ばしたい」

と思った場合、僕の髪型は次のようになります。





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それぞれの人が自由にした場合は↓の感じになるでしょうし






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「山口」がうまく土地を買い占めることができれば、こういうことも可能になります。






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または、ある人物がすべての土地を買い占めて↓の髪型にしておいて





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「さすがにこれじゃ生きていけない……」と思った僕に、すべての土地を高額で売りつけるという、


まさに、株ならぬ髪の仕手戦みたいなことも起きるわけです。






「な、いいだろ? な? な?」




そう言って目を輝かせる山本くんは「元株式トレーダー」の血が騒いでいるようでした。


そういえばこの前は


「ケイヤの死後の著作権を今から売りに出せないか」


と言っていましたし、
(著作権は基本的に死後は遺族のものになったりしますがその権利を今のうちに売ってお金にして、そのお金でどんどん投資をしていこうということみたいです)


「でもそんなことしたら、俺の身が危険にならないか?」


と聞いたら


「大丈夫。著作権売ったお金で防弾チョッキが買えるから」


とサラッと言っていました。



―――というわけで、


近々、(マジで)僕の髪型が売りに出されることもあるかもしれませんので



その際は、ぜひともご一考のほどよろしくお願い致します<(_ _)>













■ガネーシャTwitter始めました。

「夢をかなえるゾウ」の公式ツイッターを始めました。
毎日偉人のエピソードをつぶやいていく予定です。あまり知られていない偉人のエピソード中心につぶやいていこうと思っているのでよろしくお願いします。

http://twitter.com/Ganesha_yumezo









世界一伝えたい下ネタ






先日、友人を亡くしました。




いや、彼(Kくん)とは友人と呼べるほどの関係でもなく、数回会っただけなのですが

話せば話すほど「この人は頭が良いなぁ」「気が合うなあ」と感じる人で僕はKくんのことが大好きだったのです。


僕が最初Kくんに会ったのは彼の退院祝いの席でした。


彼は2年ほど前から癌に冒されていて、


一度は放射線治療で回復したのですが、再び癌が再発。


そして2度目の闘病生活に入ったのですが、徐々に回復してきて皆と会えるようになったのでその席に呼ばれたのです。


というのも、Kくんの友人が入院中に差し入れとして恋愛体育教師水野愛也のDVDを持っていったらしく(正直その話を聞いたとき、差し入れしたOくんもそのまま入院すべきなのではないかと思いましたが)


しかし病床でこのDVDを見たKくんはとても気に入ってくれたらしく


「この人に会ってみたい」


と思ってくれたようでした。


ただ、事前に僕がKくんについて色々話を聞いていて


その中で特に衝撃的だったのが、


一度は完治したという診断を下されたのに


「再発」


を告げられたときの話です。

皆さんもご存じのとおり、癌の放射線治療はめちゃくちゃつらいと言われていますが、もう一度あの苦しみを味わうために病室に戻らなければならないと知ったとき、Kくんはあまりの怖さに病院のトイレの中で声を上げて泣いたそうです。

それは想像を絶する苦しみだろうと思い、聞いているだけで泣きそうになりました。


また、その話を聞いていたのでKくんが2度目の入院生活から回復したという話は本当にうれしくて


僕はその退院祝いにぜひ駆けつけたいと思ったのでした


そして僕は初めてKくんと会ったのですが


見た目はかなり健康そうに見えるのですが


完全に回復しているわけではなく、


またいつ癌が再発するか分らない状態だったのでどう接していいのか分かりませんでした。


病気について触れないのも気まずいけど、


触れたところでどんな話ができるかも分りません。


つらい闘病生活の存在を知っている以上、「頑張れ」というわけにもいかないし


かと言って励まさないわけにもいかない。


そんな中、


ふと、


僕の頭にある話が思い浮かびました。



そのときの感じを説明するのはすごく難しいのですが



もやもやした霧の中に、すっと小さな光が見え


「この話をすべきなのではないか」


と感じたのです。



そして僕は



「これは、僕の友人から聞いた話なんだけど……」



とKくんに語り始めました。







僕の友人の知り合いに芸術家の方がいるのですが、


その人は相当な変わり者で、これまで常軌を逸したことをたくさんしてきたらしいのですが


ふと、こんなことを思いついて実行してみたのだそうです。


それは


その人の「複数人いる彼女のうちの2人と海外旅行に行くこと」でした。


しかもその人は、あえて彼女たちには「もう一人女の子が来るということ」を伝えていなかったのです。


そして旅行当日。


空港に来た女の子はその事実を知って「ふざけるな!」と激怒したらしいです。


しかし、その芸術家の方はなんとかなだめすかして(この状況を収めること自体神技だと思いますが)

「とりあえず行くだけ行こう」

と説得して3人で旅行に行ったのだそうです。


行きの飛行機の中はもう、気まずいなんてもんじゃなく、まったく口をきかなかったみたいです。


しかし現地に着くと、場所が海外なだけに、一人で行動するわけにもいかず


お互い徐々に話をするようになったみたいです。


そしていよいよ夜になったのですが、


なんと、その芸術家の人は


1つしか部屋しかとっていなかったのです。


やっぱり相当気まずかったみたいですが、


部屋でお酒を飲み始めたところみんなどんどん酔っぱらっていって


その流れで2人がHをし始めたのですが


お酒の勢いも手伝って3人でHをすることになったらしいのです。



その結果、3人ともめちゃくちゃ仲良くなり



毎晩、3人でHにふけっていたみたいなのです。



そして最終日。



いよいよ日本に戻ることになったのですが



突然、一人の女の子が号泣し始めたのです。




「私は、自分が怖い」と。



そして彼女は泣きながらこう言ったのです。




「これまでしたどのHよりも、3人でしたHが気持ちよかった」と。










「なんかいいだろ、この話」


僕が言うとKくんも


「いいですね。なんかいいです」


とうなずきました。


そして、僕は遠くを見つめて言いました。


「この世界にはさ、まだまだ俺たちの知らない場所があるんだよな」


そして僕は、ビールジョッキを高々と掲げて叫んびました。







「3Pに!」





こうして乾杯した僕たちは「でもでも、現実的にそんなこと可能かなぁ!?」「いや、もしかしたらこのパターンだったら!?」などと男同士でボーイズトークで超盛り上がっていたところ、Kくんの美人の彼女さんが到着したので即行で話題変えたのですが、




それから数ヶ月後、Kくんは帰らぬ人となりました。


享年、31歳でした。



お通夜に行ったとき、Kくんの亡骸に触らせてもらったのですが


Kくんのおでこに手を置くとすごく冷たくて、


僕は涙が止まりませんでした。



お通夜の席でKくんが亡くなる瞬間の話を聞いたのですが



最後の最後まで生きようとしていたKくんは


度重なる治療で血だらけになりながらも、毅然とした態度で


「次は何(の治療)をしますか?」


と看護婦さんにたずねていたのだそうです。




僕は


毎晩寝る前に、亡くなったKくんのおでこに置かせてもらった手の感触を思い出しながら



「人は必ず死ぬ」



ことを実感させてもらっています。


でも、


僕は彼に何をすれば良かったのか、何がしてあげられたのか。


今だによく分かりません。




ただ、あのときKくんに話したあの下ネタだけは





世の女性が何と言おうが





なぜか「正解」だった気がするのです。

















240円の授業



昨日、松屋で牛丼を食べていたら僕の隣に座ろうとしている人の動きが少し変わっていたので

「なんだろう?」

と思って見たら、目の見えないおじさんだったんです。

目の見えない人が街を歩いているのは見かけたことがありますが

隣の席に座ってご飯を食べたことがなかったので(こう言ったら不謹慎かもしれませんが)かなり興味をそそられました。


そのおじさんは席に着くと、店員さんを呼び、直接お金を渡して牛丼を注文しました。


それから箸を取ろうとしたので、僕が代わりに取ってあげようと思ったのですが


「いや、そんなことをしたら同情しているみたいでこの人がイラッとするかもしれないぞ……」


としばらく様子を観察することにしたのですが


僕の目の前でかなり手をフラフラさせていたので


「これは、困っていると判断して良いだろう!」


と思い、箸箱を開いて箸を渡しました。すると


「ありがとうございますー」


と愛きょうのある声で言うので


(失礼かなぁ)と思いながらも、好奇心を抑えることができなくなり


「あの、ちょっと質問があるのですが……」


と聞くことにしました。


まず僕が聞きたかったのは、
「目が見えないのにどうやって松屋の空いている席を見つけることができたのか」
ということでした。


目の見えない人が街を歩いているときは棒のようなものを使ってピシピシと周りを叩いているのを見かけますが、あの棒は足元を叩いているので、松屋の「席の位置」は分かっても、「席に人が座っているかどうか」は分からないはずなのです。


しかもお昼時だったので松屋はほぼ満席であり、


僕の隣くらいしか席は空いていなかったのです。



そこで、「どうやって空いている席を見つけられたのか」という質問をしたところ



おじさんはこう言ったのです。




「いやあ、これは申し訳ない話なんですけどね……
 座っている人の背中を押して歩くんですわ。あはは!」




それを聞いて思わず笑ってしまった僕は


「いやあ、僕はてってきり座頭市的な能力で見分けていると思ってしまいました」


するとおじさんも笑って


「それはさすがに無理」


と言っていました。


こうしておじさんにますます興味がわいてきた僕は



「でも、やっぱり人の背中を押したりしてしまうのは大変だと思うんですけど、それでも松屋を選ぶ理由っていうのはあるんですか? 松屋の牛丼がすごく好きだとかそういうことなんですか?」


するとおじさんはいいました。



「いえいえ、松屋っていうのはね、食券買わなくても良いって言ってくれる店が多いんですよ。他の店だと断られたりすることもありますからね。だから私は松屋なんです」






どんな種類のバリアフリーですか。





過去色々なバリアフリー聞いてきたけど、このパターン一度も聞いたことがありませんでした。





さて、ここで突然クイズですが、

目の見えない人が日常生活で一番困ることは何でしょう?








答えは






「郵便物」





だそうです。



郵便物はすべて文字で書かれていて、しかも公共料金や税金など重要な書類が送られてくることもあるわけです。


おじさんは信頼できる人に来てもらって郵便物を見てもらうと言っていましたが確かに大変ですね。
色々な郵便物が簡単で安い料金で点字にできるようになったら素晴らしいですね。


さらに


「お金はどうしてるんですか?」


と聞いたら、それは



「完璧に見分けられる」



のだそうです。

紙幣の角に○やLのような手触りで分かる印があるみたいです。

おじさんは


「何年か前に偽札が出回ったとき、目の見えない人が手触りで偽札だと見破ってニュースになってましたよ」


と教えてくれました。


こうして好奇心の赴くまま質問し続けたのですが


隣の席の人たちもこちらに顔を向け興味を持って聞いている人もいたので


いつのまにかおじさんの私塾的な雰囲気になっており



松屋 → 松下村塾



的な変貌を遂げておりました。




しかも、




こんなに学べて240円(牛めし並盛)ですからね。





松屋のCP(コストパフォーマンス)はマジ異常です。














おみくじ事件



今年1年を占ってみようとおみくじを引いたところ

こんなのが出ました。


ウケる日記


「さまである」て。

占いではなく、もはや断定です。



しかも、この後に書かれてある内容がハンパないんですよ。




ウケる日記




ウケる日記




ウケる日記






前回のブログ

「天下を取るのは2013年以降になりそうです」

と書きましたが、






2013年にたどり着けない可能性が出てきました。










風邪のひき方


※この記事は事実を元に再現されています




1月4日、22時40分。
仕事に疲れた僕はソファに横になりました。







 ウケる日記
(ふわー。めっちゃ疲れたわ。ていうか何なの俺。まだ1月4日だぜ?1月4日からこんだけ飛ばしてくって今年はどこまで羽ばたいちゃうつもりなの?しかも年末は大みそかの深夜まで仕事してたからね。これは2012年は確実に天下取ることになるわ。頭も丸めたし。仕事にお洒落はまったく関係ないっていう理由で1月1日に丸坊主にしたったから。今どき中学の部活でもここまでしねーだろ。正直、ストイックすぎる自分が怖いわ。マジ行くわ。今年は行く)





 ウケる日記
(Tシャツ1枚だとさすがに寒いな……)



 ウケる日記
(これ、何か上に着ないと風邪ひくわ)




 ウケる日記
(いや、ちょっと待てよ)




 ウケる日記
(ここで上着なんか着たら温かくなって眠くなるだろ。これはあくまで仕事の小休止に過ぎないわけだから、このままTシャツ1枚でいるのが正解だ)





 ウケる日記
(いや、これはマジで英断だわ。年明け早々さすが俺だわ。だいたい風邪ひくやつっていうのは、甘いんだよな。自己管理がなってない以前に、志(こころざし)が低いんだよ。いや、実際そういうやつ多いんだよなー。夢を追ってるフリだけしてさ、『お前、全然ワキ甘いじゃん』みたいな。いわゆる織田信長タイプね。何が『人生50年』だよ。調子こいて舞ってんじゃねーよ。家康は75まで生きてるっつんだよ。志高かったら明智のこと『きんかん頭』って見下さないっての。謀反を想定できてない激甘野郎の判断ミスだよ。何が『天下布武』だよ。天下ナメてんじゃねーよ)




 ウケる日記
(それに比べたら家康ね。あいつのモチベーション持続力マジ半端ねーわ。あと三方が原の合戦で信玄にボコボコにやられて逃げ帰ってきた自分の無様な姿を絵師に描かせてその絵をいつも眺めてるってドMの発想が完全に俺とかぶってるし。そもそも黒船が来てなかったら今もまだ江戸時代かもしんねーからなー。そういう意味で俺のベンチマークは家康……)





 ウケる日記
(……)






 ウケる日記





ウケる日記





ウケる日記





ウケる日記




こうして眠りに堕ちた僕が目を覚ましたとき日付は1月5日に変わっており、全身は猛烈な悪寒に襲われていたのでした。





この記事を書いている今も、喉の痛みと鼻水が止まりません――。







今年はまだ6日しか経っていませんが、







僕が天下を取るのは2013年以降になりそうです。



















引っ越しをしています



年末になるとみなさんもお仕事が相当忙しくなっていることだと思いますが

僕も最近は色々な仕事を抱えていて、さらにそこに事務所と自宅の引っ越しが重なっているのですごく忙しいです。

今日も、引っ越しの作業をしていたのですが

山本くんと一緒に住んでいるので、荷物を入れたダンボールが誰のものかはっきりさせるために↓な感じで書き込みがされているわけです。






ウケる日記




それを



ウケる日記

こうしたりしなければならないので、かなり忙しいんですよね。



しかも全部こういう書き込みだけだったら作業もスムーズに進むのですが


たまに↓な感じのわけのわからないやつもあったりして

ウケる日記



「ダウン」というのはたぶん「ダウンジャケット」のことなのでしょうが、「ボッテガ」の意味が分からないのでわざわざインターネットで調べるハメになり


「どうもボッテガヴェネタというブランド品があるらしい」


ということが分かったので




ウケる日記




こういう風に書き直したりしています。



年末のこの時期は本当に忙しいので、みなさんも身体にお気をつけてお仕事頑張ってください!(本棚の整理中に見つけた叶美香写真集「Sweet Goddess」(山本くん所蔵)を熟読しながら)














神の住む町、神谷町



今週、事務所の引っ越しをしまして

新橋と虎ノ門と神谷町の間くらいの西新橋という場所にやってきたのですが

夜、事務所で作業していたところ眠くなってきたので

ファミレスに行って作業しようと思って

近所のファミレスを検索して

神谷町の近くにあるということで行ってみたところ

↓こういう状態になっていたわけです。




$ウケる日記




道路を挟んでロイヤルホストとジョナサンが向かいあっていたわけですが

通常の人であれば、


「どっちのファミレスに行けばいいんだ?」


と頭を抱える場面でしょうけど


過去にファミレスマスターとして活躍していた僕としては


瞬時に結論を出すことができるわけです。



ここでの正解は



言うまでもなく「ジョナサン」ですね。



いや、もちろんロイヤルホストにもファミレスとして優れている点は数多くありますし、僕自身もロイヤルホストは大好きですし、最近は水野ロイ也としてファミレスマスター育成の教鞭を取ることもあるくらいなのですが


ロイヤルホストは


● ドリンクバーがない

● 閉店時間が2:00~3:00で24時間営業でない場合が多い



という2点で深夜の作業には向かないのです。


そこで僕は迷わずジョナサンに行ったのですが、



あり得ないものを見ました。



なんと「ジョナサン」の看板に「営業時間7:00~24:00」と書かれてあったのです。


僕のファミレスの歴史の中でも24:00で終了するジョナサンは過去一度も見たことがありませんでした。



(こ、これは新種のジョナサンか――)



衝撃を受けるのと同時に、僕の心を大きな不安が覆い始めました。


これは僕がこの街に引っ越してきて初めての外での作業なわけです。


そこで一番近くにあるジョナサンの終業時間が24:00。


つまり、深夜眠くなって眠気を覚ますために外で作業をしたくなった場合


ホームグランドとするファミレスが近所にないかもしれないのです。


つまりは、僕の作品を心待ちにしている、


・少数の日本人読者


・10億弱存在すると言われるアジア圏の水野ファン


・そして、今後電子書籍時代になると「分かりやすく、楽しい」と評判の水野作品は
世界中で愛されると言われているので、未来の世界中の読者


・さらには、人類が滅亡以降、地球上に現れる第二の知的生命体「イスル」
(「イスル」はマイクロチップに記録された「人類の軌跡」というタイトルのテキスト文書から、人類の歴史で言う21世紀に、日本という小さな島国に現れた「MIZUNO」という作家の作品に大きな影響を受け、彼の作品を元にして新たな文明を築きあげるのであった――)




そして、近所のジョナサンの営業時間が24:00で終わるというのは



彼らの期待を裏切ることを意味するのです。




が、しかし。



あきらめかけて肩を落としたとき


こんな文字が視界に飛び込んできたのでした。





ロイヤルホスト 24時間営業





「そんなバカな――」




なんと、この場所にあったのもまた、新種のロイヤルホストなのでした。


(こ、この町では一体何が起きているんだ……)



しかし、冷静に考えてみると、これはむしろ当然の帰結。


なぜなら、


神の谷と書いて、神谷町。


ここに24時間営業のロイヤルホストを登場させたということは


つまりは、神は僕に向かってこう言っているのでした。




「書け、書くのだMIZUNOよ。人類のために、いや、人類以降も永く続いてゆく地球のために――」




こうして僕は、


「エム! アイ! ゼット! ユー! エヌ! オー!(MIZUNO)」


「エム! アイ! ゼット! ユー! エヌ! オー!(MIZUNO)」



「水野」のアルファベットを一文字づつ叫びながら(心の中で)、意気揚々と横断歩道を渡り対面のロイヤルホストへと向かったのでした。


すると、


ロイヤルホストの扉の前に


衝撃的な貼り紙があったのです。





本日11月23日は

店内清掃のため

23:00閉店(ラストオーダー22:30)

とさせていただきます







この日、11月23日は勤労感謝の日であり、


通常時の営業と違って閉店時間が早まっていたのです。


僕はあまりのショックで呆然となり、しばらくその場を動けませんでした。



あれは一体何だったんだ――


あれは神の声ではなかったのか――。



しかし、僕は自分に言い聞かせました。


ここは、神の住む町、神谷町。


神がこの僕を騙すようなことをするはずがない。


となれば、これもやはり「啓示」。


神からのメッセージに違いありません。


ただ、そのメッセージをどこまで読みとることができるのか、


それを読み取ることができるのがMIZUNOのMIZUNOたるゆえんであり、裏を返せば、もしメッセージが読み取れなければ、それはMIZUNOではないのです。


そして結論を言うと――僕は、MIZUNOでした。


啓示に込められたメッセージ、それは



「ロイヤルホストには、まだMIZUNOを受け入れる準備が整っていない」



つまりどういうことか。


もちろん、ロイヤルホストではいつもどおり従業員が働いています。


ただ、大事なのは、今日、初めてこの場所にMIZUNOがやってきたということ。


そして、そのMIZUNOを、神も、当然、もてなそうとしているわけですよ。


いわゆる、新入生歓迎会的なことですよね。


つまりは、ロイヤルホストで神の見えざる手が働いた場合、たとえば以下のようなことが起きるわけです。





ロイヤルホストのテーブルに座り、仕事をしていると突然、隣に座っていた中年の男性が僕に話しかけてきた。


「あれ、もしかして水野先生ですか」


「は、はい。そうですが」


「実は私、この近くで不動産会社を経営している者です」


それから軽く談話をして「最近、この近くに引っ越してきた」ということを男性に告げる。すると


「何かお困りのことはありませんか」


と聞かれ、僕は答える。


「実は、今の事務所の入っているビルに駐輪場が無くて自転車を毎回エレベーターに乗せて部屋の前まで持って来なければならないんですよね」(実話)



「ああ、それだったらウチの土地使ってくださいよ」



「え、いいんですか?」


「もちろんですよ。水野先生がエレベーターに自転車を乗せている間に一文字でも多くの文章が書けるわけじゃないですか。私は、水野先生には頑張ってもらいたいんですよ。水野先生の作品を待っている日本の読者と、カンボジアの子どもたち、そして何より、イスルのために」



「どうしてそれを――」



「申し遅れました、私、イスルの長、パティオ・パティーナと申します。人類が存続していたら迎えていたであろう29世紀の地球からやってまいりました。このタイムマシーンに乗って(店員を呼ぶインターホンを指差しながら)」



「そ、そうだったのですか――」



「今から8年後の2020年。水野先生は『光と闇と私 ~そして、私~』を出版致します。これは初めて『MIZUNO』名義で出される作品ですが我々イスルはこの作品に影響を受け文明を形成することになるのです」
 


「MIZUNO……」



「しかしご存じのとおり、歴史は流動的に動き続けています。そして我々イスルの存在を疎ましいと考えている連中もこの宇宙には存在するのです。――あなたはおかしいと思いませんでしたか? あなたの引っ越し先のビルに駐輪場が存在していないことを」



「そ、それは……」


「あなたは多くの日本人を希望で照らす作品を作ってきた。にも関わらず、毎回自転車に乗るときに小さなエレベーターに自分の自転車を入れなければならず、さらに人が乗り込んできたときなどは顔を真っ赤にしながら『す、すみません』と言いながら必死に自転車を横に寄せる、場合によっては垂直に立てる。どうしてそんなことをしなければならないのだと思います?」



「……それは、山本くんが物件を選ぶときに駐輪場の存在を忘れていたから……」



「違います。ズールの陰謀です」



「ズール!?」



「しっ!(人指を唇にあてて)(以下、小声で)ズールは火星に現れた新たな知的生命体です。
そして彼らは我々イスルが知的に成長することを阻止しようと……つまりは我々の知的成長の源であるところの『MIZUNO』の作品を妨害しようとして、今からさらに遡ること20年前の日本の西新橋にやってきて、あなたの事務所が入っているビルの駐輪場を――設計図から取り払ったのです」



「で、でもそれはいくらなんでも、妨害工作として、細かすぎないですか」



「そういう連中なんですよ、やつらは(ホットコーヒーに口をつけながら)」


「な、なるほど……」


「(コーヒーカップをゆっくりと受け皿に置いて)でもご安心ください。そのために私がやってきたのです。今日からはあなたのマンションの目の前にある駐車場、あれを駐輪場としてご自由にお使いください」



「え!? でもあの駐車場は昨日電話して『毎月3000円くらい払いますんで自転車置かせてもらえませんか?』と交渉したときに『いやいや(失笑)。バイクで1万円取ってますけど、やっぱり1万以上ないと厳しいですわ』『いやでも自転車1台で1万は……』『じゃあ厳しいですね』と無下に断られた駐車場ですよ」


「問題ありません。あの駐車場の脇の、誰の土地とも言えないような場所に、そっと自転車を置くのです」



「そっと……ですか?」


「ええ、そっと、です」


「た、確かにあそこはギリいけるんじゃないかとは思ってはいたんですけど……でも、大丈夫なんですか。撤去されたりしないですかね」


「(突然、テーブルをバン!と叩いて)撤去された時は、撤去された時だ! そんなことより、自転車をエレベーターに乗せるのが面倒になって、あなたが深夜にファミリーレストランに来なくなることの方がよっぽど問題なのです。それは人類だけの問題じゃない。もはや宇宙の問題なのですよ!」


「わ、分かりました、やってみます!」


「その意気です、MIZUNO! 
エム! アイ! ゼット! ユー! エヌ! オー! エム! アイ! ゼット! ユー! エヌ! オー!(全身の動きでアルファベットを形態模写しながら)」

 






これに近い出来事が、今後僕の周りで起きていくことになると思うんですけど


まだ神様的な事情で準備が整っていなかったので


ロイヤルホストは営業時間を短くしていたのだと考えられます。


だったら、しょうがない、今日のところは24時まで営業しているジョナサンで我慢しとこう


ちょうどジョナサンのドリンクバーのだったんそば茶も飲みたかったし


そう自分に言い聞かせながら再び横断歩道を渡り、ジョナサンの前に行き、自転車を止めてジョナサンに入ろうとしたら


扉の前にこんな貼り紙があったのです。







本日11月23日は

店内清掃のため

22:00閉店

とさせていただきます








これ、何――。




これは一体何のメッセージなんですか――。




しばし呆然としたままその貼り紙を見つめていましたが、


ここまで来るともう答えは一つしか見当たりませんでした。



それは



「ロイホの準備整いました」



ついさっきは準備が整っていなかったけど、


ジョナサンに来る途中に神様的に水野の受け入れ態勢が整たので



「やっぱロイホ来なよ」



ということだと思います。そうとしか考えられないわけです。というか、そう考えないとやってられないわけです。


残り時間は少ないけれど


これからロイホで作業をすれば

とんでもない出会いがあったり

神懸かりてきな文章が書けちゃったり

そういうことが起きますよというメッセージだと解釈して


改めてロイヤルホストに向かいました。



そして



「神様は一体どんな幸運を僕の身に起こしてくれるんだろう」


と考えながら、


「ていうか、これで何も起きなかったら俺は何のために何度も横断歩道を往復してきたんだ……」



と思いながら、ドキドキしながらテーブルに座っていたのですが




なんと、




22:30頃、突然店員が僕のテーブルの前に来てこう言ったんです。




「ラストオーダーになりますけど、何かご注文はよろしいですか?」



僕は


「大丈夫です」


と答えました。



そして、それから30分後、店員が来てこう言いました。




「閉店のお時間になりましたのでよろしくお願いします」



そして深々と頭を下げられたので


いよいよ店を出なければならなくなったのですが



「なんか帰りたくねえなー」



って思ったら交差点の向こうにTSUTAYAの看板が見えたんでエロDVD借りて帰ったら





これがめちゃめちゃ当たりだったんですよね。




このとき僕の中ですべての点と点がつながりました。




そう――この日は「勤労感謝の日」。



神はきっと僕にこう言いたかったのでしょう。



「水野くん、君はいつも仕事を頑張っている。だから今日くらい『書く』のはやめて『かき』なさいよ(マスを)」と。





――神の住む町、神谷町。




この場所でなら、僕は人類の歴史に残る伝説の作品を書くことができそうです―――。







新刊情報
2年半ぶりの新刊です。
「人生で大切な4つのこと」が楽しく学べる本です。増刷決まりました!
プロフィール

Author:mizunokeiya
はじめまして。
水野敬也です。
著作は「夢をかなえるゾウ」、「ウケる技術」、「雨の日も、晴れ男」、「『美女と野獣』の野獣になる方法」、「大金星」。DVD作品「温厚な上司の怒らせ方」の企画・脚本も担当しました。
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